憧れになろうだなんて大それた気持ちはない〜躓いたり転んだりしながらヒーローになっていく君達へ〜 EPISODE 2

給食が終わると、おもむろにらんらん組(4歳児クラス)の子ども達が動き始めました。

山下先生「やりたい子だけでいいからね。」その都度声をかけられていましたが、全員参加の様子です。

山下先生「やりたい子だけでいいからね。」その都度声をかけられていましたが、全員参加の様子です。

「わいわい組(3歳児クラス)は早く上(午睡部屋)に行って!」とらんらん組(4歳児クラス)の女の子が言います。言葉の端々から気合い(?笑)が入っていることを感じます。

協力しながら。

協力しながら。

 

2つ、3つと椅子を重ねて持とうとする辺り、好奇心と興奮と、半々といったところでしょうか。

2つ、3つと椅子を重ねて持とうとする辺り、好奇心と興奮と、半々といったところでしょうか。

「あんまり無理はしないように。」その都度丁寧に声をかける山下先生です。

いつもは子ども達(すいすい組(5歳児クラス))だけでやるテーブルにも、すっと入り、安全に行えるよう配慮します。

いつもは子ども達(すいすい組(5歳児クラス))だけでやるテーブルにも、すっと入り、安全に行えるよう配慮します。

 

 次は〝ほうき〟。

次は〝ほうき〟。

一連の流れを知っている子がいますね。次に何をするのかがわかる為、こうして自分のものを確保しようと先手を打とうとします(笑)

山下先生「ほうきを持ってない人—?」

山下先生「ほうきを持ってない人—?」

 

子ども達「はーい…。」

子ども達「はーい…。」

 

山下先生「さて、どうしたらいいでしょうか。」

山下先生「さて、どうしたらいいでしょうか。」

 

子ども達「終わったら貸す。」「順番に使う。」

子ども達「終わったら貸す。」「順番に使う。」

 山下先生「正解です。それともう一つ、椅子を運ぶ時もそうだったけど、これからほうき、雑巾と取り掛かる上で大切なことがあります。わかる人?」

「ケンカをしない」「仲良くやる」

どれも正解のような答えに頷きつつ、山下先生が口を開きます。

「あちらをご覧下さい。」

「あちらをご覧下さい。」

 

「にこにこ組(2歳児クラス)さんがもう寝ています。」

「にこにこ組(2歳児クラス)さんがもう寝ています。

 「楽しいのはわかる。そして、近くで寝ている子達がいることをわかって、静かにやれるようになろうね。」

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2015年3月5日『他人を察する』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝「対人知性」と呼ばれる知性が、生きていくうえで最も大切だと言われています。この能力は、他人との関係性を築く力ですが、いわゆるコミュニケーション能力と言われるような、人と人とが言語によって会話をするとか、自分の考えをきちんと主張するという力ではなく、他人を理解する能力をいいます。(中略)

対人知性の本質は、「他人の気分、気質、動機、欲求を選別し、それに適切に対応する能力」と言われており、言葉によらない他人とのコミュニケーションであるともいえます。どうしても、言葉が話せるようになると、言葉で表現したもの、文字で表現したものから他人を理解しようとします。しかし、相手に対しての対応は、言葉では表さない心を理解する必要があるのです。〟

子ども達はこんな風にして、思いやりを学んでいくのですね。

さて、箒を手にした子ども達。この後どんな展開が待っているのでしょうか。

(報告者 加藤恭平)

会話の質

最近、保育園における「騒音」が問題になっています。子どもの声がうるさいから保育園を建設しないでほしいという住民の声が…などの問題が報道されますが、本当に保育園はうるさい施設なのでしょうか。イメージとして「保育園はうるさい」と刷り込まれているということもあるのかもしれません。
しかし、子どもの声がうるさい保育園が存在するのも確かなのもしれませんね。それはその施設で行われている保育に問題があるのではないか、日本は子どものテンションを上げることばかりに意識があるために騒がしい保育園になってしまっているのではないかと以前、塾長が言われていました。
では逆に静かに、テンションを上げずに遊んでいるというのはどういう状況なのでしょうか。そのヒントは「会話の質」にあるのではないかと塾長は言われます。子どもたち同士が関わり、提案や受け入れを繰り返していれば大きな声にはならないのかもしれません。

