男性の役割

最近は保育園における男性保育士の割合が高くなってきている気がします。

一昔前までは、男性保育士は保育園にいると物珍しさに驚かれるということもあったのですが、なぜこのように需要が高まってきているのでしょうか。

 

その一つを塾長の書籍では0・1・2歳の「保育」の「父親の存在」の項目ではこう書かれています。

「赤ちゃんの遊び相手は母親がいいように思われますが、母親は赤ちゃんの遊び相手にはならないそうです」

「くだらなさに付き合えるのは父親か子ども同士です」

塾長のお孫さんは

一緒にいてくれる人が父親か母親によってその関わり方を変えるそうです。

 

我が家でも、娘は基本は母親が大好きで何をするにも母親と一緒に行動することが多く、遊んでもらったり、お掃除や料理など母親のすることの真似ばかりしています。

ですが、ふと私のところにやってくることがあります。

 

それは、違う遊びを求める時です。書籍の中にあったように、子どもの中でも、女性の遊びと男性の遊びは違うということが分かっているようで、私のところに来るときは全く違う顔を見せてくれます。

書籍の中にはこうもありました。

「赤ちゃんは遊び相手としてくだらなさに付き合ってくれる父親(男性)を選びます」

「何かあったときに救いになってくれる安全基地としての母親(女性)の存在」

 

そう考えると保育園という場所に置いて、男性が増えてきていることも必然のように感じてしまいます。

 

新宿せいが保育園では、そんな男性のあり方を考えようと、都内の男性保育士同士が集まり話し合うという機会があったそうです。

第一回は惜しくも参加できなかったのですが、第二回が開催される時には是非とも参加しようと思っています。(報告者 西田)

保育士試験

先週の9日・10日の2日間、今年で2回目となる保育士試験の筆記テストを受けてきました。

昨年は1回目で10科目受けたのですが、7科目は合格基準に達していた為、今年は3科目のみとなりました。

昨年は科目数が多いこともあり、時間に追われ、試験を乗り切るためだけの勉強となってしまいましたが、今年は1科目に注げる勉強時間が昨年より多く確保でき、時間にも気持ちにも余裕を持て、昨年より濃い勉強をすることができました。

結果はまだ出ておらず、受かっていることを願うばかりですが、恥ずかしながら保育に関する知識がまだまだな自分にとって、日々の保育と照らし合わせて行える勉強の時間がとても有意義なものとなりました。

そんな中、今年は学童を担当しているということもあり、学童期の子どもに関する事項や問題に自然と力が入り、気付けば熟読していました。

そして発達心理学の学童期の人間関係の中からこのような一文を見付けました。

「学童期に入ると、子どもは養育者との関係とともにそれ以外の人をも自分にとって大事な中心人物として捉え、関係を築くようになる。こうして複数の重要な人物との関係を持つことによって、ある特定の人物からの影響だけを受けるのではなく、自分を中心とした人間関係の構造を築き、次第に自立性を持った自己を形成していく。また、不特定多数の他者に向けた二次的言葉が発達する。」

昨年度が3・4・5歳児クラス、今年度が学童担当ということで昨年度の5歳児クラスの子どもたちの内、数名がそのまま学童へ持ち上がりとなったため自分の中で日々の保育中に昨年度との比較を行っていることが多くあります。

その比較において発達心理学の学童期の人間関係の一文は、私が日々の保育中に感じていることの裏付けとなりました。

この裏付けが与えてくれたきっかけは、私の中でとても大きなもので今後の子どもたちの発達を見守る上での意識改革に繋がりました。

また、保育士資格を所持している保育士の方々との差を痛感したと共に「自分はここからだ!」と思え、モチベーションの向上、そして向上心にも繋がったと感じています。

今回は保育士資格取得のための勉強という名目でしたが、このような勉強は試験勉強という名目抜きでも続けていかなければと思ったと共に保育士試験を合格できたら次なるステップとして何らかの資格受験にチャレンジしていこうと思えました。

