あぁ しあわせのとんぼ(バッタ)が ほら 舌を出して 笑ってます EPISODE FINAL!!!

 

「あ、そっか!わかった!」

「あ、そっか!わかった!」

何かに気付いた様子の緑ボーダー柄の男の子。

駆け出してどこかへ行き、そしてまた戻ってきました。

おや?

おや?

 

独特の歩き方で近づいてくるこの人は、

独特の歩き方で近づいてくるこの人は、

 

我らがらんらん組(4歳児クラス)担任小松崎先生ですね。

我らがらんらん組(4歳児クラス)担任小松崎先生ですね。

「ザッキー先生!あのバッタ捕まえて下さい、」

との言葉に、

「うーん、だって練習してるもんね。」

流石ですね(笑)空気を一瞬に察知してくれました。

小松崎先生に捕まえてもらおうという目論見が外れた子ども達は、次なる手段を考えます。

また緑ボーダーの男の子です。

また緑ボーダーの男の子です。

「もーちょっとだって!」

行動派の彼。練習の切れ目を狙って、とうとう指導されている保育園の先生の元へ練習の終わりを聞きに行きました(笑)

そしていよいよその時が訪れます…!

ロープが外されました!

すると、

バッタがいることに気付いていたのでしょう。大勢の子ども達が急にバッタを追いかけてしまう形になり、どこかへ飛んでいってしまいました…

バッタがいることに気付いていたのでしょう。大勢の子ども達がバッタを追いかけてしまう形になり、どこかへ飛んでいってしまいました…。

なんて劇的なラスト…。

しかし子ども達はよく待ちました。バッタが飛び立つまでの時間、なんと約25分!

子ども達はこんなにも待てるものなのですね。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年7月15日『「今」を「冷却」』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝マシュマロ実験に合格した未就学児たちが、その方法(現在を「冷却」し、将来を「加熱」すること)を、身をもって示してくれているというのです。

彼らは目の前の誘惑を、それから物理的に距離を置くことによって「冷却」しました。二つのマシュマロという目標をずっと念頭に置きながら、誘惑のもとのテーブルの向こうの端に押しやったり、椅子の上で身をよじって後ろを見たり、わざと気をそらすために想像力を発揮したりしました。大きな報酬のために、欲求充足の先延ばしを手助けする「冷却」戦略を提示した実験では、未就学児たちは目の前の誘惑のもとを、別のものと見なしたり、より抽象的で心理的に距離のあるものと考えたりして「冷却」し、自制心を働かせるのをずっと楽にし、見ている私たちがつらくなるほど長く待つことができたのです。

年齢には関係なく、自制の中核戦略は、「今」を「冷却」し、「あとで」を「加熱」すること、つまり、目の前の誘惑を時間的にも空間的にも遠くへ押しやり、遠く離れた結果を頭の中で近くに持ってくることだとミシェルはまとめています。〟

振り返ればただひたすらにじっとして待ち続けていたわけではなく、様々に工夫をしていたことが思い出されます。〝ロープを飛び越えてしまおう〟〝他の虫を追おう〟という「今」を「冷却」し続け、〝このバッタを捕まえる〟という「将来」を「加熱」し続けることで生まれた約25分間のドラマ。立ち会うことができ、とても感動しました。

そして最後に。約25分という長い時間にわたり、彼らを支え続けたてくれたバッタはというと…。

やはり神様は見ていてくれたようです。

やはり神様は見ていてくれたようです。

 

自制心を制する者は人生を制する。大袈裟でしょうか。

自制心を制する者は人生を制する。大袈裟でしょうか。

(報告者 加藤恭平)

 

あぁ しあわせのとんぼ(バッタ)が ほら 舌を出して 笑ってます EPISODE 2

 

人数が増えたり減ったり。

人数が増えたり減ったり。

そんな子ども達の視線の先にあるものは、

運動会の練習風景、、というわけではなく、

運動会の練習風景、、というわけではなく、

 

わかりますか?

わかりますか?

 

バッタ!

バッタ!

