以前に職場の同期と話をしている時に先輩が教えてくれたことについて話す機会がありました。
様々なことを教えて頂いた中から、先輩がこんなことをして子どもに気づいてほしいという意図がある行動を思い出しました。
その一つを紹介したいと思います。
うちの保育園はご飯を食べ終わった後に食器を下膳します。お茶碗、お椀、おかず皿、コップをカゴに入れていきます。当然、人数が多いのでそれぞれの食器が多く重なっていきます。
大体それぞれの食器が2棟ずつくらいになるのが普通です。ですが子どもが置いていくと片方に偏り高く積み上がっていくことが多いです。あと1人積み上げたら倒れるのでは?と思うくらい積み上がる時もあります。それは大体大人が直し、平均的に置かれるようにすることがあります。
そこである日、下膳の時間にある先輩が何かの用事で違うクラスから通りました。なにかゴソゴソっと動いて去っていったなぁと思いました。
「ん?」と思い、何をしたのかをよく見てみると下膳食器のお椀の部分をわざと高く積み上げて去っていったのです。
なぜかはみなさんもすぐわかると思いますが、子どもたち自身がそれに気づき、整えてもらうことを意図していたようです。
この些細なことですが、遊び心のようなものと子どもたち自身の気づきにも繋がる行動に驚きました。
これに気づくことは共に共同生活をしていく上で人を思いやる気持ちや、物を大切にする気持ち、整理整頓をすることに繋がっていくと思います。
こういった些細なことを繰り返し繰り返し子どもたち自らが気づける環境を用意していくことの大切さを先輩の行動から感じることができました。
またこういった楽しいやり方をしてくれると自分もそういったやり方をしてみたいと思えます。
(報告者 本多悠里)
遊び心の中に、さらりと大切なことを詰めるそんなことができるその先輩の方はかっこいいですね!きっとその先輩の方は様々な場面で遊び心の中にそのような思いをちりばめたような保育をされるのではないかと想像しました。そんな先輩の深い行動の積み重ねがあるからこそ、本多さんもその先輩の行動から学びを得る事ができるでしょうね。そんな先輩もすごいですし、そこから学びや気づきを得る本多さんの姿もまた素晴らしいなと思います。私もただふざけるだけにならないように(そんな部分もありますので…)でも、楽しさを忘れないようにしていきたいなと思います。
さすが新宿せいが保育園の先輩ですね。その遊び心の中にある意図がわかった時、僕も笑いながら心静かに感動していたりしますが、きっとその先輩もわかってもらえた嬉しさを感じて下さっているのではないかと、最近思うようになりました。共感の相乗効果と言うのでしょうか、新宿せいが保育園に流れるあの明るい雰囲気や風通しのよさはそういったことの積み重ねも理由の一つにあるように感じます。
お椀を高くした後何も言わずに去っていったことと思います。背中で語る、何も言わずに語るその御姿勢に、粋を感じますね。