私は知識量も経験量もまだまだの若輩者です。

しかし、ポジティブに捉えれば、若くまだまだ多くのことを吸収でき、失敗を恐れず様々なことにチャレンジできる。

塾長を初め他の塾生からも保育に限らず、多種多様な学びを得られる臥竜塾、日々の保育実践における他の保育士の方々の姿、そして子どもたち等から多くの学びを得て、これからさらに多岐にわたって向上していき、保育に還元していこうと改めて強く思えた保育士試験でした。(投稿者 若林)

えつこん

文字遊びで起きた出来事です。

6月のある日、5歳の男児が写真をはめ込み、黙々と文字マグネットをホワイトボードに当てはめていました。目の写真を入れて「め」。犬の写真を入れて「い・ぬ」。わかめの写真を入れて「わ・か・め」と、文字マグネットを入れていき、最後に掃除機の写真を入れて「そ・う・じ・き」の文字を当てはめようとした時、男児より前に遊んでいた子どもが残した「え・つ・こ・ん」という文字がまだ残っていました。まず、前に遊んでいた子どもが、どんな写真を「えつこん」と表現したのかが気になるところですが、それは置いときまして、その男児はその文字をじっと見つめまして、「え・つ・こ・ん…(うふっ)」と言ってにやけながら、文字をそのままにしてその場を立ち去ったのです。

私は、常日頃から「遊び心」を大切にしたいと思っていますが、子どもの遊び心にはいつも驚かされます。男児は、どう考えてもかなりの確立で、その場にあえて「え・つ・こ・ん」という文字を残しています。そして、それを残すということは、その面白さを誰かに共感してほしいとか、誰かがそれを見て「おかしいー」と言われるのを待っているとしか思えません。

そんな出来事に、笑いながら感動のような衝撃を受けている私の後ろで、もう一人の女性職員が「え・つ・こ・ん」という文字を指差しながら大笑いをしていました。男児の思惑にのった(共感した)人が、ここにもいました。

こんな子どもの描いた世界に気づかずに、何もないかのように通り過ぎてしまっていることが他にもたくさんありそうな気がします。「そんな姿に気づけて何になるの?」と聞かれれば、発達と絡めながら説明する力量はないかもしれませんが、子どもと少しでもつながった気がするのです。そのつながりが、自分の存在を意味あるものにしてくれる気がするのです。

日常にとけ込むような、目には見えない心の中で作り出される、小さいけれど大きいこんな物語が、私は大好きです。

(投稿者 小松崎高司)

