7つの習慣 6

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前回、「他者を打ち負かして手にする勝利のことではなく、関わった全員のためになる結果に達するように効果的な人間関係を築くことのためにある」という「公的成功」と「Win-Win」のことを話しましたが、このような関係を作るためにどういった見方を持てば良いのでしょうか。一つは前回話したとおり、「勝者、敗者という考えは間違いである」という考えを持つことであり、そのためにも「ときには会話から降りる」ということです。会話から降りつつ、信頼関係を維持し、次の機会に協力するという考えです。

 

今回は「Win-Win」を達成するためのもう一つ中心となる考えと5つの柱について書こうと思います。

 

コヴィ氏は「Win-Win」の考えの中で必要なことは「勝者、敗者という考えは間違いである」という考えともう一つ、「豊かさマインド」の話をしています。人には「豊かさマインド」と「欠乏マインド」があると言います。「豊かさマインド」は「すべての人が満足することは可能だ」という発想です。幸せの量は一定ではなく、新しく作れると言う考えです。一方の「欠乏マインド」は人の成功を「おめでとう」とたたえながら、内心では嫉妬するような考えで、「幸せの量は決まっていて、誰かが一切れ取ると、自分が損をする」という発想です。つまり、私心なしで相手を素直に認めることができるかということですね。う~ん、早くもつまずきそうです。(汗)

 

しかし、私はこの文章を見て、「共感」と同じ感覚なのかなと思いました。「豊かさマインド」のような気持ちを少しでももっていないと共感はできないように思います。「欠乏マインド」あるほど、ぶつかったり、意地を張ったり、と建設的な話し合いができないように思います。よくよく考えてみると、私もぶつかるときほど、こういった「欠乏マインド」のような考えが少なからずあり、意地を張っているように思います。「欠乏マインド」があるのならば、「豊かさマインド」に切り替える必要がありますね。

 

さて、これまで話した7つの習慣の始めの「インサイド・アウト」第一の習慣の「主体性」、第二の習慣の「原則」、第三の「最優先事項」で得た誠実性、そして、「豊かさマインド」は「Win-Win」の達成を支える柱でもっとも重要な要素になります。それが次に出てくる5つの柱の一つ目「人格」です。

 

「Win-Win」は①「人格」②「関係」③「合意」④「システム」⑤「プロセス」の5つの柱によって達成できるとあります。

 

これらが実際どういった関連性になるかというと

すばらしい人格から始まる交流(①)、それがあることで高い信頼に基づく「関係」(②)を構築でき、だからこそ、議論を尽くして、双方が納得する合意(③)に到達すると言っています。

 

そして、「Win-Win」を得るにための組織や人間関係を構築するシステムも考える必要があります。チームの業績が上がれば、チームの評価が上がるという方法にシステムを転換する(④)必要です。つまり「チームの為にがんばれ」という単一で個人的な評価になる価値観ではなく、「協力したからこそできた」というチームワークとしての考えや価値観を持てるようなチーム作り、システム作りをすることで組織の中にいる人の人間関係を円滑にしていくことです。

 

そして、さらに結果に至るまでの「プロセス」も重要であるとしています。コヴィ氏はプロセスには①相手を理解し②解決すべき課題を明確にする。③確保すべき結果を明確にし④結果を達成する選択肢を出す。という4つのステップを進めています。

 

ながながと文章にするとなんだか難しく思います。つまり、「Win-Win」を得る為には、お互いの信頼関係がなければいけません。そのために自分自身の人格も高めることが必要とされます。そして、組織のあり方や環境における影響も考えていかなければいけません。自分の利益だけを主張しても、信頼は生まれないのです。結果を求めるだけではうまくいかないのです。5つの柱があることで初めて達成できるということを胸において、人間関係を作れるように意識していきたいです。

 

最後にこの第4の習慣の「Win-Win」のところで面白い文がありました。「豊かさマインド」の説明のところでしたが、「与える人がもっとも豊かになる」という文章でした。その文章を受け、絵本「ギビングツリー」を思い出しました。絵本「ギビングツリー」は保育環境研究所の「ギビングツリー」の名前の由来にもなっています。その絵本の中に出てくる木はもう一人の登場人物である男の子にすべてを与えます。その姿に無償の愛を感じるのですが、組織においても、人との関係においても「与えること」ができる人は「豊かな人」であるというのはとても分かります。与えるためには相手を信じなければいけません。そして、信じる為にはそれだけ自分自身の「度量」が求められますし、その度量こそが「人格」であるように思います。自分もいろんな人に「与える人」になりたいですし、自分を高めることはつねに意識していきたいものですね。

 

(投稿者 邨橋智樹)

7つの習慣 6」への2件のフィードバック

  1. 「先ず与えよ」とは、聖書にも出てくる言葉のようです。藤森先生のブログからセリグマン氏の見解を学んでいますが、現代に生きる人達から共通となる認識がなくなってきてしまっているという現状があります。“与える”というとても尊いことが人の共通認識となればどんなに豊かな世の中になるかと思います。「奪い合えば足りぬ。分け合えば余る」との言葉にも通じます。
    人は鏡であることを営業の仕事に就いた際の研修で学びました。皮肉には皮肉が返ってきますし、自分のことだけを考えれば、相手も相手の利益を優先するでしょう。藤森先生からも「相手にこうなってほしいと思うことがあったら、まず相手のしてほしいことをする」という内容の言葉をいただいたことを思い出します。根底に共通のものが流れていることを感じます。これが真理というものなのでしょうか。“与える”ことの尊さを改めて感じました。

  2. 豊かさマインド、欠乏マインドという考え方があるのですね。欠乏マインドの人が大勢いるチームはきっと息苦しいですね。「組織においても、人との関係においても「与えること」ができる人は『豊かな人」であるというのはとても分かります』とありました。相手に与えることを意識するとその輪はチーム内に広がっていきそうです。ですが、やはりまずはその手本を誰が示すのかということも大切になるのかなと感じました。立場によって、いくら頑張ってもなかなかチームや組織の雰囲気を変えるのは難しいということもあるなと実感することがあります。邨橋さんがそのような思いを持ち、示されることで、きっといい方向に進んでいかれるんだろうなと思いました。

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