11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2015年3月5日『他人を察する』を読むと、改めて感じることがあります。
〝人類は、どんな使命を持って生存しているのかを考えないといけないと思います。また、その生存戦略のために、どのような能力を乳児につけているのでしょうか?その能力の多くは、私が言うところのダークセンスなるものであるとしたら、その中の大きな役目を果たしているのが、一部社会脳の働きから解明されている力のような気がします。
現在、「対人知性」と呼ばれる知性が、生きていくうえで最も大切だと言われています。この能力は、他人との関係性を築く力ですが、いわゆるコミュニケーション能力と言われるような、人と人とが言語によって会話をするとか、自分の考えをきちんと主張するという力ではなく、他人を理解する能力をいいます。例えば、「この人の動機は何か」「あの人はどう動くだろうか」「皆と協調して動くにはどうすればいいのか」といったことを理解する能力なのです。〟
〝すなわち、対人知性の本質は、「他人の気分、気質、動機、欲求を選別し、それに適切に対応する能力」と言われており、言葉によらない他人とのコミュニケーションであるともいえます。どうしても、言葉が話せるようになると、言葉で表現したもの、文字で表現したものから他人を理解しようとします。しかし、相手に対しての対応は、言葉では表さない心を理解する必要があるのです。ですから、私は、この対人知性は、まだ言葉を話すことができない乳児において、最も優れていると思うのです。〟
この度3回の報告を、僕は、人を思いやる気持ち(対人知性)と、〝ルールを守る〟などの、子どもが環境に働きかけようとする気持ちは、密接な関係がある、とまとめたいと思います。
そして、〝対人知性は、まだ言葉を話すことができない乳児において、最も優れていると思うのです。〟という藤森先生の言葉に代表されるように、〝子ども達はそもそもその力を持っている〟ということが大前提にあります。それを、新宿せいが保育園の職員は純粋に信じ、また、それを、日々の保育の中で、信じるに足るものと体感し、確固たる信念へと昇華していくのです。
かのイエス・キリストもその聖書の中で、〝子どもを育てることは、信じることと、許すこと〟という言葉を残しているそうです。
藤森先生の考え方に、とても通ずるものを感じます。
さて、先日、にこにこ組(2歳児クラス)の子ども達が、ケンカをしていると、わいらんすい(3・4・5歳児クラス)のある男の子が仲裁に入ってくれました。
対人知性に富んだやりとりが展開され、思わず感動し、また、その様子を見守って下さっていた我らが誇るベテランの先生の後日談にて笑わせていただいた(笑)エピソードです。
次回、報告させていただきます。
(報告者 加藤恭平)
子どもがそもそも持っている力を信じるという姿勢を持っていれば、大人のそんな気持ちをきっと子どもたちも感じるんだろうと思います。私たちは自分が思う子ども像に子どもを引っ張り上げるのではなく、子どもたちに寄り添いながらそれぞれの子どもたちが持っている特性を伸ばしていくという関わり方が大切だなと最近はよく思います。仕向けるのではなく、寄り添うことを大切にしたいです。