去年小松崎氏が四谷のおもちゃ美術館で行われた「おもちゃまつり」に行き、買ってきてくれた物があります。
それは…
そう昔ながらの伝統遊びである投扇興です。
今年のテーマが伝統であることもありまして。
これまた渋さがあります。
割と大人が楽しんでいる光景を目にすることが多かったですが、早速去年頂いてすぐに子どもたちに紹介して出してみると…
割と目新しいものと見て楽しんでいました。
そして、今月久しぶりにやってみました。
するとけっこうな盛り上がりを見せ始めました。
始めの様子
何も言わずともしっかり並んでみんなで順番を待ち、何回もやって感覚を養っています。
そのルールは簡単で、一定の場所からただ扇子を投げ、扇形の物に当てるだけ。
そして
倒した時の扇子の場所や扇形の物がどこに落ちるかで点数が決まっています。
それを「何点!?」と夢中になって競っていました。
それから得点を一生懸命数えて楽しんでいるうちに色んな子が興味を示し、見てやりたいと思ってやる子もいれば、見て面白くなさそうと思ってどこかに行ってしまう子もいればと様々でしたが楽しさの輪をそこで少し広げていたように思います。
塾長は伝承遊びのことをこう言っていました。
「個人的に楽しむものや一人二人と徐々に仲間を増やして楽しむもの、大勢でいっしょに楽しむものなど様々な遊びがありますが、そのどれもが、遊びながら他の子どもとの関わり、他者との関係性を構築することによって、他者への理解、社会的ルール、コミュニケーションの能力などが育っていくことで、社会性が養われていきます。また、数的概念や科学的体験が入っていたり、問題解決能力や洞察力、忍耐力などが養われていきます。
そのほかにも伝承遊びのよさにはこんなことがあると言われています。まず、手や足や身体を直接使って楽しめるものが多くあります。いわば、手足を使うことによって、脳が刺激されるのです。つぎに、歌やリズムに合わせて遊ぶものが多く、リズムの楽しさを味わうだけでなく、遊んでいる子の周りのムードも楽しくなり、周りの子を仲間に入れていく効果があります。次に、遊びがとてもシンプルな物が多く、しかも、遊びの技術が次第に高度に発展していくものが多いので、同じ遊びを長く続けていても飽きることなく、チャレンジする楽しみがあります。さらに、伝承遊びというのは、長いあいだ子どもの世界で受け入れられて来たために、子どもの興味関心、発達にマッチしたものであり、また、危険性などについても長い間の実証があるので安心です。」
臥竜塾ブログにて
http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2008/09/post_1063.html
こういったことからまさに投扇興という遊びから様々なものを子どもたちは養っていることがわかりました。
伝統遊びでも様々養えるものが多くあることを感じます。
さらに少し発展が見られたので次回報告したいと思います。
(報告者 本多悠里)
投扇興で思い出すのは「しあわせ家族計画」という番組です。選ばれた家庭のご主人が宿題を与えられ、一週間後にスタジオで披露し、その宿題が成功すれば賞品がもらえるという企画でした。その中の宿題によくこの投扇興が出されていました。私もそれで投扇興のことを知ってからはよく扇子を使って、投扇興の真似をして遊んでいたのを思い出しました。得点表を見るのもまたいいですね。形がいったいどれに当てはまるのか表をみながら見つけるのも楽しそうです。みんなであれやこれやと盛り上がりそうですね。藤森先生の伝承あそびの解説も勉強になりました。伝承遊びの良さを感じながらそれらを楽しんでいきたいですね。
面白いですね〜!今伝承ゾーンが盛り上がっているので、改めてこの遊びについて学べることができて本当によかったです。実は置いてある玩具について恥ずかしながら知らないことも多く(笑)そういう意味でも過去の『臥竜塾の教え』ブログを読むことは自分にとってとても大切なことのように感じています。
〝さらに少し発展が見られた〟ということで、次の報告も楽しみです。