子どものメッセージ

子どものメッセージ

マネジメント4

おそらく会社を経営するにあたって重要になってくるのは「マーケティング」だと思います。

まずマーケティングと聞いても、意味がう浮かんでこないと思います。
私もそうだったので調べてみると、
「顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、
 販売促努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動」
・・・まだ何となくな感じですね(笑)個人的に解釈したのは、
お客さんが一番欲しい物を販売するということでしょうか。
その為に、何が欲しいのか?どうしたら売れるのか?など考えることが「マーケティング」でしょうか。
ドラッガーもマーケティングについてこういう風に言っています。
「企業の目的は、顧客の創造である。したがって企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす」
ここでイノベーションという言葉が出てきました。「新機軸。革新。新製品の開発」という意味です。
ドラッガーは顧客のニーズに合わせて、常に新しい物、考え方を出していくことが、
企業としての成果をもたらすと言っています。
さらにドラッガーは続けて言います。
「真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち現実、欲求、価値からスタートする。
『われわれは何を売りたいか』でなく『顧客は何を買いたいか』を問う。
『われわれの製品やサービスのできることはこれである』ではなく『顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである』と言う」
です。「もしドラ」では主人公は顧客を観客と捉え、観客は高校野球に何を求めているのか?と
考え導き出した答えは『感動』です。その為には自分たちがもっと強くなり、感動を与えるには、
次は野球便を顧客と捉え、部員をマーケティングしました。
部員は野球部に何を求めているのか?一人ひとり面談をすることにしたのです。
そして面談から出た内容を練習に活かすなど、具体的に改善をし始めたのです。
では、これを保育園という場に置き換えてみます。
まず顧客を保護者にすると、保護者は保育園に何を求めているのでしょうか?
おそらく、保護者によっては意見がバラバラなので、何とも言えませんが、
4月から我が子を保育園に預ける身になって感じたことは、
やはり安心して子どもが過ごしてくれれば十分というのが正直な気持ちです。
朝は私が送りにいくのですが、よく親元を離れたくない子どもが泣いていますが、うちの子に限っては、人見知りをしないのか、それとも何も理解していないのか(笑)今まで一度も泣かれたことがなく、ニコニコして担任の先生の所にいき、私には見向きもせず、遊んでいます。それもそれで、少しさみしいですが・・・。
ただそれだけ、我が子は保育園という場所を安心して楽しく過ごしているんだなと実感しています。
だいたいの保護者の皆さんは、こんな気持ちではないでしょうか?
それから子どもが少しづつ大きくなるにつれて、「〇〇な人になって欲しい」という欲求が出てくるような気がします。
ただ、日本の保護者は子どもに「優しい子になって欲しい」「強い子になって欲しい」など、よくあるような願いが出ると思いますが、
塾長のドイツの話で、ドイツのほとんどの保護者は、自分の子どもには「自立できる人になって欲しい」と答えるそうです。
だからこそ、ドイツのミュンヘンで行われている「バイエルン」のような教育をしているのかもしれません。
では野球部員をマーケティングしたように、保育園だと職員に目を向けてみると、これはなかなか難しいですね、まだ高校生の部活という意味では、面談は成り立つかもしれませんが、これが会社になると話しは少し変わってくる気がします。
以前、塾長と話していたときに、こんな事を言われました。
「職員から給料の不満が出た時は、それ自体が不満でなく、『働きがい』かもしれない」と言われました。
またこんな事も言われました。
「職員、一人ひとり興味関心が違うから、アイディアや面白い発想があると、その内容よって提案する職員を変えている」
確かに、塾長が私に何か提案するときは、決まって私の興味が湧くものです。
それにより仕事への『働きがい』が現在進行形で続いているのかもしれません。
しかし、それをするためには職員一人ひとりの事を理解してないと難しいですが、管理職やリーダーとなる人は、その辺りも重視しなければいけないのかもしれません。
ただ「もしドラ」と同じように、職員一人ひとりと面談をして職員の不満や欲求を聞いたところで、正直キリがないようにも思います。
そもそも保育士なので、人間関係が不満、給料が不満を一つ一つ解消するよりも、
「保育ってこんなに面白くて、素晴らしいものなんだ!」と
一緒に楽しむことで、自然と保育士としての『働きがい』が湧き出てくると私は思います。
なんだか今回の内容はまとまりがないような終わり方になってしまいましたね・・・。
読みづらくてすみません(投稿者 山下祐)

見学

先日、私が働いている保育園に市の公立保育園の先生方が見学に来たことを報告します。

見学の内容は主に新園舎の施設見学であったのですが、その中でも、質問にあったのは保育課程のことやどのような保育をしているのか、安全への配慮について、などのことを聞かれました。

言うまでもなく、今始めていることは「見守る保育」というものを追い求めて、保育を始めているのですが、その上で、子どもたちにどうなっていってほしいか、どう育っていくようにもっていこうかということを話しました。

 

よくこの保育のことを人に説明するときに、見守る保育のことや体験してきたことを話すと、「それは理想だね」と一蹴されることがあります。

 

確かにやってみないと分からないことかもしれません。しかし、できると思ってやらないとできないのではないでしょうか。と憤りを含め説明してしまいます。ありがたいことに私の場合、保育園や幼稚園を含め、「行う現場」があることは一つの強みです。いくらそう言っている先生も途上にある保育園を見ていると、子どもたちが選択している様子や生活している様子を見て、「生き生きしていますね」「子どもたちでもこういったことができるんですね」と言われていました。

 

