上下関係

このエントリーをはてなブックマークに追加

近頃、学童の子どもたちは今回のタイトルである「上下関係」で揉めることが多くなってきました。

良い意味では、最上級生である3年生が決め事等を率先して決めてくれているのですが、悪い意味では、何でも自分色に染めたがる傾向が強くなり、自分の意見をしっかり持ち始めた2年生の一部が不満を持ち始めたことが事の発端です。

学童の職員間で話し合った結果、昨年もその傾向が強く、この上下関係が伝承していることに気付きました。

今年の3年生は昨年の3年生を見てきて、その姿を真似て、自分と重ね合わせている。

しかし、昨年2年生だった今年の3年生には今年の2年生の気持ちがわかるとも言えます。

でも、「昨年私たちも我慢してきた」だからこそ曲げられないという気持ちがどうしてもでてくる。

私は小学校低学年から高校卒業までサッカーに没頭してきたため、このような体育会系の上下関係は嫌と言うほど経験してきました。

だからこそ2年生の3年生に対する気持ちが非常にわかるのですが、この上下関係から学べることは私の経験上数多くあるとも思っています。

確信を持って言えることではありませんが、このような貴重な機会を下手な大人の介入によって妨げることは逆効果なのではないでしょうか。

人生で必ず経験する上下関係を社会に出る前に経験することはとても大切なことで、職場等での先輩・後輩間における人間関係の基盤となると思っています。

小学校低学年でこのような上下関係を経験できることは子どもたちにとって大きな財産となる。

しかし、大切なのはそれを経験してどう思うか、そしてその思いを自分が最上級生になったときにどう反映させるかにあると思います。

小学校3年生までの学童ではそれを求めるのは早いかもしれませんが、人は失敗から多くのことを学ぶ生き物であるため、この時期は存分に失敗することが何よりかなと思っています。

そして失敗から先は、前回の報告に書かせていただいた一円対話などを用いて、子どもたちと一緒になって話し合い、共感しながら学びを深めていくことが保育者に求められることではないかと今回の上下関係の出来事から思いました。

また、今回は上下関係でしたが、上下関係以外にも子どもたちの世界には伝承により自然に構成されていることがたくさんあるのではと思っています。

伝承の内容の良し悪し関係なく、その一つ一つには必ず意味・学びがある。

その一つ一つを大事にこれから子どもたちと一緒にしっかり向き合い、学びを深めていこうと思います。(投稿者 若林)

上下関係」への2件のフィードバック

  1. 若林先生の仰る通り、大切なのは経験をして、その思いを自分が最上級生になったときにどう反映させるかにあると思います。
    今、大人でもこの問題に悩まされているのが現状のように思います。職場での上下関係、年下の先輩といった人間関係など、現代ならではとも言える多様な状況があるかと思います。
    新宿せいが保育園という環境の素晴らしさの一つに、職員一人一人が役割をもっていることを理解し、チームで保育を行うという保育の基本姿勢があります。年齢も性別も超えて、そこには子ども達の為に自分の役割を全うするという姿勢です。
    年上だから偉いのではなく、年下だから我慢しなくてはならないのではなく、極端に言えば生まれた時期やタイミングが違っただけ、個性をもったそれぞれが協調し、認め合えるような雰囲気が生まれたら素晴らしいなと思いました。

  2. 「大切なのはそれを経験してどう思うか、そしてその思いを自分が最上級生になったときにどう反映させるかにあると思います」という言葉はとても大切なことなのかもしれませんね。上級生がやっていたんだから自分たちもやっていいんだということだけではなく、それをすることで相手の人がどんな思いを持つのだろうかと想像することは忘れてはいけないことなのかもしれません。自分がされて嫌だったことを人にはしないということは当然ですが、されたことを自然としてしまうよいう感覚も分かります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です