そこで、園での子どもたちがどんな会話をしているのか調べてみることにしました。
短い時間ではあったのですが、今回はブロックゾーンでの子どもたちの会話を聞いてみることにしました。
まず「さあ聞いてみよう」と思いブロックゾーンにやってきたのですが、子どもたちの会話が聞こえないのです笑
あんまり接近しても不自然かなと思ったのですが、もう振り向くと私がそこにいるくらいまで接近してやっと聞こえるような声でした。この時点で、子どもたちがテンションを上げて大きな声で話しをしていないということを感じることができました。
次に、感じたのが、4つほどの島に子どもたちが分かれてブロック遊びをしていました。1つの島に2〜3人という人数でした。
それぞれの島では、動物園作り、列車を含めた街つくりなどが行われていたのですが、そこで行われていた会話の一部を紹介します。

「これいる?」

と男の子が動物園つくりをしている女の子2人組の所にブロックを持ってきました。男の子としては遊びの中に入りので、そういったアプローチをしたという感じでした。
そんな男の子の提案に1人の女の子が反応します。

「どれ?」

と言って、一瞬、男の子のブロックを見た女の子は続けて、

「いらない」

と一言。
無念にも女の子に男の提案は受け入れてもらえませんでした。
しかし、男の子は諦めません。
すぐさま。

「お届けもので〜す」

と言って、また違うブロックを持ってやってきました。
なんとか遊びの中に入ろうとしていました。
しかし、変わらず、女の子は…

「いりません」

ここで、男の子はアプローチの変えます。
「サンタクロースさんからですよ〜」と相手が気をひくような言い方に。

それを受けて、女の子は、

「サンタクロースさんにいらないって言ってください」

どうやっても男の子は遊びの中に入れません。
しかし、男の子も諦めません。

「おかしやエンピツはいりませんか?」

ブロックをおかしや鉛筆に見立て、遊びの中に入ろうと試みました。
それを受けて女の子が返した言葉は…

「動物園にはいりません」

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ついに男の子は諦めて、女の子たちの遊びの中に入ることはやめていました。
しかし、男の子はその事に対して落ち込むということはなく、まして、女の子も意地悪だから入れてあげないということではなく、こういったことは、子どもたちの中ではよくある関わりだと思います。

私がブロックゾーンで子どもたちの様子を見ていたのはほんの5分ほどでした。
その中での一部のやりとりなので、まだまだ参考にはならないかもしれませんが、
このような会話を子どもたちが繰り広げていました。
今回は「提案とお断り」という感じの会話といえばいいのでしょうか。
こういった会話をしている子どもたちというのは決して大きな声をあげてはいませんでした。
本当に囁くように声を出しています。それは目の前にいる相手に伝わればいいからなのかもしれません。逆に近くにいる相手に話しかけるような遊びをしていれば大きな声を出す必要はないのかもしれません。人数が増えればその分の子に伝えなければいけないので、多少声は大きくなるかもしれませんが、それでも伝えたい相手ははっきりしています。ですので、部屋中に聞こえるような大きな声を出す必要はなくなりそうです。

「会話の質」ということに注目したことがなかったので、こういった見方で保育をみることもできるんだ!と新しい視点を塾長に教えていただきました!

もう少し保育園での子どもたちの会話を丁寧に調べてみたいと思います。

報告者 森口達也

憧れになろうだなんて大それた気持ちはない〜躓いたり転んだりしながらヒーローになっていく君達へ〜 EPISODE 1

一ヶ月程前のある日。

打ち合わせをしているのはすいすい組(5歳児クラス)の子ども達です。

打ち合わせをしているのはすいすい組(5歳児クラス)の子ども達です。

この日は予てより楽しみにしてきた〝芋掘り〟の日!西武鉄道特急レッドアローに乗って〝埼玉いるま保育園〟を目指します。

ということは、、いよいよ彼らがデビューする日ですね!

