今年度から新宿せいが保育園の3階にこんな扉が出来ました。
この茶色い扉の向こうには一体何があるのか子どもたちはいつも興味津々です。
そう、この格式高い扉の向こうには茶室があります。この茶室はとても綺麗で畳のいい匂いがします。お茶をたてられるような道具、兜、掛け軸とあり雰囲気は保育園とは思えないとほどの空間となっています。
そんな茶室でなんと年長の子たちだけでご飯を食べています。
いつも興味津々だったその扉の中に入り、ご飯を食べられることは子どもたちにとっては大きな喜びだったようです。
ただ、嬉しいだけでは食べられないのがこの茶室であります。笑
茶室は騒ぐ所ではなく、もちろん静かにしなければいけない空間です。まだまだ私も茶室に関しては知識が乏しいため、子どもたちには
「騒ぐ所ところではないので、騒ぎたい人は外で食べてね」と伝えています。
まず、そんなことを伝えて茶室にそーっと入って行きます。それだけでも子どもたちはこの茶室という雰囲気を感じ、顔はいつもよりニヤニヤしているものの、期待と好奇心を持ちつつ、いつもより落ち着いた気持ちでこの茶室に入っていきます。
そして、ちゃぶ台の横に着座するなり、ちゃぶ台に手を置き体重をかけ反対側のが浮き「ガタンッ‼︎」と大きな音…
バッ‼︎とみんなが振り返るとそのやってしまった男の子は、
「やってしまった…」
というような表情を浮かべています。
やはり、静かにする場所と伝えてはいますが、それ以上にこの茶室という雰囲気を肌で感じ、静かにしなければいけないという感覚というよりかは、体が自然と静かになっていくような体験をしてもらいたいと感じます。
それは塾長の言うメリハリへと繋がっていくことがわかります。1日をずーっとテンション高くいるのではなく、一時的に静かにする場所で落ち着いて過ごすことでメリハリがつくというイメージでしょうか。
そんな雰囲気があることで子どもたち普段味わうことのできない、経験をここでしているのではないかと思えます。
そして、いざ食事へ…
その食事を何度か繰り返すうちに新たな発見が生まれていきます。
その発見は次回に報告していきたいと思います。
(報告者 本多 悠里)
ずっとテンション高くいるのではなく、静かにする経験、落ち着く場所というのは私も以前より意識する機会が増えました。ですが、「静かにしなさい」と口うるさく言うことで子ども達を静かにさせるのではなく、このように環境からそのような雰囲気を感じ、静かにする、テンションを下げる、落ち着いてもらうということが大切ですね。環境があることで、またよりそのような意識にもなりやすいですし、感じ取りやすいですね。環境をいつもとは違う雰囲気にすることで、私もそのようなちょっと気持ちを落ち着かせる雰囲気を作り出せればいいなと思っています。それにしてもこの茶室はいいですね。ちょっと集中しなければいけない仕事なんかをこの場所でするとはかどりそうですね笑
今度、伺う時が楽しみです!
このような茶室で昼食をとることができる経験というのは、非常に貴重であると感じました。私自身、茶室でご飯を食べたことはありませんし、こういった経験をしている人というのも、多くはないと思います。“多くのことを知っている”よりも、“多くの経験をしてきた”ことの方が大切なのは、「体が自然と静かになっていくような体験」が人を形成していくからであるだろうなぁと感じることが出来ました。
今まさに『臥竜塾ブログ』にて、藤森先生が日本の家屋、茶室についての考察をされています。昨年の夏にこの部屋ができたことを思い出て、夕涼み会のことを思い出したり、時にこうして振り返ってみるというのもいいものですね。
茶室での食事は子ども達にとって本当に貴重な体験だと思います。図書館で走り回っている子どもを見るとなんとも言えない気持ちになりますが、その部屋、その空間における雰囲気の読み方、察し方というものが身につく上でも、とても重要な取り組みだと思います。