茶室での報告が続きます。
茶室で食べ始めたある日、ある女の子がおかわりをするために茶室を出て、おかずをおかわり当番の先生にもらいに行きました。その際におかわり当番の先生はその女の子に、「茶室で食べるのはどう?」と聞いたそうです。
するとその女の子がこう答えたそうです。「なんか落ち着く」と答えたそうです。
これはまさにその雰囲気をしっかりと感じとっているということだと思います。
ほかにも最近こんな感想が子どもから出ました。
「静かだから、食べやすい」と言っている子もいました。
茶室の前にはこんなものが貼ってあります。
少し反射して見えにくいですが…
この茶室という非日常空間に入ることにより上の写真にあるように不安や緊張の緩和、イライラを解消したりする効果があるようです。
子どもたちの発言にあるように落ち着くという言葉が出るということは、この空間があることによって子どもたちは何も言わずとも緊張や、イライラを解消したりしていることがわかります。
さらにいつもとは空間があることで違う落ち着きがそこには感じられます。気持ちは高ぶってはいるものの発する言葉はとても落ち着きがあり、しっかりと物事を考えて話しているような印象です。
そして自分の言いたいことをここではしっかりと主張し、お友だちや先生ともよく話ができます。話をすることで感じたのが、静かに心を解放し、自分を見つめ、自分の発散エネルギーを自分の中に取り戻す時間であるようにも感じました。
静かであることで、騒ぐ必要がないため、自分の言った発言をしっかりとみんなが聞いてくれることで満足感を得られ、イライラの解消にも繋がるのではないかとも思えます。
子どもたちと大事なお話がある時はこの空間を使っても良いのではないかとも思えます。
茶室の前にある掲示のような効果が目の前で感じられることはとても面白く、五感をフルに使えるお茶というのは非常に面白そうだと感じます。
そのお茶を以前、塾生の西村氏がお茶を習っているため、その先生をお呼びしてお泊り保育の際に本格的なお茶体験を子どもたちにしてもらいました。その報告はいつか…笑
そして、それぞれの先生が茶室で一緒に食べることでちょっとした気づきが2つありました。
1つ目は、正座です。
現代の子は椅子での生活が普通であるのか、すぐに姿勢が崩れてしまう子が多いということ。数名は最後まで正座でご飯を食べることができますが、まだ難しい様子。ただ現代は足が長い子が多いというのは正座という生活ではなく椅子に座る習慣がついていることがわかります。
ですのでこの茶室という空間はちょうど良く、日本の伝統を肌で感じ、正座という日本の文化を思う存分味わえる空間であるように思えます。
2つ目は、箸の持ち方です。
狭い空間では、それぞれの子をよく見ることができます。普段も見ていますがそれ以上にということです。笑
近いことで箸の持ち方など教えられる良い機会ともなります。以外と持ち方がわからない子が多いことに気付け、遊びの中に組み込んでいかなければいけないねという反省点も浮き彫りになったと言うことです。
ちょうどこの日は納豆炒めというおかずだったため一粒取れるかな?ということをやってみました。
個々の発達がよく見れるという部分でもよい機会なのではないかとも感じます。茶室という空間があることで様々な発見が見られます。
これからもなにか発見があれば報告していきたいと思います。
(報告者 本多悠里)
茶室で過ごすことで様々な発見があるということもまたおもしろいですね。茶室の意味、とても勉強になりました。昔の家には空間が作りだす非日常的な雰囲気があったように思います。実家にも畳の客間があったのですが、やはり子どもの頃からその場所は特別な感じがあり、あまり立ち入らない場所でもありました。空間が生み出す効果の可能性を感じますね。「子どもたちと大事なお話がある時はこの空間を使っても良いのではないかとも思えます」とありましたが、これはいいですね。別の空間に移ることで集中力が高まるというのは大人でもありますね。環境、空間の奥深さを感じます。
本当に、自分にベクトルが向きやすい環境ですね。これまでに、子どもの口から「なんか落ち着く」という言葉を聞いた事がなかっただけに、その言葉の重みが伝わってきます。また、「子どもたちと大事なお話がある時はこの空間を使っても良いのでは」というように、こちらからの働きかけではなく、子ども自ら人の話を聞こうという姿勢になれる環境でもあるということですね。そこから多くの可能性が生まれそうですね。