雰囲気2

このエントリーをはてなブックマークに追加

前回は茶室での雰囲気を感じ子どもたちの様子を少し紹介しました。

今回は茶室で食事をしながら少しの発見を紹介していきたいと思います。

私は初め、「茶室で食べる」ということだけが頭にあり他のことはあまり気にせずにいました。一回目の茶室でのご飯は、普段通りの食器でご飯をもらい、茶室へと持っていきました。

 

やはり、茶室という雰囲気からか、静かにご飯を食べ、その日は終わりました。

私はそれでも満足していたのですが、やはり新宿せいが保育園は違いました。

 

翌日からはなんと調理さん松花堂弁当の器に給食を盛りつけてくれるようになりました。一人一人の器があり、ちゃぶ台に並べられるとそこはまるでどこかの旅館のよう…雰囲気は俄然増していました。(笑)

IMG_2893

子どもたちの反応もとても良く、

「今日もあそこで食べられるの??」

と、かなり嬉しそうな表情を浮かべています。

 

そして、松花堂弁当の様子を見た先輩保育士がこんなことを提案してくれました。

「箸置きとかあったらいいね。あとお茶とか、汁物はこっちがトレーに乗せて持っていってあげたらいいよね。ほら、おもてなしの心よね。」

と…。

 

それを聞いた瞬間私は心の中で「さすがです…」と言っていました。

そんな心を私は忘れていたなと反省する気持ちと、これをすることで子どもたちが感じる雰囲気も増し、より良い経験になることから、さらにメリハリという言葉を意識してくれるのではないかと思えました。

 

ついに松花堂弁当を食べる時がきました。

新宿せいが保育園ではいつも給食は「いっぱい、ちょっと」と言って自分の好きな量を選ぶことができます。

しかし、松花堂弁当になると最初から盛りつけられています。最初は何も子どもたちに言わず食べ始めました。いつ食べられない…と訴えてくるかなと思って見ていると、そうは言わず、一生懸命食べている光景が目の前に広がっていました。

 

よく見てみるといつも少しにしている子が完食していました。これには驚いて、「よく食べられたね!」思わず声をかけました。

すると、にやりと表情だけの返事…笑

 

色んな意味も含まれているとは思いますが、この茶室という雰囲気に子どもたちは刺激を受け、食までも変化させてくれることに感動しました。

 

そのことを先輩保育士に伝えると、

「たまにはいいよね。どうしても食べられなかったら残してもいいし、先生がみんな食べる量把握してるから、無理しないでいいよって声かけられるしね。学校に行く練習にもなるよね。」

とお言葉を頂きました。

ごもっともです。

 

茶室で食べることで色々な発見があります。

さらに茶室で食べることで子どもたちから出たおもしろい言葉も生まれました。

その報告は次回にしたいと思います。

茶室でのご飯はローテーションで先生が代わる代わる食べていきますが。それぞれの先生方の発見も踏まえて報告できたらと思っています。

(報告者 本多 悠里)

雰囲気2」への3件のフィードバック

  1. 一人で考えていて、なかなか答えがでないことでもちょっと周りの人に投げかけるだけで「こうしてみたらいいんじゃい?」「もっとこうするとおもしろくならない?」とどんどんアイデアが広がりますね。私もあまりアイデアが豊富ではないのですが、他の先生方に相談してみるとあれよあれよといいアイデアが生まれてきます。なので、私は「いいですね!ああいいな!やりましょうよ!」と誰よりも食らいついてとにかくやりましょうという係のような感じかもしれません笑
    また、たくさんの人と共有しながら、楽しみ、盛り上がっていくからこそいいアイデアがどんどんうまれてくるのかもしれませんね。それは保育を楽しんでいるからこその姿でもあるのかもしれません。「雰囲気」という題名ですが、保育を楽しむという雰囲気が職員さん全員にあるからこそ、楽しいアイデアがたくさん生まれてくるのかもしれませんね。そんな雰囲気で満ちた職場は最高ですね!         

  2. とても面白い経験ですね。うらやましいです。そして、普段“いっぱい”が食べられない子どももその日は食べられたということで、「雰囲気」が味覚や気持ちを変えたということですね。また、「箸置きとかあったらいいね。あとお茶とか、汁物はこっちがトレーに乗せて持っていってあげたらいいよね。ほら、おもてなしの心よね。」などと、食を囲む環境に目を向けることに重要性を感じている“雰囲気”もいいですね。次の報告も楽しみです。

  3.  〝にやりと表情だけの返事…笑〟最高ですね。雰囲気を読む力、TPOに合わせた態度をとる能力、など、様々な奥行きを感じさせながら、しかも普段の姿と一歩も二歩も前進したかのような〝完食〟という結果を残すあたり、流石だと思います。そういう感性をもつその子の力ももちろん素晴らしいと思いますが、やはり、茶室という、その力を存分に引き出させるに至った部屋という環境設定をされた藤森先生の力に、改めて驚かされてしまいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です