臥竜塾生が更新しています当ブログ『生臥竜塾』2015年10月31日『伝承』というタイトルで塾頭山下祐先生が報告して下さっています。 (太字をクリックするとこの回の全文を読むことができます。)

〝先日、年長さんがお芋堀に行ってきたので保育園に残ったのはもちろん年中さんと年少さんです。朝のお当番活動の一貫で職員室と調理室にお休みを伝えにいくお仕事がありますが、今日に限っては年中さんが気合い入っていたようにも感じます。やはり年長さんがいない分、自分達がしっかりやろう!という気持ちが子どもなりにあるのでしょうね。〟

芋掘りへ向かおうとするすいすい組(5歳児クラス)の子ども達の一年前、らんらん組(4歳児クラス)だった頃に書かれたこのブログ。すいすい組(5歳児クラス)のいないこの日をきっかけに、らんらん組(4歳児クラス)の子ども達は憧れの〝雑巾掛け〟に取り組むのです。

すいすい組(5歳児クラス)という〝憧れ〟、ヒーローへの道のりを今まさに歩まんとするらんらん組(4歳児クラス)の子ども達。そんな彼らへそっと手を差し伸べるような温かな光景に、気付けばシャッターを切り続けていました。

(報告者 加藤恭平)

3,4,5歳保育室の考え方

最後は3,4,5歳児クラスです。(以下太字のところが塾長の考え方)

新宿せいが保育園では、3、4、5、6歳児は一緒に生活しています。それは、ひとつには、個人個人の発達の連続性を重視するために、生年月日で発達を決め付けるのではなく、個々の課題によって活動を促すためです。

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文字・数・科学ゾーン

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ブロックゾーン

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食事スペース①

たとえば、3歳児であってもはさみを使う能力は曲線切りができる子がいるかと思えば、5歳児でも、まだ、直線切りがやっとという子がいます。そんなときは、その子の課題は年齢によって決められるのではなく、個人の発達を理解し、把握をした上で課題が決められて行きます。子ども自ら、環境に働きかけるためには、その環境がその子の発達にあったものでなければなりません。そして、一人一人の子どもが自分の発達に見合った遊びやもの、人に自ら働きかけ、自発的に選べるために、大きな保育室に子どもの個人差の幅を受け止められる環境構成を用意していきます。

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寝るスペース

また、異年齢児で触れ合うことも大切です。少子社会では、なかなか家庭や地域の中ではそういう機会が少なくなっています。異年齢児で遊ぶときには、様々な工夫が必要になってきます。それが前頭葉を育てることにもなります。また、発達が遅い子に教えたり、手伝ってやらなければなりません。そんな遊びの中から、子どもたちは様々なことを学んで行きます。また、そんな異年齢児とふれあいも大切だが、同年齢の子ども同士で関わることも大切ではないかとの質問を受けることがあります。しかし、このような心配は必要ありません。たとえ、異年齢児が同じ空間で生活していても、たとえばゲームをするときなどは発達のレベルが同じ同士でないと楽しくありません。同年齢で遊ぶことも大切なときには、子どもたちは、自然に同年齢同士で遊ぶことが多いのです。

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制作ゾーン

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食事スペース②

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絵本ゾーン

子ども達が自発的に活動を選んでいく場合、動線には十分な配慮が必要です。活動をする場所とその活動に必要な材料が置いてある場所が離れていたり、異なった活動をしようとする子ども同士の動線がクロスしてスムースな活動を妨げたりするような動線は見直します。活動をするための場所とそれに必要な材料をおおまかなゾーンごとに区分けしておくことが大切です。

ちょうど2年前の2015年から、保育園の定員が115名から171名に増えた時に、保育環境を見直すことになりました。それまではワンフロアで3,4,5歳の遊びの空間を構成していましが、定員が増える事で2つのフロアを使って保育することになり、試行錯誤している当時の担任の姿を思い出します。

また実際に子どもの遊んでいる姿を見ながら少し環境を変えてみたり、それこそトライ&エラーの繰り返しです。そうしていく中で子ども達の活動と環境がピタッと合った時が落ち着く環境なのでしょう。

(報告者 山下祐)

2歳保育室の考え方

2歳児クラスの重要性は塾長の講演でも言われています。また異年齢であるのに、どうして2歳児だけ単独なのか?疑問に思っている方もいらしゃるのではないでしょうか?(以下太字のところが塾長の考え方)

新宿せいが保育園では異年齢児保育が基本ですが、2歳児だけは例外的に単独で保育します。世界的に見てもこのような保育形態をとっているところは珍しいと思いますが、2歳児を単独で保育することには理由があります。

