入園前見学について(10月9日)

10月9日(木)塾報告

今回のテーマは、先日Eテレ「すくすく子育て」で放送された 新宿せいが子ども園の特集 についてです。
番組のテーマは「保護者の園選び」。
解説者としてよく出演されている 大豆生田啓友先生 がディレクターに当園を紹介くださり、今回の撮影が実現しました。本当に有り難いことです。

私は普段、入園前見学の案内を担当しており、撮影当日もその案内の様子をそのまま収録する形でした。カメラを向けられながらの案内はなかなか緊張しましたが、貴重な経験となりました。

放送までは編集内容も知らされていなかったため、どのようにまとめられるのかとても楽しみでした。
実際に視聴してみると、「これから子どもを預けようとする保護者は、どのような視点で園を選んでいるのか?」という点が丁寧に描かれており、私自身の見学対応を見直す良い機会となりました。

★保護者の関心と視点

案内後のインタビューで、見学者の方から

「子どもたちと保育士の表情を見ていました。どんな雰囲気で接しているのかを感じ取りたくて。」
という感想をいただきました。

教育方針やカリキュラムももちろん大切ですが、やはり一番の関心は「子どもたちの表情」と「先生たちの姿」なのだと改めて感じました。
「優しそうな先生に見てもらいたい」という気持ちは、どの保護者にも共通する思いですね。

撮影後には「子どもたちがとても楽しそうで、先生の表情も穏やかで素敵な園でした」とお褒めの言葉もいただきました。

★「遊び中心の保育」をどう伝えるか

大豆生田先生は番組の中で、「遊びを中心とした保育内容」が園選びの重要なポイントであると述べられていました。
確かに、体育や英語などカリキュラムの充実した園は目を引きますが、藤森先生もおっしゃるように「遊び中心の保育」を選んでほしいという思いが番組制作の背景にあるようです。

さらに藤森先生は、「子ども同士の関わりがあるか」という視点も見学時に注目すべきと話されています。
これは一見わかりにくい部分ですが、見学者に意識的に伝えていくことが重要だと感じました。
今後は、私の案内でもこのポイントをしっかり伝えていこうと思います。

★「文字・数」への関心と園の考え方

見学の際によく聞かれる質問のひとつに、

「小学校に向けて文字や数の学びはありますか?」
というものがあります。

新宿せいが子ども園では、「遊びや生活を通して文字や数に触れる経験」を大切にしています。
給食の際に「おかわりをどのくらい入れてほしいか」を伝えることも量の認識の一つ。
階段を数えながら登ることも立派な数の体験です。
また、2歳児クラスでは、子どもたちの顔写真と名前を掲示し、自然に文字に親しむ工夫をしています。
保育者が「触れられる環境」を整えることが何より大切なのです。

見学対応者としての学び

多くの見学対応を重ねて思うのは、最終的な園選びは各家庭の教育方針によるということです。
私たちの役割は、家庭が納得して園を選べるよう、理念や教育方針を誠実に伝えることだと思っています。
今後も保護者に寄り添いながら、園の魅力をしっかり伝えていきたいと思います。

(報告者:山下)

◼️番組の内容を詳しく知りたい方は↓↓↓

NHKONE すくすく子育て「知りたいイマドキの園えらび」

https://www.web.nhk/tv/an/sukusuku/pl/series-tep-DNYRMZW5Q1/ep/2NK165QRZQ

9月25日 塾報告

おはようございます。塾生の伊藤カレラです。
9月25日の現地塾の報告をさせていただきます。

この日は、すいすい担任の小林先生が、お楽しみ会でのテーマの話から、昔、本多先生がらんらんクラスの担任の時に、傘地蔵をテーマにした劇の話をしてくださいました。
 おじいさんが雪をはらうシーンが、とても印象的なシーンだったらしく、昔のおもしろエピソードに笑いに包まれました。また安藤先生や小松崎先生は、劇の脚本に子どもの好きなことや得意なことを取り入れるのがとても上手だったらしく、演出などもとても面白かったそうです。ぜひとも今回の話を参考に、今年のお楽しみ会も楽しいものにしていきたいですね!