そして、「それほどの願いを込めて作られた保育園なのですね。」と見学にも熱が入っていました。しかし、話を聞いていくと公立は現場がいくら声を上げても、なかなか上の役所の方が変わらない現状があり、そこが難しいらしいです。ある意味、私立保育園は独自で動くことができる分、動きやすいのかもしれません。その流れのなか、一つでも大きなうねりがつくれるように尽くしていければいいなと思っています。今後は、公立の先生方は伊丹にある公立保育園を見学に見に行く予定があるそうで、また一つ、保育の動きが出てくるといいなと心から願っています。

 

まだまだ、一歩ずつ始めていることが実を結び、良い機会に恵まれて、見学に来てもらったり、話す機会をもらえることにとても感謝を覚えます。今自分のいる地域が一つでも活性化できるように力になれれば良いと思います。まだまだ、託児という印象がつよい私の地域で一つでも子どもたちの生きる力を伸ばせるような、そんな保育園がもっと増えてくれればいいなと心から願っています。

(投稿者 邨橋智樹)

子どもから教わる

日々の保育の中で子どもたちから教わることは多く、子どもは

すごいなと思うことは誰もがあることだと思います。
その中で私が教わったことを書きたいと思います。

私は幼児クラス(3.4.5歳)を今受け持たせてもらっています。
最近の子どもたちはというと活発に活動し、やりたいことを
正面から向かっていっているような印象です。
そんな正面から向かう姿勢からはやはりお友だちとぶつかることも多々あります。
特に今は4歳児クラスの女の子は毎日のようにケンカをし、ピーステーブルに行っています。
ピーステーブルというのはケンカしたときにお互いに自分の意見を伝えて、
尚且つ相手の意見もしっかりと聞こうというテーブルです。
そこに行くことで落ち着いて話をし、仲直りしてくることが多いです。
これは先日の給食のときの出来事です。
配膳をもらい、座っている3歳クラスの男の子がいました。
隣に座っているのも3歳クラスの女の子でした。
すると少しお話が盛り上がりスープをこぼしてしまいました。
トレーの上のみならずテーブルクロスにまでこぼれてしまったため、
そのテーブルに座っているお友だち全員がこれは汚いという判断をし、
全員トレーを椅子に起き、テーブルクロスを取りました。
そのテーブルにいた年長の子がテーブルを拭いてくれていました。
これはいつものことですが取ったテーブルクロスを3歳クラスの
男の子が「僕が洗濯機に持って行く!」
女の子が「私が先に持ったんだから!」とケンカになっていたようです。
ここまでは違う先生が見ていて、その先生は違うトラブルも抱えていたので
すぐに私がバトンタッチをしました。
ただ私はどちらが先だったのかなど見ていなかったのと状況をその子たちに聞いても
よくわからなかったので少し曖昧に仲直りをしてみようかと試みました。
その場が落ち着くのを待ちケンカした2人と一緒にテーブルクロスを
洗濯機に持っていきました。
どちらが正しいとかどちらが先というのを明確にするのではなく
ふとした瞬間に笑顔がこぼれたり面白いことがあって仲直りができるのでは
ないかとその状況と3歳クラスの子には良いのかなと瞬時に判断してしまいました。
しかし、少しするとまだ状況をうまく説明できなかった男の子が、
「ピーステーブル行くの!!」言ったのです。
納得いかないことがやはりあるようで、「それは行っておいで!ごめん!」
と一声かけると女の子を連れ、走ってピーステーブルにいきました。
覗きに行こうとしましたがすぐに違う子どもに呼ばれ覗きにいくことが
できませんでした。
しかし、2、3分経つとものすごい良い笑顔で二人が帰ってきました。
どんなことを話したのか非常に気になりますが、すっきりした様子でした。
よくケンカをした際には「ピーステーブルに行っておいで」と声をかける
ことはありますが逆に行かないと気が済まないというケースもあることを
知りました。
まだ3歳だからという固定概念とまだその子を本当に理解してはいなかったことを
恥ずかしく感じるとともに子どもの可能性は無限大であることを再確認しました。
当たり前のことですがもっともっと子どもたちをよく見なくてはいけない、
それを子どもたちから教わった出来事でした。
(報告者 本多悠里)

