幼児で途中から入って、新しい環境になるというのは実際にどんな心境なのか気になります。
あまり考えず流れに身を任せるのか、それともドキドキして色んなことを想像してしまうのか。
大人になると後者の方が圧倒的に多いように思います。大人だと様々なことが邪魔をして
環境に慣れるのに少し時間がかかるイメージですが、子どもは気づくとお友だちがてきていて、
お友だちの輪にすっかり馴染んでいるというこがあります。
こういった姿を見ると子どもは順応性が高いなぁとつくづく思います。
話は変わりますが、最近4月に入ってきた子どもと担任の先生が話をしていて、
私にこんな報告をしてくれました。
「○○くん保育園がすごい楽しいって言ってくれてるよ」と教えてくれました。
やはり見守る保育という環境は子どもにとって良い環境であることが確信できます。
ある日その話を聞いていたので一緒にいるときに保育園楽しい?と聞いてみました。
するとやはり楽しい!と返ってきました。楽しいと言っている顔があまりにも輝いていて驚きました。
「何が楽しい?」と聞いてみるとその子は、
「今これをしてることが楽しい」と答えてくれました。
これというのは今後、製作で使うために、短くなった色鉛筆を糸鋸で更に半分にし、
トゲトゲして危ない所を紙やすりで『ヤスリをする』という作業でした。
思わず、「え、これが楽しいの??」と聞いてしまいました。
しかし、その子は満面の笑みで楽しいと言っていました。
よく考えると普通に生活をしていたら紙やすりを使う機会なんてないのかなと思いました。
うちの保育園は様々なことを遊び以外でも手伝ってもらうことが多いように思います。
洗濯して干したテーブルクロスを畳んでもらうこともあれば金魚の水槽を一緒に洗ったりということもありました。
トイレ掃除も率先してお手伝いをしてくれる子もいます。
ただどれもやってほしいと頼んだわけではないのにやりたいということが多いです。
そんな経験は家庭ではあまりしないからでしょうね。
その子は新宿せいが保育園に来て様々ことが新鮮でやることやることに興味を持ってやってくれます。
様々な環境を用意することの大切さというのを肌で感じるともっともっと
頑張らなくてはいけないなと感じることができる出来事でした。
(報告者 本多)
何かの作業をしていると、気がつくと側に数人の子どもたちがいてその様子をじっと見つめていることがあります。思わず、「やってみる?」と声をかけたくなり、実際にそうすると「やる!」と輝くような眼差しを向けてくれます。今日も木でおもちゃのギターを作っていると「なに作っているの?」とすぐに子どもたちが興味を示してその様子を見ていました。わくわくするような場面をたくさん用意していきたいですね。余談ですが、私は保育園の年長の時に小学校に入学するのが嫌で仕方がありませんでした。不安な気持ちを抱えていました。そんなことを今でもたまに思い出します。入学したらそんなことも忘れて、存分に楽しむ生活が始まるんですがね。
日本の多くの保育園では、環境よりも保育者主導になってしまう為、色々なことをさせてあげようと思っても難しいことが現状ではないでしょうか。多くの保育者は子どもにとってより良いことをと思っても、経営者が、先輩が、それを良しとしなければできません。子どもにとってより良いことなのに、できません。保育の質のスタンダード化が急がれます。子どもにより良いことをと思う多くの保育者を救ってあげなくてはなりません。
新宿せいが保育園だから出来る、で終わらず、多くの希望をもった保育者がその希望を、持ち続けられるように、本多先生のような先生が発信され、活躍される姿があることは、とても意義があることだと思います。子ども達の純粋な楽しい思いに共感しながら、より良い保育を提案し続けていきたいですね。