本日の塾長講演は、目白にあります「子どもの文化研究所」で行われました。新宿せいが保育園からは歩いて10分ほど。対象は保育士や幼稚園教諭の方々で、テーマは「これからの保育を捉えなおすー見守る保育 関わりから考える保育とはー」でした。
およそ2時間という講演時間でしたが、あっという間の2時間でした。というのは、全員がよい保育を学びたいと自ら希望し、自発的に学びにきている受講者であったことと、よい意味で会場が小さく(60名)、塾長と受講者との距離も近かったためか、反応が互いに感じ取れ、見えない会話をしているかのような雰囲気で講演が行われていたような印象を受けました。
講演内容は、人類の歴史や伝統的社会からみた“そもそも論”、外国の最新研究結果や保育園での実践をもとにした“環境論”など、次の時代に求められる保育の在り方とはどんなものかを“子ども主体”で考え抜かれた講演でした。所々のポイントを下記に記載します。
・そもそもなぜ噛み付くのか
・味覚が変わる時
・日本人男性が世界を救う?
・赤ちゃんが面倒を見てもらうためにしむけていること
・発達を促すための120%の環境
・よい加減の不清潔さ
・もともと持っている力をどう残していくか
・自発的にやるための愛着という存在
・共感力について
・見守る保育とはー環境論ー
・発達を豊かにするー発展をさせるー
・コーヒージョンについてー納豆理論ー
また、実際の受講者の感想を頂きましたので、記載したいと思います。
「人類の進化論から、保育を考えたことはなかったです。人材育成に関わる仕事…。そこまでさかのぼりながら、人間とは、生きていくとは、人と生きるとは、を考えながら、保育に生かせる良いきっかけとなりました。」
塾長は「保育は人の生きる道だ」とも言っています。人類が辿ってきた歴史そのものが、保育とつながるのは必然なのかもしれませんね。
また、最後に「子ども同士の関わりや、職員との関わりについての話がありましたが、担当制についてはどのようなお考えでしょうか?」という質疑があり、塾長からは「子どもが選んだ担当制ならいいのでは」という名言と共に、「しかし、赤ちゃんは、複数の大人を使いこなすことが多いような気がします」と、あくまでも子ども主体であることの重要性を説かれていました。他にも「私の園では担当制を取り入れていますが、(数年前より)どちらの良さも、そうでない点も感じていてモヤモヤしていたので“子どもが選んだ担当制”はクラスでもやっていきたいと思いました。」といった感想もありました。
日々感じている多くの疑問の答えを見つけることも必要ですが、そもそもどうしてその疑問が生まれるのかといった『そもそも論』を探し出していくことの重要性や、子どもが主体であるという軸をしっかりと持ち続ける大切さを今回の講演で感じることができました。
(報告者 小松崎)