弱肉強食

以前、活動報告にて「カエル」というタイトルでカエルの卵→おたまじゃくし→カエルの生体観測をしたことを紹介させていただきましたが、今回は弱肉強食について紹介したいと思います。

その前に、学童では生き物の飼育をテラスにて行ってきましたが、大掃除をきっかけにお部屋の模様替え(ゾーンの配置移動)を行った際に、「生き物観察ゾーン」を作って欲しいと子どもたちからの打診を受け、生き物観察ゾーンをs室内に設けました。

生き物観察ゾーンを室内に設けたことにより、子どもたちは生き物を観察しながら、その生き物の生態や飼育方法を図鑑を用いて調べる姿が見られました。

それにより生き物を捕まえては生態と飼育方法を調べ、「餌を捕りにいこう」と発展していきます。

正に内発的動機付けです。

現在学童で飼っている生き物は「ヒキガエル2匹」「ザリガニ5匹」と少し前まで1日限定で小さなヤモリを飼っていました。

この生き物観察ゾーンはみんなが観察できるゾーンですが、発展や維持は前回の活動報告で紹介させていただいたクラブ活動の1つの「虫捕りクラブ」が中心になって取り組んでくれています。

なぜヤモリが1日限定かと言うと、一時は子どもたちは飼おうと考え、図鑑を開いて調べ、ヤモリを飼育する上での環境構成と餌を捕りに出かけたのですが、そこで1つ問題が起きたのです。

それはヤモリの餌はコオロギが適していると子どもたちが調べて、たくさん捕ってきたものの、頑張って噛みついて捕食しようとしますがヤモリが小さすぎて、捕ってきた中でも1番小さなコオロギすら捕食できなかったのです。

065(1)

子どもたちは悩んだ末、ヤモリを自然に還す選択をしました。

これは以前、カエルの卵から生体観測を行ったとき、おたまじゃくしからカエルへは順調だったものの、その後カエルの小ささから餌が難しく、多くのカエルの命を犠牲にしてしまった失敗から学んだことだと判断できます。

改めて生き物の偉大さ、生き物が子どもたちに教えてくれることの多さを感じた出来事でした。

また、ヒキガエルの方はとても順調で、調べた結果、

・カエルは動いているものしか食べない

・コオロギやバッタを好む

とあったので虫捕りクラブの子どもたちと毎日のように虫捕りに出かけ、大量のコオロギやバッタを捕まえてきて、カエルがそれらを捕食する瞬間を見て、子どもと大人が一緒に感動しています。

そしてそのカエルも自然界の弱肉強食の世界では捕食の対象となることもあります。

子どもたちの興味は「カエルはどんな生き物の捕食対象となるのか。」にまで拡がってきている段階です。

そのカエルも冬になれば冬眠するので、冬になる前には自然に還そうと子どもたちは考えているようです。(投稿者 若林)

マネジメント3

社会人になって思ったことは、自分が想像していたよりも、たくさんの職種、会社があることです。
例えば、保育園で働いていると、よく関わる会社と言えば保育教材を取り扱っている会社です。
それも、色々な会社があり、当たり前ですが、それぞれ独自性を持っています。
それらの会社は保育園や幼稚園がメインの顧客になると思います。
したがって、子ども達が使う家具や玩具を販売するわけですが、
本当に子ども達の物を売ることが、それらの業者の目的なのでしょうか??
以前、私の保育園に営業に来た社員がいます。
その営業マンは、掛け時計を売りにきたのですが、
その時計の周りに可愛い人形が飾ってあり、おそらく保育室というより、玄関に飾る方がいいようなデザインの時計です。
ちょうど塾長が職員室にいたので、塾長自らその営業マンを対応しました。
そこで、塾長が言ったのは

「我々が時計を使うときは子どもに時間を知らせるときに使い、よく長針の位置を目安にします。『長い針が数字の6になったらお片付け』など…。

その場合、数字の横に目印があると、数字が読めない子どもも理解できるし、それをきっかけに数字を理解できるようになる。
この時計は目印の飾りも中途半端な位置だから使いづらいです」

