象徴機能 2

このエントリーをはてなブックマークに追加

象徴機能とは、『今そこにないものを呼び起こす働き』のことを指す機能で、そこにないものを呼び起こす働きをする。つまり、意味するものと、意味されるものとを区別して使うことが可能になるということ。

塾長は続けます。

今そこに知覚しているものを手がかりにして、そこにないものを思い浮かべて、それに反応することが可能になる、ということ。

話は、具体的になっていきます。

1歳半から2歳にかけて象徴機能が現れ始める。今、目の前にない物事についても頭で思い浮かべて、実際に行動してみなくてもその様子を頭で思い描くようになる。つまり、具体的な知覚体験を基に、自分なりのイメージを構成し、それを利用して、時、場所をかえて自分なりのやり方で活動するようになる。

初期の活動として、遅延模倣。

例えばある子どもが「ガーン」「ゴーン」と言いながら、長方形の箱を動かして、時々箱を止めて、自分の体の動きも止めて「プシュー」と言った。というのは、電車に乗った時のイメージを基に後日、『模倣を後になって(家の中で)その特徴を再現している』、電車ごっこというかね。この模倣行為には『箱を電車に見立てる活動』『箱や体を動かしたり止めたりして電車に乗っているフリをする活動』が含まれている。ここでの箱や子どもdの音声、仕草は、電車という指示対象を意味するもので、すなわち象徴、音声言語に限らず、言葉の発達そのものには象徴機能の発達が前提である。ということは、象徴機能の最初は音声言語。今ないものを言葉で言うことでそのものを指すことをする。例えば、うさぎと言うとうさぎをイメージするような。

3歳くらいになると、今度子どもはフリや見立てを複雑に組み合わせて、虚構の世界を作り上げるようになる。絵本を何冊も抱えて持ってきて、大勢を集めながら一冊ずつ開いては、「うんうんうん」「〜でした。おーしまい。」などの様子を観察することができる。この場合子どもはまだ字が読めていないのに、いかにも読んでいるかのように見せている。それは単なるモデルの模写ではなく、自分のイメージや知識に基づいてして演技をしているのだ。

やがて子どもは遊びの中で役割を意識し、それにふさわしい動作を思い描き、状況を設定することによってごっこ遊びが展開されるようになる。

以上のようにして象徴機能が発生する。

それではこの機能が十分に形成されていない子どもにはどのような問題点が発生するだろうか。

塾長は続けます。

象徴機能とは、今そこに知覚しているものを手がかりにして、そこにないものを思い浮かべてそれに反応するということが可能になるということだから、象徴機能の獲得が困難な子どもは、やっていることの意味がわからない、意味が見えにくいのである。本来ならば多機能、いろいろなところの発達と共に人とのコミニュケーションが意味をもって受け止められていくのだが、それができていないと、大人のやっていることの意味が見えにくい。また、自分のもっている力が意味をもって中々使えないのである。家の遊びでも生活でも中々広がっていかない。象徴機能に弱さがあると中々言葉が出てこない、或いは言葉があってもそれが意味あるものとして使えず、ただやっているだけになってしまう。

言葉が中々出てこないということは、自我の育ちとも大きく関連していて、行動面では大人の意図を受け止めての行動とはなりにくい為、どうしても欲求に支配された行動となりやすく、また、自分のやりたいことを相手に上手く説明できないために、パニックに陥りやすくなる。

そこで塾長から映画『ヘレンケラー』の提案が

60年近く前の映画から、最新の知見を得る夜となります。

(報告 加藤)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です