臥竜塾生唯一の大学生、そして人生2度目の大学生、西村です。
駒澤大学仏教学部に編入学して1年が経ちました。仏教の知識が全くない状態で入学して、訳もわからず1年間突っ走ってきました。昨年度突っ走ったおかげで、今年度はほんの少し余裕ができたので、昨年度1年大学に通ってみて感じたことや、現在学んでいること、また大学の様子などについてレポートしていきたいと思います。題して、「大学生日記」。そのままですね…。なんか良い題名が思いつけば、変えましょう。それまでは「大学生日記(仮)」で。変わることはなさそうですが(笑)
まず、駒澤大学について。
駒澤大学は「仏教」の教えと「禅」の精神を建学の理念、つまり教育・研究の基本とする大学です。(駒澤大学HPより)
私が入学した学部の「仏教学部」という名称からも分かるように、仏教の教えを大学教育に活かしています。まず仏教についてですが、日本仏教には様々な宗派があります。その中でも建学の理念に「禅」の精神とあるように、禅宗の中でも「曹洞宗」の宗門大学になります。同じく禅宗に括られる臨済宗ですが、こちらも駒澤大学と同じように京都の花園大学を宗門大学として設立しています。
実は、日本には多くの仏教系の大学があります。例えば、浄土真宗西本願寺派の龍谷大学、同じく東本願寺派の大谷大学は、花園大学と同じく京都にあります。関東で言うと、豊島区にある大正大学は天台宗、真言宗、浄土宗と3つの宗派が作った大学となります。また、1つの宗派で複数の大学を持っていることも多く、曹洞宗で言うと、愛知学院大学、駒沢女子大学、鶴見大学、東北福祉大学などがあります。
さらに仏教に限らず、宗教系の大学も挙げるとキリがありません。キリスト教大学の上智大学、青山学院大学や、神道系大学の国学院大学、また新宗教系の大学で言うと、創価大学や天理大学が挙げられるでしょう。
このように、宗教が大学や高校などの教育機関を設立することは、よくある話ですが、その理由は、布教のために次世代の指導者を目的としていたり、元々そのような宗教施設が学校の代わりを担っていた名残であったりと様々です。
私が学んでいる駒澤大学に話を戻します。
先ほども述べたように、曹洞宗が設立した駒澤大学ですが、その名を聞いたときに、曹洞宗の宗門大学、仏教の大学と分かりにくいですね。なぜなら大学のある駒沢という地名が大学名になっているからでしょう。ではその歴史を簡単に見ていきます。
1592年、まだ江戸幕府が開かれる前に遡ります。江戸駿河台吉祥寺(現在の文京区本駒込にあるお寺)境内に「学林」を設立し、これが駒澤大学の前身になります。学林とは檀林(だんりん)とも言い、仏教における学問所のことを言います。元々は宗派を超えて、仏教を学んでいたようですが、それぞれ宗派による学派ができてきたようです。そして曹洞宗は、禅の実践と仏教の研究、そして漢学の振興を目的として吉祥寺会下学寮と呼ばれていました。
1657年には、吉祥寺駒込に移転し、中国の名僧である陳道栄により栴檀林(せんだんりん)と命名され、現在も校歌の中にその名が出てきます。その後は、「曹洞宗専門本校」と名称を変え、専門学校令により大学として認可を受けると、1905年に「曹洞宗大学」と改称をします。それから、1913年に現在の駒沢の地に移転をすると、1925年に大学令により大学として認可を受け、「駒澤大学」と改称。このとき、寺院の子弟だけではなく、一般の学生も受け入れるようになりました。現在では、仏教学部を始め、文、経済、法、経営、医療健康科学、GMS学部などの様々な学部の学生が勉強をしています。
続く
西村先生が日々学びを積み重ねられていることが文面から伝わってくるようです。読み進めるのが楽しみになります。