補食を食べ終えた、二人。
らんらん組(4歳児クラス)、わいわい組(3歳児クラス)に、共になったばかりの4月のある日の遅番のことです。
「(絵本)読んで〜。」と持ってきたわいわい組(3歳児クラス)の男の子(紺色の服を着ているので以下紺くん)に「いいよ。」と優しく応えるらんらん組(4歳児クラス)の女の子(水色のカチューシャをしているので以下水色ちゃん)。
一文字一文字丁寧に読んであげています。が、
紺くんの視線は絵本から外れ、
おもむろに、
拾ったのは「れんげ」(笑)
おままごとの玩具が気になってしまいました。
すると、もう興味はおままごとへ。
「ねぇねぇ。ちょんちょん。」と水色ちゃん。
「もう全部読んじゃったよ〜。(笑)」
苦笑い(笑)
そして、ここからが何とも言えず素敵でした。
紺くんが持ってきた絵本を片付けてあげます。
「その上の(玩具)が取りたいの?」
「いくよ。せーの。」
「取れた?」
12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2012年4月17日『集団のポイント』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)
「子どもたちの学びにはある規模の集団が必要です。そこには、多様性が存在するからです。多様性が、いろいろなものを生み出していきます。その多様性は、個人差だけでなく、男女であったり、年齢が違ったり、発達が違ったりという集団が必要です。」
子ども集団の育むものを、改めて実感します。
そして、
「異年齢でクラスを形成することの意味がほかにもあります。子ども同士から生み出された活動を、保存し、維持し、文化として伝承するためには、縦の関係によるネットワークがなければならないからです。大きい子がやるのをじっと見ること、それを真似すること、それが次の世代につないでいくことになるのです。よく、『子ども文化』と言われますが、これは、子どもの中で生み出され、子どもの中で伝承されていかなければならないのです。」
そんな姿を少し離れたところからじっと見ていたにこにこ組(2歳児クラス)の子。
こうして、日々子ども文化は伝承されていくのですね。
(報告者 加藤恭平)