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2歳児の「遊び」「寝る」空間

 0~1~2歳の時期の発達の特徴は個人差が大きいことです。早い時期から歩けるようになる子どももいれば、なかなか歩き出さない子どももいます。でも遅かれ早かれいずれは誰もが歩けるようになります。一方、3~4~5歳の時期の発達の特徴は一人一人の生まれつき備わっているものや環境に大きく影響されることです。例えば手先が器用な子はその後も器用ですが、不器用な子が器用になることはありません。この場合の個人差は一人一人の個性であり、その先全員が同じ段階に到達することはないのです。

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「食事」の空間

 2歳児の時期は、誰もが遂げなければならない発達=生活の自立が完成し、個性の発達へと向かい始める準備期間なのです。また、2歳後半になっても生活の自立ができていないならば、なんらかの障害があることも考えられます。「障害がある子」ときめつけるためではなく、この先のケアの見通しを立てるためにも2歳児単独の保育が役立つのです。

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食事の後に口の周りが汚れていないかチェックする鏡

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ズボンを自分ではくための長椅子

また、この時期、みんなで一緒にいること、やることの楽しさをじっくり味わい、一方では、待つ、順番を守る、我慢するなど、耐性を身につける経験を重ねることも大切です。人と関わる力が育つ基礎になるからです。

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自分たちで役割を決めての「ままごと」遊び

ちょうど私の息子が二歳児クラスです。確かに自分で出来る事が増えてきましたし、何よりも友だちとの関わりが多くなっているように思います。保育園から帰ってきて、「今日は誰と遊んだの?」と聞くとちゃんと「○○くんとあそんだの」「きょうは○○くんがおやすみだった」など友だちの事を教えてくれるようになりました。

一番の驚きは妻の出産をきっかけに二カ月ほど保育園をお休みしていたので、二カ月ぶりの保育園は絶対にぐずって行かないだろう・・・と覚悟を決めてお部屋に入ると、最初こそは照れてましたが、仲の良い友達の顔や先生の顔を見ると自然と部屋に行きました。それだけ息子にとって保育園という場は楽しく、過ごせる場だと親として安心しました。

(報告者 山下祐)

0,1歳保育室の考え方

ちょっと急ですが・・・

もう一度、保育室の環境を見直そうと思い、塾長から以前に頂いた保育室の考え方をまとめたデータをそのまんま紹介しようと思います。

今回は0,1歳保育室です。(以下太字のところが塾長の考え方です)

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ハイハイ~伝え歩きの赤ちゃんが過ごす空間

日本では0歳児保育室、1歳児保育室など生年月日による年齢別のクラス分けをあたりまえに行っています。でも、よく考えてみるとおかしなわけ方です。 

今0歳児クラスにいる子どもは誕生日がくれば1歳になります。1歳になったら1歳児のクラスに移るのかというとそうではなく、翌年の3月までは0歳児クラスにそのままいます。ですから、寝返りをしている子と、その周りを走り回る子が一緒にいるようになってしまうのです。発達の個人差が大きく、月齢による発達の違いも大きいこの時期、便宜的に生年月日でクラス分けをするのは子どもの実情にそぐわないのです。

そこで新宿せいが保育園では0歳~2歳になるまでの子どもたちを、それぞれの子どもの発達の連続性を保障した空間で生活するようにしています。そして、遊ぶことと、食べることと、寝ることそれぞれの生活がきちんと個々の子どものペースで行うことができるように、保育室の空間は「寝・食・遊」の3つのスペースに分けられています。

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「寝る」空間

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「食事」の空間

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「遊び(動のスペース)」の空間

保育室という空間は、子どもを収容する場所ではなく、子ども一人ひとりの生活の連続性を尊重し、発達の連続性を保障するような環境を確保する必要があるのです。

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「遊び(静のスペース)」の空間

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その時期の発達に合わせた手作りおもちゃ

実際に新宿せいが保育園に見学に来られた際に説明を受けたことがあると思いますが、こうして塾長の考えを文章で読むと、より理解が深まりますね。

またこの時期は入園前見学が多く、これから保育園に我が子を預けようと考えているお母さんお父さん方を案内させていただきますが、どうしても小学校のような年齢別のイメージが強く、異年齢という考え方が新鮮だったり、保育室も壁で区切られておらず、ワンフロアで保育をしている事に驚かれます。そういう親御さん達に自分たちが実践している「見守る保育」をどう伝えたら理解してもらえるのか?とても自分の勉強になります。またこうして塾長の考え方を見直すことで、自分の理解が深まります。