次に、後日小林先生が受ける東京新聞の取材の話になりました。事前に幾つか質問が振られているそうで、その中でも、
・「男性なのに保育士さんなの?」と園児に言われたことはありますか?
という質問についての話になりました。
 まずせいがでは、男性保育士が多いため職場でそういったことを言われる経験やバイアスを感じることはあまりないという見解でした。ただ、地方であったりお父さん同士の会話、昔本多先生が保育士に成り立ての頃は、驚かれることが多かったとのことでした。

また、藤森先生より、「卒園式の中で男の子が将来の夢を話す時に保育士になりたいと言った子が居たけれど、せいがは男性保育士が多いから、逆にバイアスを与えないんだろうね」とお話しされていました。そして、運動会での大道具係は男性という言い方はせず、力のある人という言い方にしているという話もされていました。そこで結果的に集まったのが男性であるのは良いけれど、力があるのは男性と決めつけるのはよくないというのは、私も共感すると共に言い方は気をつけないといけないと感じました。

また、森口先生から、年長だから〜、お姉ちゃんだから〜という言い方はしないように気をつけようね。それぞれ個人であり、いけないことは年齢が上でも下でもいけないという話をしてくださいました。私自身、すいすいがお手伝い保育で他クラスに入っている時に、ついつい「すいすいさんなんだから〜」と言ってしまうことがあるので、気をつけたいと思います。

最後に、今日の話を通して森口先生より、
「ジェンダーや年齢で見るのではなく、人はそれぞれだよね」と言葉をいただきましたが、
私は改めて見守る保育の中の、徹底した個人理解の大切さに繋がるなと感じました。
性別や年齢によるものではない、その子の発達にあった言葉がけや関わりを意識したいと思います。
本日もご精読ありがとうございました!

報告者 伊藤カ

10月2日 zoom塾 報告

みなさま、初めまして。水田康貴(みずたこうき)と申します。

10月2日に行われたZoom塾の内容を、印象に残った3つのテーマを中心にまとめさせていただきます。

① 小林先生のインタビューから考える「保育におけるジェンダーバイアス」について

まず、小林先生が東京新聞の取材を受けられたというお話がありました。

先生はその取材を受けて、「新宿せいがは、ベテランも若手も、女性も男性も、フラットな関係の中で働いている。それを子どもたちが見て学んでいくんじゃないか」と話されていました。

たとえば「力に自信のある人、手伝って」と呼びかけるときも、性別ではなく個人として声をかける。

そうした日常の積み重ねの中で、子どもたちは“男女の区別ではなく、人として関わる”姿勢を自然と身につけていくのだと思いました。

せいがという園自体が、社会の縮図のようになっていて、いろいろな大人と子どもが共に暮らしている。

そうした環境の中で育つことで、子どもたちは大きくなってからも多様な社会の中でしなやかに生きていけるのかもしれません。

真の多様性とは、誰かを排除しないこと――それを日々の保育から感じました。

② 福岡の保育園での不適切保育から考える「今の時代の保育」について

次に、福岡の保育園で起きた“不適切保育”のニュースについて、森口先生からお話がありました。

保育をしていると、本当に「今の時代はやりづらいな」と感じることがあります。

たった一瞬のやり取りでも、切り取られて広まってしまう。

けれど、そういう時代だからこそ「言葉をどう使うか」「どう伝わるか」という視点を改めて持たなければならないのだと思いました。

一方で、この出来事は“教訓”にもなると思います。

世の中の目と、保育現場の感覚との間には大きなギャップがある。

それを他人事にせず、「明日は我が身」として受け止めていく必要を感じました。

③ ステムゾーンの鏡のおもちゃから見られる「子どもの工夫」について

最後に、ステムゾーンにあった鏡のおもちゃから見られる子どもの遊びについての話がありました。

鏡だけでも、子どもたちは工夫次第でさまざまな遊び方を生み出していく。

そうした「工夫の芽」をどう支えるかが、保育者の大事な役割だと感じました。

たとえば「ぐんぐん」のクラスでは、おもちゃの数自体は決して多くありません。

けれど、だからこそ子どもたちは、身の回りのものを使って遊びを工夫していきます。

新しいおもちゃでその一瞬を楽しむよりも、“今あるものをどう遊びに変えるか”という力が自然と育まれているのだと思います。

「与えられた目新しいもので楽しむ」ではなく、「子ども自身があそびを発見していく」。

それこそが、せいがの子どもたちの力だと改めて感じました。

終わりに

最後に、藤森先生のお話で心に残った言葉を紹介します。

「Discovery(発見)」という言葉は、“Dis(外す)+Cover(覆い)”からできています。

つまり、“覆いを外すこと”が発見であるということ。

中に何が入っているかわからないからこそ、そこに「学び」や「発見」が生まれる。

あらかじめ答えのわかっていることをなぞるだけでは、それは学びではないのです。

子どもたちが日々の生活の中で出会う小さな「発見」を、これからも大切に見守っていきたい――そう感じた一日でした。

報告者:水田