9月15日の臥竜塾の報告をさせていただきます。今回は、9月の臥竜塾セミナー『食育』があったので、参加する先生は遅れ、料理組は私と塾頭の2人でした。メニューは、塾頭が地元の富山から買ってきた「ブラックラーメン」と、私が買ってきた「とんこつラーメン 柚子胡椒風味」と、レバニラです。
セミナーに参加した先生が合流すると、セミナーの報告が始まりました。今回は食育だったので、調理の柿崎先生が担当でした。準備していたパワーポイントで話していたらしいのですが、開始から25分で雲行きが怪しくなり、予定よりも早い30分で話が終わったそうです。(笑)それから、以前の行事で使用した、子どもの胃の容量を風船で再現したものや、ペットボトルのジュースに入っている砂糖の量を、空のペットボトルに入れたものなどを紹介したそうです。それから、休憩を挟んで3つのグループでディスカッションに入ります。
ディスカッションに参加した先生からも、それぞれのグループの報告がありました。本多先生のグループでは、それぞれが自園での取り組みを話すことで、時間を使ってしまい、調理と保育士の関係の話を聞いたりしたかったが、そういう話が聞けなかったということでした。次に、加藤先生のグループでは、保育園を始めたときは調理と保育士がぶつかっていたのが、今では言うことを言い合っていくことで、連携がとれてきたという保育園さんの話が聞けたのは面白かったそうです。また、ご飯粒をどこまで食べるかという話がでたそうです。調理としては、キレイに食器が返ってくることは嬉しいことですが、保育士としては、食べなさいと言って食べさせるのはどうかという考えがあるようです。最後は小松崎先生のグループですが、ここには名司会者の先生がいてくれたおかげで、スムーズにディスカッションが進んだそうです。話の振り方や問題提起のやり方が上手だったようです。このような人の存在があると、ディスカッションの印象が変わるとおっしゃっていました。
ここからは、塾長のお話です。食育に関して色んな話が聞けました。まず、塾長が以前せいがの森で、都知事賞を取ったときの話です。そのときは、子どもの食べる量を細かく測ったそうです。保育園の給食はもちろん、保護者にも協力してもらい、家庭での食事量を測って、体重がどのように増えるかを調べました。結果は、よく食べる子と小食の子に大きな差はなかったそうです。つまり、セミバイキングで、とる量が少ない子がいるが大丈夫なのか?という質問をされることがありますが、成長に食べる量はあまり関係ないのでしょうね。
また、戦後の食糧に困り、貧しかった頃の人と、現代の人の摂取カロリーを調べたところ、現代の人の方が少ないという研究があるそうです。さらに、色んな年代で、楽しいと思うときはどんなときか?というアンケートをとったら、年配の世代には必ず入っている「食べること」というのが、若い世代では、上位に入っていないということが、分かりました。このように、現代の人は食への関心がとても薄いことが分かります。だからこそ、食育の重要性が分かりますね。
そして、今回のディスカッションでよく聞いた話らしいのですが、各園食育に関する色んな取組みを発表します。その取組みはどれも素晴らしいものでしたが、やはり重要なのはその取組みを通して何を子どもに伝えたり、経験してほしいのかいうことです。
そこから、児童期と幼児期の違いの話になりました。小学校の学習指導要領には、各学年ごとに目標が書かれています。その書き方も、「○○ができるようになる」という書き方です。それに対して、保育指針には、卒園するまでに経験してほしいことが書かれています。書き方は、「○○を楽しむ」とか、「○○を味わう」という表現になっています。それを考えると、保育園での給食も食事を楽しんだり、調理をする経験をするということに重点を置くべきではないでしょうか。
今回は、西田先生の33回目の誕生日ということで、デザートにはケーキを食べました。もう1つのデザートは城山保育園さんが見学にいらっしゃったときにお土産で頂いた、和菓子です。いろんなキャラの和菓子で、とても可愛く食べるのがもったいない、と言うより、可哀想な感じでした。お子さんがいらっしゃる塾生は、お子さんに持ち帰っていました。
西村 宗玲
食べる量と体重の増え方の調査を行われたのですね。たくさん食べることが、いいことと思ってしまいがちですが、食事の量も子どもによって自分に合った量があるということは忘れてはいけませんね。「やはり重要なのはその取組みを通して何を子どもに伝えたり、経験してほしいのかいうことです」この言葉もしっかり実践していきたいです。私に足りない部分です。何を大切にするのかということはブレてはいけませんね。
そして….何て美味しそうなラーメンなのでしょうか!この時間にこのラーメンの写真は食欲をそそりま….安心してください!食べませんから!!
幼児期の教育と児童期の教育には、根本的な違いがあるということで、非常に勉強になりました。「◯◯ができるようになる」教科カリキュラムと、「◯◯を味わう」とか「◯◯を楽しむ」などの経験カリキュラムということで、重点を置くポイントが異なっていることをしっかりと把握した上で、保育内容を考えていかなければいけませんね。そして、食という内容から保育をすると考えると、食への興味関心が薄れてきている昨今、重要度の高さがより一層感じることが出来ました。
この回で藤森先生がお話しされていた〝子どもの食べる量を細かく測った〟お話は、本当に印象深く、また聞く人によってはとても安心ができたり、また、とても衝撃的であるようで、食事の量について質問をされたりする時は、どうしても話したくて(笑)話してしまいます。この後ろ盾があってこそ、〝いっぱい・ちょっと〟を子どもの思いに沿って思いっきりやれるのです。
都知事賞をとられたのは、藤森先生の好奇心そのものへの賞のように思います。国が、藤森先生の思いに感動したということです。素晴らしいなぁと改めて思いました。