と言いました。
実は私の父も保育業者で、幼稚園、保育園を相手に商売をしています。
大学の頃に就職を考えたときは地元に戻り、一緒に働くことを考えていました。
と言うのも高校の夏休みで暇なときは仕事を手伝っていたので、
幼稚園や保育園に玩具や遊具、家具などを販売するのがメインの仕事なんだ・・・。
と自分なりに理解していました。

しかしドラッガーの言葉で

「自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと思われるかもしれない。(中略)

『われわれの事業は何か』との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。わかりきった答えが正しいことはほとんどない」

とあります。
その言葉から考えると、
「保育業者=園で使用する物を販売する事業」という方程式は成り立たないですね。

先ほどの時計を販売しに来た社員は、この時計を置くことで、子どものこんな成長が見られる、
保育でこんな風に活かせます。という現場目線の言葉はなく、
ただ人形の装飾が可愛い・・・でした。

同じようにドラッガーの考えで保育園の位置づけを考えてみると、
保育園は子どもを預ける場所という考えは無論あてはまりませんね。
この辺りに関しては、塾長に話してもらうのが一番理解できるのですが…
私の中でまず最初に思い付いたのは、
日本の将来を担っていく人材を育てていく場所でしょうか。

・・・本当はもっと重要な役割があるようにも思いますが、
それだけ保育園の役割を答えることは、難しいことだと思います。
最近、悲しい事件が起きましたが、塾長が言われたのは、
「小中高の育ちに注目しすぎて、乳幼児期に関しては一切触れていない。」と言われました。
ドイツはミュンヘンの「陶冶プログラム」これに関しても塾長のブログでとても詳しく解説してあります。
一言で言うのは難しいですが、人格形成の基礎を培うという意味が込められています。
乳幼児期の学び、経験というのは、それだけ将来への影響が大きい時期とミュンヘンでは捉えています。
しかし日本ではまだ、そこまでの議論まで達していないため、
何か問題や事件が起きると小中高での育ちを注目しています。
少し話がずれてきたので戻しますが、
それだけ私たちがしていることは、子どもの将来に大きく影響しているという自覚が必要のような気がします。
赤ちゃんなんて・・・2歳はまだ・・・という軽い気持ちで保育はしてはいけませんね。
そして保育業者も、ただ保育用品を販売するのが目的でなく、保育園と同じくらい子どものことを考え、
保育士と一緒に子どもを育てていく。それこそ保育業者は『環境』という部分で大きく貢献すると思います。
またドラッガーは
「あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付づけ、努力を実現するには、『われわれの事業は何か。何であるべきか』を定義することが不可欠である。」
これは保育園の理念にあたる部分だと思います。
「もしドラ」でも主人公は野球部はただ野球をする集団でなく、野球部はどういう組織なのか?そして何をするべきかを考え始めました。
そして考え抜いたあげく、野球部のするべきことは「観客に感動を与える組織」というのが、野球部の定義と位置づけたのです。
ですので新宿せいが保育園で例えるならば、
以前、私の報告でも書きました「見守る保育の三省」が新宿せいが保育園の事業だと思います。
だからこそ、職員全員が共通の見方、理解、方向を向いている気がします。(報告者 山下祐)

職員厚生

新宿せいが保育園には職員厚生係という係があります。

職員厚生係りというのは主に新人職員の歓迎会であったり、ビアガーデン、ドイツに毎年園長先生と行かれた先生方からのドイツ土産のビールで乾杯し、ドイツ報告をしてもらったり、退職される方を見送る会など、年に数回企画をするという係りです。

就職したての頃、先輩方が色々と企画をしてくださり、様々な催し物に驚き、とても楽しませてもらいました。
去年の新人歓迎会の趣旨は新人職員のことを知ることと、新人の方達に私たちのことも知ってもらおう!
という趣旨でした。

新人さんにはどこで生まれて、どこに住んでいるか、どんなことが趣味なのか、好きな言葉はなにか、どうしてここの保育園を選んだのか、など簡単なアンケートを取り、発表します。

