「喉、渇いたー。」「先生、水飲みたいー。」
「自分たちで飲んできてー。」ということで、にこにこ組(2歳児クラス)食事スペースで、自分たちで水道の水を汲んで飲む子ども達です。
ここに至るまでに散々自分たちで蛇口をひねって手を洗ってきたはずなのですが(笑)今日は水を出せない気分のようです。その様子を見て、立ち上がって水の出し方を教える紫色の服の子です。
面白いことが起きそうな予感がしますね(笑)見守ってみることにしました。
その様子を見て、黒い長袖の男の子が立ち上がります。
実際にやってあげていました。その様子を、僕と同じ気持ちで見守っていたのしょう、ボーダーの子の親指が立っていますね(笑)
気持ちを受け止めてもらえたこと、飲みたかったお水が飲めたこと。色んな嬉しさ、美味しさが緑くんの表情に表れていますね。
水を出すことをためらっていた緑くん。誰かに「水を出して」と直接頼んだわけではないのに、その彼の表情や行動を読み取って、声をかけたり、実際にやってあげたりする子ども達に、〝対人知性〟が育まれていることを改めて感じます。
ここで、もうお馴染みではありますが、初めて読まれる方に〝対人知性〟について紹介させていただきます。
- 対人知性とは、他人を理解する能力をいう。この人の動機は何か、あの人はどう動くだろうか、皆と協調して動くにはどうすればいいのか、といったことを理解する能力である。
- 対人知性の本質は、「他人の気分、気質、動機、欲求を選別し、それに適切に対応する能力」である
今年度も『成長展』という大きな行事が近付いてきています。子どもの成長をその子自身が、また、保護者と職員が楽しみながら感じ合うことのできる素晴らしい行事です。
そして、今年度の成長展のテーマはずばり〝対人知性〟。一年間、このテーマでブログを書けたことを、とても嬉しく思っています。
さて、実は、今回報告したいことは、この蛇口のやりとりの先、水を飲み終わった後の子ども達のとった行動にあります。
これも、考えてみれば、対人知性の一つではないかと思えるものでした。
続編にて、報告させていただきます。
(報告者 加藤恭平)
緑の服の子が水道の水を出せずに、出さずに、なんだか困っている雰囲気を感じたからこその周りのみんなの姿ですね。紫の子はちょっと離れていたからでしょうか、遠くから水の出し方を教えたり、それでもうまくいかない緑くんに対して近くにいた黒い長袖の子がやり方を実際に教えてあげる。そして、それを見守るボーダーくんに、視線を送る黄色コップの子と、緑くんが困っていることを感じた子たちが何かしら緑くんに関心を向けていることが感じられました。素晴らしい姿ですね!そして、いつもながら「面白いことがおこりそうな気がします」という加藤さんの言葉がありましたが、これもやはり日々子どもの様子を見ているからこそ感じる雰囲気だと思います。