2014ドイツ報告2

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前回の2014ドイツ報告の続き

●感情パネル

「感情教育」と呼ばれる保育を基に作成されたもの。子どもどうしの関係や、何かに遭遇した時、悩んだ時などを表わす写真が入ったボックスがあり、そこから1枚を選んで、保育者がその場面について、この子はどのような気持ちかを子どもと一緒に考えるそうです。またドイツでは人が集まる場所や電車で、スマホとかゲームをしている人を見かけたことがありませんでした。塾長によると、「それはドイツ人が、直接話したり、議論をしたり、談笑したりするのが好きな国民だから」だそうです。そしてそれは、人との関係を学ぶ保育がドイツでは行われているからとありました。その1つが感情パネルを用いた「感情教育」であると思いました。

図8(1)

中央の写真が感情パネル、 右がこの写真を見て子どもが感じたこと、思ったことをまとめたもの

 

●マッサージ

ドイツ視察で伺った各園には、必ず「癒し」の空間がありました。その中に子どもどうしでマッサージし合えるようにと癒しの空間にマッサージ器具が置かれている園がありました。その園で直接聞いたわけではなく、塾長の臥竜塾ブログからの抜粋ですが、子どもどうし体を触れ合うと、脳の前頭葉が活発になると言われていて、そのような意図もあるのではないかとありました。また少子化になると、子どもどうし体を触りあう遊びや、じゃれ合うという機会が少なくなってしまっている現状があるので、このような活動を大切にしていくべきだと思いました。

図7(1)

癒しの空間

 

●ビール

これも塾長のブログで書かれていたことですが、こちらでも再度報告させていただきます。街の至る所にビアガーデン、ビアホール、オープンカフェがあり、昼間からよくビール等のお酒を飲んでいる姿がありました。しかし、ほとんど、いわゆる「酔っ払い」には出会いませんでした。日本では多く目にする、気分を悪くして道の端にしゃがみ込んでいたり、人に絡んだり、フラフラとぶつかりながら歩いている人をドイツでは見かけなかったのです。それは、アルコールが弱い人は飲まないようにしていたりと、しっかり自己管理している結果であるとありました。私はいわゆる下戸で、お酒が全くと言っていいほど飲めません。幸いアルコールの味も苦手であることから飲もうとせずに済んでいますが、もし味が好きだったらと考えると、自己管理できていたか怪しいものです。ですので、せっかくドイツに行けたのに、ドイツビールを堪能せずに帰ってきてしまいました…(笑)この自己管理の背景には、幼児期から自制心と自律をつけている成果かもしれないと塾長のブログに書いてありました。そう考えると、より一層幼児期に見守る保育の理念の基、選択制等を重要視し、それに伴った保育の質のスタンダード化を図ることが必要であると思いました。

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左がドイツビール、右は下戸の私用のアップルジュース(笑)

 

長々と環境セミナーで行ったドイツ報告でピックアップした内容を報告させていただきました。

私は緊張強いで、リスナーの方々にちゃんと伝わるのか心配でしたが、ベテラン保育士のA先生とご一緒に報告させていただいたことで、私の緊張強いもそこまで出ずに済み、無事終えることができました。

A先生と一緒に報告させていただいたことでの1番の学びは「口調」です。

その先生の口調は、「~でした。」ではなく、極端に言えば「~だったんですよー」と緩く伝えることで、この「ー」の中に「そう思いませんか?」と言っているかのように共感を求めながら伝えていたと感じたのです。

それに加え、2人で談話形式で報告することによって、「~でしたよね?」と投げ掛け合うことでリスナーとの距離を縮めることができた気がしますし、リスナーの方々が「ドイツに行った気になる」というコンセプトの基、動画報告を軸にして行ったことで、よりリスナーへの共感を追求できた気がしています。

このドイツ報告は年内にあと2回、8月の末と11月の頭にやらせていただける予定です。あとの2回も「リスナーとの共感」をベースに工夫していき、より伝わりやすくしていけたらと思います。

(報告者 若林邦彦)

2014ドイツ報告2」への3件のフィードバック

  1. 感情パネルはずっと気になっていて、実践してみたいなと思っていることなのでまた詳しく知りたくなりました。大人である自分自身でも一体自分は何を考えているのだろう、どうしてこんな気持ちになるのだろう、どうこの気持ちを整理したらいいのだろうと悩むことがあります。それはきっと多くの人にも共通する部分でもあるかもしれません。幼児期からそんな自分の気持ちと向きあう経験を大切にしているということからはしっかり将来を見据えて、今なにをすべきかを考えているということが伝わってくるようです。「酔っぱらい」の人を見かけないというのと、自己管理の話はとても納得の話ですね。自分の含めて、自己管理ができていない部分というのは耳の痛い話です。報告の仕方もとても参考になりました。せっかくの場ですから、参加された方に少しでも多くのことが伝わる嬉しいですね。そんな目的を持った報告の仕方が大切になってくるということを教えていただきました。

  2. 「マッサージ」の報告を見ていて、最近1歳児が他児に対して頭を撫でたり、肩をポンっと触れてみたり、一緒に手をつなごうと誘っている姿を思い出しました。1歳児のテーマでもある「子ども同士を結び付ける環境」として、マッサージ玩具を用意してみるのも面白いなぁと思いました。とてもいいヒントを頂いた気がします。それによって、子ども同士でマッサージし合う関係によって、より関わろうとする力が育まれていくことを期待したいと思います。

  3.  マッサージのスペースはとても印象的でした。癒しの空間たる雰囲気づくりもまったく成功されていますね。本当にセンスがよくて、素晴らしいなぁと思います。
     また、酔っ払いがいなかったということが本当にすごいことだなぁと、朝、新宿を歩く度にこの報告を思い出したりしていました。何がそうさせるのか、原因はありすぎるのかもしれませんが、ドイツのそういった美しい姿勢は、見習うべきだと思います。

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