次は2歳児保育室を紹介したいと思います。(報告者 山下祐)

瞳そらさないで 色付く秋のトキメキの中で EPISODE ittanFINAL

 

もちろん散歩にも行きます。

もちろん散歩にも行きます。

 

散歩先でも髪をとかしたり。

散歩先でも髪をとかしたり。

給食の時間も、

もちろん子ども達と。

もちろん子ども達と。

 

中身は入っていませんが(笑)

中身は入っていませんが(笑)

子ども達から、「まりあちゃんの給食は?」と聞かれ、子ども達が余った食器で用意をしていました。食器がない時は、「せめて…」という感じでしょうか、お茶の入ったコップが置かれている光景をよく目にします(笑)

本物の給食が入っていないことを誰かが尋ねると、

「だってお人形だもん、食べられないでしょ?」

とのことで(笑)その辺りの線引きは子ども達もよく分かっているようです。

もちろんお昼寝もします。

と言うより気付くとこうしてお休みの子の布団に横になっているという感じです(笑)

と言うより気付くとこうしてお休みの子の布団に横になっているという感じです(笑)

 

まりあちゃんも。

まりあちゃんも。

 

気にかけてくれる子がいるからなのですね。

気にかけてくれる子がいるからなのですね。

 

寝かしつけようとして、一緒に眠ってしまいました。

寝かしつけようとして、一緒に眠ってしまいました。

最後の写真の子は普段中々寝付かない子なのですが、この日はぐっすり眠っているようでした。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2007年2月26日『ひいな』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝人形遊びとか、ままごと遊びは、女子が、家事の所作を学んでいるといわれてますが、他にも、子どもにとって、癒し的効果のある遊びだったのかもしれませんね。だから、いつの時代でも、ままごとは子どもに人気のある遊びのひとつですし、最近は、男子も喜んで遊んでいます。きっと、癒されるのでしょうね。〟

これはひな祭り、雛人形についての考察のブログですが、この度の子ども達の姿ととても重なるものがあると思いました。子ども達はこのまりあちゃんとあんなちゃんにきっと癒されているのだろうと思います。

これからも一緒に楽しく生活をしていきたいと思います。素敵な場面に出会う度、これからもちょくちょく報告していきたいと思います。

(報告者 加藤恭平)

子育て講座② 番外編

さて子育て講座の後にエピソードがあったので紹介します。

講座のあとに保育園を見てみたいと言われたので、案内させていただきました。

案内をしている時に

「なかなか子ども同士で関われる機会が少なくて、どうしたらいいでしょうか?」

という相談を受けました。ちょうど育休中のお母さん方は同じような悩みを持っているのかもしれません。子育てで困っている方を少しでも支援できるようにと思って始めたのがマタニティカフェと子育て講座です。今後も定期的に行っていくので、良かったら参加してくださいと伝えました。

子育て講座を企画した目的の一つが「地域の人同士が繋がれるように」というのがあります。マタニティカフェ、子育て講座を参加された親同士が顔見知りになって、道端で会った時、お買いもので、スーパーで会った時、色々な場面でコミュニティが広がることを期待しています。

そんな期待を胸に、玄関から参加して下った皆さんをお見送りさせていただきました。

そして次の日、0歳児クラスで参加してくださったお母さんがちょうど登園されていたので、お礼を言ったところ、どうやら講座のあとに、一緒に見学をしたお母さんと自宅でお茶を飲んだそうです。

ちょうどお子さんも同じような月齢だったり、自宅が近所だったり、家庭環境が似ているなど、共通点が多かったそうで、そのまま話が盛り上がり・・・。

この話しを聞いて本当に嬉しかったです。

まだ子育て講座も2回目で私も手探りの所もありますが、保育園が地域を結ぶ役割になっていけたら!と思っています。

(報告者 山下祐)

瞳そらさないで 色付く秋のトキメキの中で EPISODE 2

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2013年5月31日『人形考2』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

