先日3,4,5歳のクラスに入った時に、「気持ちの余裕の大切さ」を感じさせられる場面がありました。
朝の会が少しずつ始まり、みんなが片づけを頑張っている時、ある子がそんなことはお構いなしに絵を描いていました。その子は、朝の会にも遅れていくことが多く、今回も熱中して何か描いている様子でした。
何を描いているのかなと思いのぞいてみると、白い紙が見えなくなるくらい、いろんな色でいろんなものが描いてあり、重ね描きしすぎて何が何だかわからなくなっていました。
「なんでこんなに描いたかな」と一瞬、思ったのですが、その真剣さにこれはすぐには朝の会には参加できないなと思い、「もう一枚新しい紙をあげるから、それかいたら残りは続きにしようね」と声掛けをしました。
すると、その子は、嬉しそうにその紙を受け取り、また描き始めました。とても上手に家の絵を描いて、「すごい上手だね」と声掛けをすると、嬉しそうな顔を見せ、私に月を描いてと言ってきました。もう周りには、誰も残っておらず、ここまで来たらゆっくり付き合おうと思い、月を描いてあげると、その周りに点々と芝のようなものを描き始めました。「もしかして○○くんのお家を描いているの?」と聞くと、「うん」と、今まで見せたこともないような笑顔を見せてくれました。そして、「またあとで続きやる。一緒にやろうね」と朝の会へ走っていきました。
そこで気付いたのですが、初めに描いていた絵もよく見ると同じ絵が描いてあり、それが何回も描かれぐちゃぐちゃの絵になっていたのです。
ずっと誰かに見てほしかったんだろうなと感じると、少し申し訳ないような気持にもなりました。
今回の様に、ぐちゃぐちゃの絵に見えたり、朝の会に出なかったりといった子どもたちの行動にもちゃんと意味があり、それをちゃんと受け止めてあげる。気持ちの大切さを忘れないようにしようと感じた場面でした。 (投稿者 西田 泰幸)
子どもの行動の意味を想像するということを忘れてはいけませんね。その時のその行動だけを見るのではなく、その子性格や状況などからその子の行動の意味を考えていかなければいけないなと僕も日々、反省しながら過しています。その子は気持ちを分かってくれる人がいて嬉しかったでしょうね。自分の気持ちを分かってくれた人が側にいるのは心強いというか、安心します。自分もそんな存在になりたいと思います。
一日の流れがスムーズに行くことに重きを置いてしまいがちですが、西田先生のように心のゆとりをもって、子どもの思いを知ることはとても大切ですね。一日の流れにその時は沿えなくても、こうして一人の思いを汲んであげることができることもチーム保育が成せることのとても大きな要素の一つであると思います。
視野を広くもち、いつでも心のゆとりをもって子ども達と関わっていきたいですね。