藤森先生の言葉に「大人が挑戦して、失敗する姿を子どもに見せることも大切」というものがあります。
そして、VUCAという予測不能な社会へ対応するための学習として、AAR(見通し、行動、ふりかえり)という方法が効果的であるということが言われます。
そんなこともあって、1月の誕生会ではまたも「科学実験」を行いました。
今回は、1円玉実験をやってみました。
コップの中に水をいれ、その中に1円玉を浮かばせます。1円玉が水の上に浮いているだけでもうなんだか不思議なのですが、そこに洗剤を一滴たらすと、浮いていた1円玉が「すん!ひらひら〜」と水の底へ沈んでいきます。
理屈的には表面張力とか、界面活性剤とかあるみたいなのですが、それはいいとして、今回のそんな実験をやってみようとなりました。
でも、それだけでは、おもしろくないな〜となり、話していく中で、
大きな水槽の中に水を入れて、そこに大量の1円玉を浮かして、洗剤をたらすとどうなるんだろうとなりました。
これはやってみたらおもしろいのではないかと思い、実際に、大人であらかじめ実験せずに、そのワクワク、好奇心みたいなものも子どもたちと一緒に共有したいなと思い、実際に誕生会当日に、子どもたちに提案して、ぶっつけてやってみることにしました。
すると、とっても驚いたのですが、一滴洗剤をたらすと、多くの一円玉が順に動きだし、水槽の端の方に動き出しました、そして、端にたどり着くと次々に水の底に沈みはじめたのです!このような現象になるとは思ってもいなかったので、大人も子どもも驚きました。
一つの楽しい実験が生まれた瞬間でした。
何が起こるかわかりませんが、こうやったらどうなるだろうということを実際にやってみる、行動してみる、そして、失敗したらまた修正して次に活かす。そのためにはまずやってみないことにははじまりませんね。実際にやってみたことで生まれた現象は、私の中でSTEM保育での方向性もはっきり見えたような気がして、とても嬉しくなりました。
その後、この実験を年長さんと「まなびのじかん」でやることになるのですが、子どもたちが自分たちでいろいろ試行錯誤している姿が見られました。1時間半もこの実験をやっている姿にも驚かされました。
本当に、やってみないとわかりませんね。「身体で脳をコントロールする」なんてことが言われます。やる気や意欲が起きるのを待っていても起こらないそうです。実際に動いていくことで、少しずつそのような意識が高まってくるそうです。なんだか、この感覚ってわかりますね。まさに身体で脳をコントロールするですね。それが人間の本質にあっているからこそ、AARという学びが効果的であるということも納得ですね。
報告者 森口達也