甘やかす?

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今、自分の中で一つの葛藤している課題があります。それは「甘やかす」と「受容する」との違いをどう考えるかということです。保育をしているとこの手のことをいつも葛藤の中で保育をすることが多いですね。

 

たとえば、2才など散歩のときに手をつなぐのをいやがることや、やりたいことができず癇癪を起こすとき、そういったときにどう対応したらいいのか、こちらが折れて、ある程度欲求が改善するまで付き合った方がいいのか、今は違う時間だからと説得するのか。はたまた、我慢できず強硬手段をとるのか。とても悩ましい選択を迫られることがあります。

 

自分としてはその甘やかすと受容するとの違いはどういったときかと考えると、「甘やかす」は子どもの欲求を全面的に受け入れたり、最終的に保育者が根負けして折れてしまったりということかなと思っていました。一方、「受容する」は「何か困難に遭遇したときや嫌なことがあったときに大人が共感し、受け入れる」ということだと思いました。

 

当然、後者の方がより、保育士に求められることだと思います。そうはいっても、根負けして、ある程度欲求に答えることで次に子どもたちが向かうことができることもあります。それは「甘やかす」になるのでしょうか。人によっては「甘やかす」になるのでしょうが、そこに「共感」があるのであれば「甘やかす」にはならないのではないかと思います。しかし、ある程度の線引きは必要であって、それがないと子どもたちにとっては、何でもあり状態になり、結果「甘やかす」になるのではないかと現場を見ていると思いました。ある意味で線引きをすることで子どもたちに「責任」を持たせる必要はあるのではと思いました。

 

藤森先生に聞いたところ

「甘やかす」とは共感や発達理解がなく、自分(大人)のため、たとえば「好かれたい」とか「子どもたちの人気」のために受け入れることをいうのではないかと伝えられました。そして、「受容する」と「甘やかす」の違いは「子どもの気持ちに寄り添ったか」ということです。なぜ嫌なのか、なにをしたいのか。その気持ちに寄り添うことで切り替えることが必要です。また、駄々をこねる子や泣いている子をどうしようもないからといって、放っておくことも一種の「甘やかす」ではないか。結果それは子どものためにはあまり効果はなく、その行為を肯定してしまうことに繋がるのではないか。それは共感ではないですね。

 

ここでさっきの話に戻りますが、子どもたちに一つの線引きや妥協点を出して、責任を持たすことにおいても、「共感」がなければそれは結局子どもたちに寄り添ったものではなくなります。今の子どもたちは自分の中で責任を持つことも、共感されることにも飢えている気がします。だからこそ、「甘える」ことや「共感」されることは乳児期から丁寧にしていくことがとても大切であるということをとても感じます。そのためにいろんな価値観をもって子どもたちに対応するチーム保育が必要ですし、大人から関わるのではなく、子どもたちから関わってくるような「見守る」という姿勢が必要であり、それがコミュニケ-ション能力に繋がるように思います。

 

当たり前のことといえば、当たり前のことなのですが、あらためて考えることや意識し直すことの大切さを感じます。そして、子どものことをしっかりと共感できることや寄り添うことができるチーム作りのため、お互いのやり方を理解し、信頼していけるチームを目指していくことが大切だと考えていて思いました。

 

(投稿者 邨橋智樹)

甘やかす?」への2件のフィードバック

  1. 実際の子どもへの関わりをとても具体的に振り返ることができました。振り返ってみて、共感が足りなかったのではないかと思える関わりが思い出されました。その子の将来のためにどう考え、接するのかということに合わせて、何を思い、そのような行動になったのかを考えるだけではなく、その気持ちを理解し、共感してあげることを忘れてはいけませんね。明日からの保育に向けて、気が引き締まりました。しっかり丁寧に関わっていきたいと思います。

  2.  「甘やかす」と「受容する」の間での線引き、確かに迷うところでありました。保育中に浮かんだ疑問も楽しさの中でいつの間にか消えてしまうことも多く、反省しなければと思います。
     藤森先生の仰る、〝「甘やかす」とは共感や発達理解がなく、自分(大人)のため、たとえば「好かれたい」とか「子どもたちの人気」のために受け入れることをいうのではないか〟〝駄々をこねる子や泣いている子をどうしようもないからといって、放っておくことも一種の「甘やかす」なのではないか〟という言葉に、大きく頷いてしまいます。このことを知っているだけで、その場面に出会った時の心の持ちようが違ってくるように思います。日々の保育の中で生まれる疑問を考察し、解決していくことは、今更ではありますが、日々の保育の向上に直結するものだと、改めて感じました。大変勉強になりました。

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