子どもが遊ぶ人形と言えば、世界では、「ヴァルドルフ人形」が有名です。この人形には、目鼻がありません。他人の表情は、目鼻、特に目やまゆ毛、口などで表します。しかし、この人形は基本的に目鼻をつけないのは、表情をつけないためです。目鼻をつけるときは、色鉛筆でうすーく小さく描くだけで、やはり表情はあまりつけないようにします。なぜ表情をつけないかというと、その人形で遊ぶときの子どものその時の気持ちを受け止められるようにということからです。これは、シュタイナーの教育理論に基づいて作られているのです。

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また、『臥竜塾』ブログ2013年6月1日『人形考3』の中ではこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝「ヴァルドルフ人形」には、目鼻がついていません。ついているとしても簡単な点がついているだけで、表情がわかりません。それは、「その人形で遊ぶときの子どものその時の気持ちを受け止められるように」ということからです。かつて、子どもたちは、自然物を使って遊んでいた時の人形にも目鼻がついていません。葉を使ったり、麦わらを使ったり、どんぐり、松ぼっくりなどを使って人形遊びをするときにも表情を表わすような目鼻はついていません。人形に目鼻をつけること、表情をつけることはどう考えればいいのでしょうか?

たとえば、子どもが人形を使って遊んでいる場面を考えてみます。人形を赤ん坊に見立てて、お母さんのやるようなことをするとします。お腹がすくとミルクを与えます。おむつが汚れていると替えてあげます。一緒に散歩に行き、一緒に遊びます。その時の赤ちゃんは、場面によって様々な表情をするでしょうし、母親はその表情から赤ちゃんの要求を判断し、対応します。したがって、その時に遊ぶ人形には、いつも笑っている表情だけでは不自然になります。どのような表情にも見える程度の表情の方がいいかもしれません。しかし、だからと言って、目鼻がないといいのかというと、それは少し違うような気がします。(中略)

 もし、目鼻をつけないことで、それを見る子どもの創造力をつけるという役割があるとします。本の読み聞かせをするときに、子どもたちは挿絵を見たがりますし、紙芝居のような話に沿った絵を見たがります。それは、かつてラジオを聴きながらその世界を創造してワクワクしていた時代から、テレビによってその姿が映され、そのものが限定されてしまっています。ですから、子どもたちは、話だけ、言葉、文字からだけでは不安になるようです。そのため、今の子どもたちに目鼻がない人形を見せると、「変なの!」と言って、創造するよりも不自然さを指摘するのです。それは、自然物を見立てて遊ぶよりも、より本物に近いミニチュアで遊ぶことが多くなった弊害の気はします。もっと、子どもたちの想像力を広げるようなおもちゃが多くなってほしい気がします。

次に、人形によって自分の気持ちを移入する場合です。「ヴァルドルフ人形」の役割はそれを意識しています。子どもの自分の気持ちを人形が受け止めてくれるのです。しかし、その時にも私は考え方が二通りある気がします。例えば、悲しい気持ちの時に、その気持ちに共感してもらうことで癒されるか、悲しい気持ちの時に逆に楽しい気持ちになるようにはげまされることによって癒されるかです。私は、人形に共感を求めるよりも、励まされる役割の方がいいと思います。というのは、疲れてしまった母親は、赤ちゃんの笑顔を見ることによって、癒され、ホッとするからです。共感され癒されるのは、親とか大人から共感された時だからです。辛くても、悲しくても、苦しくても、いつも純粋無垢な笑顔を見せてくれる子どもの姿には癒されます。そういう意味では、いつも無邪気に笑っている人形でもいいかもしれません。〟

改めて見てみると、とても可愛らしい笑顔をしていることがわかります。

藤森先生のブログを読んで、改めて見てみると、とても可愛らしい笑顔をしていることが頷けます。

さらに、この人形の〝つくり〟として、

  • アイコンタクトを目的としていて、抱くと自然と目が合う。
  • 抱いて見つめるとこっちを見つめているような感じがする。

「対人知性を育む上では目を合わせることも必要では。」と藤森先生は仰っていました。この可愛げのある目線は、対人知性へと繋がっていくのですね。

そんなことを裏付けるような、EPISODE 1で報告した朝の会の続きの出来事です。

近くにいた男の子に、試しに抱っこをしてもらいました。

近くにいた男の子に、試しに抱っこをしてもらいました。

 

