案内されたエレベーターから出ると、そこには足湯が。「人が集まる場所にしたい」という光明保育園理事長先生のお考えのもと、訪れた2日前に完成された足湯で、塾長にぜひ入ってもらいたいと待って下さっていました。靴を脱いで、靴下は脱がないで、その代わりにビニール袋を靴下の上から履いて入湯。温かなお湯加減に、思わず会話も弾みます。
お弁当をいただき、研修が始まりました。
印象的だった内容をいくつか挙げていきます。
- 塾長教員時代のプリンの話
給食の時間、余ったプリンが3つ→①早い者勝ち②ジャンケン③手をつけないで返す→そのどれでもない「全て先生(塾長)が食べる」という答えを出し、実際に食べた→生徒たちに走った衝撃
「子どもたちはある意味ではどんな先生なのかを試していた」そこから生徒に慕われる毎日が始まるわけなのですが、塾長は「子どもに迎合しない大人」「フレンドリーでありながら、子どもは大人を尊敬したい」子どもの持つそういう気持ちを叶えたからではないかと考えます。見守る保育 Fujimori Methodの実践者としての基本姿勢のようにも感じられます。
- 塾長教員時代、算数における割合の授業の話
「今日は算数の授業はやめて腕相撲大会をしよう」→それぞれの子どもたちが何勝何敗としながら大会が進んでいきます→途中で、誰が一番強いのか、という話に→ただ、試合をした回数はまちまち。どうすればいいのか→野球の好きな子から「打率」というキーワードが→皆で「勝率」について考えることに
子どもたちの興味を存分に引き出しながら、割合の授業へと導きます。体験型の授業です。
- 会話、話し合うことについて
あなたのクレヨンと私のクレヨンを交換して下さい→手元には1本のクレヨン→「秋と言えば」を頭の中で想像して下さい→あなたの「秋と言えば」を教えて下さい→「私の秋と言えば」と「あなたの秋と言えば」→頭の中には「2つ」の秋と言えば
会話とは、話し合いとは「より豊かになる」ということであり、「ディベートは相手のクレヨンを折ってしまう」と塾長。遠足で「海に行きたい人、山に行きたい人」の話と重なる部分があるように思えます。多人数で生活をする中で、多様性や様々な価値観はそこにあるべきで、それらは尊重されるべきものではあります。ただ、例えば何か物事を決定する、遠足で海に行きたい、山に行きたい、と意見が分かれた際に、一つに決めなければならない場面が生まれます。大切なことは皆でそこに妥協点を設け、最適解をいかに出していくかということ。海に行きたい人の理由が「水に親しみたい」というものであれば、「湖のある山に行く」、という選択肢が生まれる、そういう最適解を出していくことがこれから求められる力ではないか、と塾長は話されていました。
初めて出張に同行させていただきましたが、何よりも驚いたことが二つ。塾長はパソコンに殆ど触れることなく普段と変わらない様子で講演へ向かわれる、ということと、講演中水分を殆ど摂らない、ということです。講演におけるPowerPointの位置付けを、塾長の講演を見て改めて考え直そうと思いました。そして、本番前も本番中も、喉の乾きがないよう摂っていた水分についても、その頻度はイコール腹の据わり具合を表していたのではないか、と思いそれについてもとても考えさせれるものがありました。そして、講演中のPowerPointも、塾長は手元のリモコンで操作され、助手の方々がパソコンを操作していた時の話を聞いていただけに、改めて助手の方々の偉大さがわかる思いがしました。
次回は、リーダー層の職員の方々を対象にした研修が行われるということで、こちらもとても興味深く思います。
体に栄養、脳に知識、そして心に徳。日々の学びを重ねながら、健康な心と体を追求していきたいと思います。
(報告 加藤)