2月2日は〝ふうふの日〟。藤森先生、ありがとうございます!EPISODE 1

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先日の生臥竜塾報告『今日の活動』で、NHKスペシャル『ママたちが非常事態!?最新科学で迫るニッポンの子育て』を見たことをお伝えしました。

 

何とも素晴らしい番組で、写真を交えて、その内容を報告していきたいと思います。

何とも素晴らしい番組で、写真を交えて、その内容を報告していきたいと思います。

 

この日は2月2日、そう〝夫婦の日〟。僕はこの日この番組を見て以来、ますます夫婦仲が良くなりました(僕がそう思っているだけかもしれませんが笑)

ブログを読んで下さっている方々に幸せのお裾分けをしたく、この度の連載を開始します。

 

番組の冒頭は、参加されたお母さん方10人が自分の赤ちゃんの泣き声を当てる、という実験から始まりました。

なんと10人全員が正解!お母さんって本当に凄いですね。

 

そんなお母さん方が、子育てに苦しまれています。

 

現在子育て中のお母さんを対象にアンケートをとったところ、〝子育てで孤独を感じている〟と回答された方が全体の7割を占めた、ということが紹介されていました。

なぜか湧き上がる不安、孤独感。子育てはこれでいいのだろうか、という不安や心配が結果自分を責めてしまうことに繋がってしまいます。

保育園に子どもを預けていないご家庭の場合、そのストレスを一日中感じながら子育てをしているお母さんもいます。

世の中のお母さん方の心の声のように思えます。他人事とは思えません。

世の中のお母さん方の心の声のように思えます。他人事とは思えません。

 番組は、「子育てが辛いのはあなただけじゃありません」と伝え、まず、〝なぜか湧き上がる不安、孤独感〟について、科学的に解明された、お母さんのメカニズムについての解説をしていました。

その答えは〝エストロゲン〟という物質にあります。

その答えは〝エストロゲン〟という物質にあります。

一般に卵胞ホルモン、または女性ホルモンとも呼ばれ、その主な働きの一つに〝自律神経、感情の動きや脳の働きを整える〟というものがあります。

それが出産後に急激に下がってしまうのです。

〝こんな迷惑な仕組み〟とコメンテーターの方は表現されていましたが、本当に、この仕組みは何のためにあるのでしょうか。

それは、〝共同養育を促すため〟と言われています。つまり、〝仲間と一緒に子どもを育てるように仕向けられている〟ということです。

ここで、京都大学霊長類研究所、松沢哲郎(まつざわてつろう)氏がアフリカの奥地に住む人々を取材し、人類の子育ての原点について解説をしていました。

松沢氏です。藤森先生に感じる、優しい眼差しをしておられます。

松沢氏です。僕が藤森先生に感じる、優しい眼差しをしておられます。

 

日本人は思わずドキッとする名前ですね。

日本人は思わずドキッとする名前ですね。

 

子どもを近所の人に預けて、狩猟に向かうシーンです。藤森先生は「保育園に預けて仕事に行くみたいだね」と仰っていました。全くその通りだと思います。

子どもを近所の人に預けて、狩猟に向かうシーンです。藤森先生は「保育園に預けて仕事に行くみたいだね」と仰っていました。全くその通りだと思います。

その数分後、赤ちゃんが泣き出すと、おもむろに胸元を広げ、授乳をされていました。インタビューをすると、

「自分の子も他人の子も同じ家族だからね」

と笑顔で答えられていました。

 

人間の女性は、たくさんの子どもを産めるようにできている、と言います。

バカ族の方々の中には9人の子どもを持つお母さんもいました。これ程多くの子どもを、母親一人で子育てをするというのは、物理的に無理だと思います。

だから、人の手が必要です。それをバカ族の方々は、家族、親戚はもちろん、ご近所の方々に求め、また、それをごく自然に応じ、そこに住む人全員で子どもを育てているのです。

まさに、共同養育と言えます。

日本では、〝ママ友現象〟と呼ばれるものに、この例を見ることができる、と番組では紹介されていました。ママ友を多くつくろうと、各地でイベントが開催されたりすることは、日本特有の傾向なのだそうです。

 

ここまでを、まとめます。

 

子育てはそもそもお母さん一人でできるものではありません。それは、体の性質上極めて困難なのです。体の中に流れる〝エストロゲン〟をいう物質は出産を機に急速に激減し、孤独感や不安感を増長させます。それは、人と繋がりたい、皆で子育てをしたい、という欲求を生み出す為に必要な傾向なのだ、と言えるように感じられます。

それは、共同養育を促す為なのだ、と言えると思います。

藤森先生は一歩踏み込んだ見解を示されています。

11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2015年5月25日『共同ではなく協働』の中でこう書かれています。

〝「協働」とは、「複数の主体が、何らかの目標を共有し、ともに力を合わせて活動することをいう」とあるように、「ともに活動する」ということが込められています。そして、このときの「ともに」には、深い意味があります。単純に「共同して」というように力を合わせるということだけでなく、目的意識を共有し共通の目標に向かって達成に力を尽くすことや、お互いが対等の立場でそれぞれの特性を活かすことが重要なようです。(中略)

そこで、協働とは、「様々な主体が、主体的、自発的に、共通の活動領域において、相互の立場や特性を認識・尊重しながら共通の目的を達成するために協力することを言う」と定義されてもいいかもしれません。〟

そして、『臥竜塾』ブログ2010年3月11日『協働』の中にも、こう書かれています。

〝最近、私は人の遺伝子は社会を形成するために様々なものが組み込まれている気がしています。それは、現在、人間が持っている特性を見ても、集団を形成することに適しています。そして、その集団は、競うためにあるのではなく、共生し、協力するために必要だったはずです。しかし、いつもの間にか、競争社会と言われ、人に勝つこと、人より抜きんでることが目標になり、そうなることによって一つの価値観での競争になっていっています。人それぞれがいて社会なはずが、同じようなことを全員一斉にやり、その中で競争させられています。もう一度、それぞれの役割の中で、協力したり、協働していく社会をつくらないといけない気がします。〟

協働することで、子育ては何倍も楽になります。それだけでなく、子ども達にとってもそれは必要なことなのです。大人同士が繋がり合い、子ども同士が繋がり合い、一つの社会を形成していく。日本が生まれ変わる必要があるとすれば、その原点は、この『協働』という言葉にあるような気がしてきます。

番組は展開されていきます。次回に続きます。

狩猟を終え、お迎えにきた先ほどのお母さんです。自分の子どもを迎えに行く時の喜びは、万国共通ですね。

狩猟を終え、お迎えにきた先ほどのお母さんです。自分の子どもを迎えに行く時の喜びは、万国共通ですね。

 (報告者 加藤恭平)

2月2日は〝ふうふの日〟。藤森先生、ありがとうございます!EPISODE 1」への1件のフィードバック

  1. 共同養育を促すためにお母さんの体が変化するというのは驚くべきことですね。孤独感や不安を感じると、人はやはり誰かに精神的にも肉体的にも助けてほしいと思うのが自然ですね。そんな自然な反応を満たすことができないのが現代社会でもあるのかもしれませんね。そのことが科学的に証明されることによって、どんどん理解の我が広がっていくといいなと思います。そして、合わせて藤森先生の考えをのせていただいているおかげで気づきも深まります。私たちは協働、協力することで生き延びてきました。だとすると今の競争社会は不自然なことですね。大きな目的を共有し、それに向かって協働、協力することは競争とは全く違いますね。協働、協力することの方が絶対に楽しいですね。

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