今回の塾では、環境セミナーで受けた質問、「食事のマナー」について塾生みんなで考えました。
「ご飯に味噌汁をかけて食べる、ぶっかけ飯はいいのでしょうか?」という質問があったそうです。
たしかに、見た目を悪く感じることもありますし、おかずと一緒にご飯を食べてほしいと思うこともあります。
藤森先生は、ぶっかけ飯について、「文化も関係あり、一概に悪いとは言えない。日本食は味が濃いため、ご飯を食べて中和している面もある。文化の差が大きい。他に、箸で食べる文化もあれば、手で食べる文化もある。」と仰っております。
ぶっかけ飯のように、冷や汁やお茶漬けなどの汁を入れて食べるものもたくさんあります。
一概にどちらが悪いとは言えません。
食事のマナーに関して、文化の差がありますし、日本においても地域の差があります。
ご飯と味噌汁の置き方にも文化の違いがあり、一般的にはご飯が左側、味噌汁が右側に置くと思いますが、大阪では逆だそうです。
お寿司は斜めに置くのは右利きが食べやすいように置いていて、右利きと左利きも関係があるそうです。
私自身も、食べる前はご飯を左に置きますが、食べ始めると、左ではない食べやすい位置に置くこともあります。
子どもに配膳をする際は、左側にご飯を置くように伝えますが、食べ始めたら特に声をかけたりはしません。
その人が食べやすく美味しいと感じることができればいいのではないのでしょうか。
マナーを押し付けるのも違いますし、一緒に食事をする上で、みんなで美味しく食べられるように相手に配慮することが大切なのではないでしょうか。
食事を共にするということは、共に生きる姿勢にもつながると感じました。
次の質問です。
「なぜ新宿せいがでは、一斉にいただきますをしているのですか?」という質問があったそうです。
藤森先生は、「みんなが揃って食べられるのは人間だけ。動物はすぐに食べてしまう。目の前の欲望に負けてしまう。待つ力は食べる楽しみがあるからこそ身に付く。」と仰っています。
01歳児クラスでも絵本や紙芝居を読んで、食事を待ちます。それは気を逸らして、待つ力を育てているからです。
保育業界において、子どもに待たせることはいけないという風潮を強く感じます。
しかし、生きていく上で待たなければいけないことはたくさんあります。
急いでいるからといって、赤信号で進むわけにもいきません。
排泄の自立も、その場ですぐにしてしまうわけにはいきません。
やはり、待つ力は重要です。
ただただ無駄に待たせればいいのかというわけではなく、目の前に楽しみがあるからこそ待つことができます。待ち方も、見通しが持てるような待たせ方をしなくてはいけませんね。
食事に関する質問でしたが、全ては生きていくこと、人と関わることの大切さににつながっているように感じました。
(佐野)