みなさま、初めまして。水田康貴(みずたこうき)と申します。
10月2日に行われたZoom塾の内容を、印象に残った3つのテーマを中心にまとめさせていただきます。
① 小林先生のインタビューから考える「保育におけるジェンダーバイアス」について
まず、小林先生が東京新聞の取材を受けられたというお話がありました。
先生はその取材を受けて、「新宿せいがは、ベテランも若手も、女性も男性も、フラットな関係の中で働いている。それを子どもたちが見て学んでいくんじゃないか」と話されていました。
たとえば「力に自信のある人、手伝って」と呼びかけるときも、性別ではなく個人として声をかける。
そうした日常の積み重ねの中で、子どもたちは“男女の区別ではなく、人として関わる”姿勢を自然と身につけていくのだと思いました。
せいがという園自体が、社会の縮図のようになっていて、いろいろな大人と子どもが共に暮らしている。
そうした環境の中で育つことで、子どもたちは大きくなってからも多様な社会の中でしなやかに生きていけるのかもしれません。
真の多様性とは、誰かを排除しないこと――それを日々の保育から感じました。
② 福岡の保育園での不適切保育から考える「今の時代の保育」について
次に、福岡の保育園で起きた“不適切保育”のニュースについて、森口先生からお話がありました。
保育をしていると、本当に「今の時代はやりづらいな」と感じることがあります。
たった一瞬のやり取りでも、切り取られて広まってしまう。
けれど、そういう時代だからこそ「言葉をどう使うか」「どう伝わるか」という視点を改めて持たなければならないのだと思いました。
一方で、この出来事は“教訓”にもなると思います。
世の中の目と、保育現場の感覚との間には大きなギャップがある。
それを他人事にせず、「明日は我が身」として受け止めていく必要を感じました。
③ ステムゾーンの鏡のおもちゃから見られる「子どもの工夫」について
最後に、ステムゾーンにあった鏡のおもちゃから見られる子どもの遊びについての話がありました。
鏡だけでも、子どもたちは工夫次第でさまざまな遊び方を生み出していく。
そうした「工夫の芽」をどう支えるかが、保育者の大事な役割だと感じました。
たとえば「ぐんぐん」のクラスでは、おもちゃの数自体は決して多くありません。
けれど、だからこそ子どもたちは、身の回りのものを使って遊びを工夫していきます。
新しいおもちゃでその一瞬を楽しむよりも、“今あるものをどう遊びに変えるか”という力が自然と育まれているのだと思います。
「与えられた目新しいもので楽しむ」ではなく、「子ども自身があそびを発見していく」。
それこそが、せいがの子どもたちの力だと改めて感じました。
終わりに
最後に、藤森先生のお話で心に残った言葉を紹介します。
「Discovery(発見)」という言葉は、“Dis(外す)+Cover(覆い)”からできています。
つまり、“覆いを外すこと”が発見であるということ。
中に何が入っているかわからないからこそ、そこに「学び」や「発見」が生まれる。
あらかじめ答えのわかっていることをなぞるだけでは、それは学びではないのです。
子どもたちが日々の生活の中で出会う小さな「発見」を、これからも大切に見守っていきたい――そう感じた一日でした。
報告者:水田