憧れになろうだなんて大それた気持ちはない〜躓いたり転んだりしながらヒーローになっていく君達へ〜 EPISODE 3

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ほうきを手にした子ども達。この後どんな展開が待っているのでしょうか。

山下先生「とりあえず自由にやってみようか。」

山下先生「とりあえず自由にやってみようか。」

 

なんとなく今までに見てきたすいすい組(5歳児クラス)の動きを見よう見まねでやってみているような感じに思えました。

なんとなく今までに見てきたすいすい組(5歳児クラス)の動きを見よう見まねでやってみているような感じに思えました。

 

ほうきの順番を待ちながら、その場を見守る子ども達。

ほうきの順番を待ちながら、その場を見守る子ども達。

 早めにお迎えに来られた保護者の方の姿も見られますね。こういう形で日々の保育を見ていただけることも、とても大切なことだと思います。

山下先生「じゃちょっと交代してみよう。」

「はいどーぞ。」交代も思った以上にスムーズ!

「はいどーぞ。」交代も思った以上にスムーズ!

何か特別な意識がらんらん組(4歳児クラス)の子ども達に芽生えつつあるようです。

ここで山下先生からの抜擢を受け、

ちりとりと小ぼうきの担当に。

ちりとりと小ぼうきの担当に。

 

熱心にやっていました。

熱心にやっていました。

 

食器を片付けることも忘れてその姿に見入るわいわい組(3歳児クラス)の子ども達(笑)

食器を片付けることも忘れてその姿に見入るわいわい組(3歳児クラス)の子ども達(笑)

小さな伝承が、こんな場面の積み重ねの中にあるのかもしれません。

協力して、とても上手に集めていました。

協力して、とても上手に集めていました。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2013年9月20日『育児の見直し』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝日本では、乳児において特定な人をひとりの個人と読み替えて、いつも同じ人と接することが落ち着くとか、同じ年齢で過ごすことが落ち着くとか思っている保育関係者が多いのですが、それは、本当の意味で情緒が安定しているわけではなく、刺激をあまり与えないことで落ち着いているように思えるだけだと早く気がついてほしいと思います。ジャレド氏ら人類学者たちが、小規模社会を観察してみて、彼らが情緒的に安定しているのは、人と会話して過ごす時間が、私たちよりもはるかに多いということも理由の一つであるといいます。

 私たちは、直接人と会話をするよりも、書籍などといった、外部から提供され、受け身で享受する形の娯楽で消費される時間が多いのです。さらに、ジャレド氏ら子育てについて、このように観察しています。「小規模社会では、は子どもたちが、幼いころから社会性を身につけていることは驚きに値する。彼らの性質や性格や人間性に感服し、自分の子どもにもそれを身につけさせたいものだと願う人は、現代社会にも多い。しかし、その実、われわれの言動がひいては子どもの成長発達の阻害につながっている。(中略)

育児は、学問で学ぶことではなく、経験からよいものが伝承され、残っていくものであると私は思っています。〟

「自由にやってみよう。」数少ない言葉がけでこれだけのことができるに至ったそのプロセスの中に、大人からのほうきやちりとりの使い方の指導があったかと言えば、なかったとは言えないでしょう。ただ、一つ言えるのは、日中の活動の中に例えば一斉活動のような時間を設け、子ども達に受け身となる体制を整えた上でほうき、ちりとりの指導をしたことは一度もありません。

わいわい組(3歳児クラス)の子ども達が手を止めてらんらん組(4歳児クラス)のやっていることに見入っているあの姿のように、きっとらんらん組(4歳児クラス)の子ども達もまた、すいすい組(5歳児クラス)の子ども達の姿を見て、自発的に学び取っていったものと思います。

〝育児は、学問で学ぶことではなく、経験からよいものが伝承され、残っていくものであると私は思っています。〟

本当にそうだと思いました。

さて箒を終えた子ども達。いよいよお待ちかねの、あの時間です!

(報告者 加藤恭平)

 

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