今いる職員を知ってもらうためにはどうするかというと、○○といったら何先生?というアンケートを職員全員に答えてもらいます。○○の部分の質問を替え何問も答えてもらいます。
例えば優しいといえば何先生?というようにし、答えてもらった先生の名前を集計し、1位の人を発表していきます。

もちろん、冗談な質問もあるため、冗談で返してくる答えもあり、発表の際は大いに盛り上がります。
その答えが本当なのかが重要ではなく、ぼんやりと冗談まじりで知ってもらうことで職場の雰囲気を感じてもらえればと思っています。

私は今年職員厚生係に任命されたので最近、ビアガーデンを企画し、開催しました。
毎回驚くのがその参加人数です。
強制ではなく任意なのですがほとんどの職員が参加してくださいました。

楽しいのはもちろん、保育の話をすることが大好きな職場であることがわかります。職員厚生ではなくても職員室でよく用もなく話すこともあります。

ビアガーデンではそれぞれが熱い保育の話や、たわいもない話、結局保育に行きついてしまう話…など様々ではありますがコミュニケーションをとっています。

企画をしてみて、時々の開催ではありますが職員同士が時間をかけて話せる環境、楽しめる環境を用意することでそれぞれが受ける刺激は大きいように感じました。

こういうったことで明日への活力、士気が向上し、いい保育に繋がることを祈って企画をしていきたいと感じました。

やはり、楽しい職場が1番ですね。
そんな楽しい雰囲気を初めから生み出しているのは塾長であると私は思っています。職員室に現れたらパソコンをしている職員の後ろからキーボードをトントンと押すといういたずらをします。笑

そんな雰囲気だからこそ、職員厚生も充実したものになるのではないかとビアガーデンを通して感じることができました。

バーベQもありました。

バーベQもありました。

(報告者  本多 悠里)

集団

学童の子どもたちは先週から夏休みに突入。

普段学校に行く時間に学童に登所ということで学童で過ごす時間がとても多くなります。

そこでクラブ活動を取り入れ、子どもたちが自ら発案し、数種類あるクラブの中から選び、話し合って、活動する曜日や内容を決めました。

もちろん参加、不参加は自由ですし、そもそもクラブに属す、属さないも自由。

そこに大人の介入は一切なく、全てを子どもたちに託す形で進めていきました。

すると、去年もクラブ活動を割り出し、周りのメンバーに伝え、役割分担をしてくれます。

基本的に最上級生が主体となってしまいますが、そこから下級生が上級生の姿を見て学べるのが異年齢の良さでもあります。

このような子どもたちの姿を見て、集団での学びは数多くあると改めて思わせてくれました。

クラブ活動も子どもたちにとっては「遊び」に過ぎません。

そしてクラブ活動は一定の目的を持って、一緒に遊び、役割を分化する「共同(協同)遊び」であると同時に学童期では「集団遊び」と言うそうです。

人は必ずいくつかの集団に属します。

大人の世界でも同じことですが、子どもたちも学童という1つの集団に属していて、その学童という集団の中にも異年齢で取り組んではいるものの、学年別で集団という意識があるでしょう。

そして今回のクラブも1つの集団です。

1つ大きな集団に属しながらもその中で小さな集団がたくさんあり、多種多様な集団に属していく。

そして様々な人との組み合わせで起きる化学反応から多くのことを学んでいく。

また、アバウトになってしまい申し訳ないのですが、大き過ぎず、小さ過ぎない集団(4~5人)なら個々の考えなどを補い合えたり、協力し合うことで相乗効果がより得られたりするのではと子どもたちの今回のクラブ活動の様子を見て、感じました。

保育園は、「産まれて初めて集団生活を営む場」と言われていますが、それなら学童は、「集団生活を営む上でのより良いスキルの獲得・育成の場」として、子どもたちの多種多様な組み合わせから、その中で子どもたち同士が自発的に関連し合いながら学びを深めていける集団をクラブ活動以外にも実現し、実践していきたいと思えました。(投稿者 若林)