「目を見てごらん。」小松崎先生に促され、目を合わせてみます。

「目を見てごらん。」小松崎先生に促され、目を合わせてみます。

 

恥ずかしさからでしょうか(笑)すぐに目を逸らしてしまった男の子です。

恥ずかしさからでしょうか(笑)すぐに目を逸らしてしまった男の子です。

 可愛いですね。この日から、まりあちゃんとあんなちゃんは皆の仲間入りです。

次回、この新しいお友達との新しい生活風景をお伝えします。

(写真提供:わいらんすい(3・4・5歳児クラス)組の先生方 報告者:加藤恭平)

ちょっと変わった職員が報告する勉強会~園内研修編3~ EPISODE FINAL

 

子ども観について、また、ココモンを見てみての感想について、疑問と質問をこちら側にたくさん投げかけていただく形で会は進行していきました。

子ども観について、また、ココモンを見てみての感想について、疑問と質問をこちら側にたくさん投げかけていただく形で会は進行していきました。

 

とても盛り上がりました。終えてみると、計2時間近くもの時間を、ココモンについて話し合っていたように思います。

あまりに内容が多すぎる為、割愛しつつ過剰書きで挙げていきたいと思います。

  • 〝れいぞうこのくにのココモン〟というタイトル。冷蔵庫を自分で開け締めし出する年齢、その時期の子ども達に焦点を当てたらどうか。
  • 某アニメのように、主題歌がとても耳に馴染みやすく、内容はわからずとも歌が歌える子もいる。オープニングの曲や音楽など、耳から伝わるもので心を掴むのはどうか。
  • キャラクターの登場音に音楽があることが多々見受けられる→出囃子、パターン化することに意味があるのでは。
  • アニメは各話にテーマがあることが多い。それを全面に出した知育アニメのような形態でいくのか、例えばセサミストリートの〝ウェイティング・ゲーム〟のように、隠されたテーマがあるような形態でいくのか。

この辺りの先生方の意見は個人的にとても驚きました。まさに会社の製品開発会議など、このような意見交換が行われているのではないかと思う程、とても的を射ていているように思い、その証拠にKIDS STATIONの方々もとても真剣に、頷きながら、メモを取りながら聞いて下さっていました。

また最後の挙げた〝セサミストリート〟については、12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年7月4日『クッキーモンスター』同年7月5日『自己制御のレッスン』の中で紹介されています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、その回のブログの全文を読むことができます。)

次第に改めて緊張も解けた頃、〝3Dの画像は馴染みにくいのでは〟という意見も生まれ、そこで会社の方々から2D化された画像の入ったサンプルをいただきました。

これは可愛い!

これは可愛い!

 

3Dよりやはり馴染み易い印象を受けるように感じました。

3Dよりやはり馴染み易い印象を受けるように感じました。

最後にシニアプロデューサーの因様(ちなみ様)より、このような質問をいただきました。

「あなたが日本でココモンを普及させるとしたら、どんなアイディアがありますか?」

それについても素晴らしい意見が出ました。

  • LINEのスタンプにする。
  • ココモンはソーセージなので、ソーセージやウインナーなどの加工食品会社と提携し、ココモンがパッケージの製品を開発する(もちろんシール入り)。
  • キャラクターを彩ったお弁当〝キャラ弁〟が流行している。ココモンを題材にしたキャラ弁をつくり、インスタグラムなどで発信していく。
  • 悪役が人気があることが多い。悪役にスポットを当てた展開も考える。
  • YouTubeを子どもに見せる家庭も多い。右横側に縦に並ぶ〝次の動画〟欄に、アニメを見ると必ず登場するように設定する。
  • ご当地キャラ、ゆるキャラのようにテレビへの露出を多くする。
  • キャッチフレーズを考案する。(例)「ココモンやるモン!」

また、〝ココモンにまるで歴史があるかのように、100年前のアニメのようなレトロな感じの絵にする〟(笑)など、奇抜なアイディアが湧き出るように生まれました。

一人一人の意見にとても感心しながら、メモを取りながら聞いて下さっていました。たくさんの意見が生まれ、とても喜んでいただけたように思います。

園内研修としても貴重な時間を提供していただき、大変有難かったです。

このような機会をまた持てることを楽しみにしながら、この度の園内研修はお開きとなりました。

(報告者 加藤恭平)