このバッタを巡ってドラマが生まれていきます。

「こうやってさ、帽子を投げて捕まえればいいんじゃない?」

「こうやってさ、帽子を投げて捕まえればいいんじゃない?」

 

「あとはさ、このさっき捕まえた小さいバッタを投げてさ、そのバッタの傍にきた時にさ、、」

「あとはさ、このさっき捕まえた小さいバッタを投げてさ、そのバッタの傍にきた時にさ、、」

色々と案が出ています。

その横では別の集まり。

その横では別の集まり。

虫を捕まえて大盛り上がりしているお友達を横目に、

チラッと見るのですが(笑)やっぱり前のバッタを捕まえたいようです。

チラッと見るのですが(笑)やっぱり前のバッタを捕まえたいようです。

何だか偉いですね(笑)

ちょっと賢い(?)緑ボーダー柄の男の子(4歳児クラス)で、

ロープを軽くまたいでみたり、

ロープを軽くまたいでみたり、

ロープを足で詰めてみようとします。

すると横の子達が、

「それだめだよ。」

「それだめだよ。」

「入っちゃだめって言われたじゃん。」と声をかけるのです。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年9月12日『平等バイアス』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝1970年代に心理学者のウィリアム・デーモンによって行なわれた子どもたちの平等に対する意識は、小学生だけではなく、もっと幼い子どもにも見られたことが、やはり心理学者であるクリスティーナ・オルソンとエリザベス・スペルキの調査でわかりました。(中略)

彼女らは、3歳児に、ある人形が、他の二体の人形にステッカーやチョコレートなどを配るのを手伝ってもらいました。主人公の人形と二体の人形の関係にはいくつかのパターンがあったそうです。たとえば、あるときは主人公の人形のきょうだいと友だちだった時、またあるときはきょうだいと他人だったり、友だちと他人だったりしました。オルソンとスペルキは、ステッカーやチョコレートが偶数個だった場合、主人公と二体の人形の関係にかかわらず、3歳児はほぼ例外なく、主人公の人形に、同じ個数ずつそれらを分配させようとすることを発見したのです。

このような平等バイアスが子どもには強いということの事例が、さまざまな年齢、さまざまな場面で見られることがわかったのです。たとえば、オルソンとアレックス・ショーは、6歳から8歳の子どもたちに、「マーク」と「ダン」の話をします。2人は自分たちの部屋を掃除して、ご褒美に消しゴムをもらいます。「消しゴムを何個ずつあげたらいいのかしら。手伝ってくれる?ありがとう。それじゃ、マークとダンにいくつ消しゴムをあげるか決めてね。ここに消しゴムが5つあります。一つはマーク、一つはダンに、一つはマーク、一つはダンに。あれ!1個余っちゃったぞ」

研究者たちが、余った消しゴムを「ダンにあげたらいい?捨てちゃったほうがいい?」と尋ねると、子どもたちは、ほぼかならず、捨てたほうがいいと言ったそうです。研究者たちが、マークもダンも消しゴムが余計にあることは知らないのです。ですから、どちらかに1個余計にあげても、1人がほくそ笑んだり、うらやんだりすることはないと強調しても、結果は変わらなかったそうです。この実験でも、子どもたちは平等を強く欲し、平等の実現のためには何かを犠牲にすることもいとわなかったのです。〟

それぞれこの子達の根底には、〝バッタを自分のものにしたい〟という欲求があるのだろうと思います。〝ロープの中に入ってはいけない〟というルールを守ろう、守らせようとする行為の裏に、上記のような心理が働いていることを思うと、子どもとは、人間とは何と面白みに満ちているのだろうと改めて感じます。

それでもまだまだ練習は続きます。

それでもまだまだ練習は続きます。

ここまでで約15分。すごいですね。ラストは意外な展開を見せます。

(報告者 加藤恭平)

あぁ しあわせのとんぼ(バッタ)が ほら 舌を出して 笑ってます EPISODE 1

 

散歩先の公園です。

散歩先の公園です。

指にトンボが止まるという、何とも嬉しい光景に出会った子ども達で、トンボもその期待に応えようとしてか、

すぐ傍を快く旋回してくれています。

すぐ傍を快く旋回してくれています。

秋を感じますね。

そんな中、「ちょっといいですか?」と声をかけられました。

他園の先生方で、運動会に向けての練習をしたいとのことで、配置がわかるようにロープを張りたいとのことでした。

ここから長い長い一つのドラマが生まれます。

ここから長い長い一つのドラマが生まれます。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年3月7日『意志の弱さ』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝誘惑に打ち勝つための自制心は人生を送る上でとても大切な力です。それは、自分自身で目標を達成するためには欠かせません。しかし、自制心は、自分自身のために必要だけでなく、社会を形成するためにも必要な力です。各人が、それぞれ好きなことだけを行なっていたら社会は成り立ちません。ミシェルは、「自制心は長期的な目標を首尾良く追求するには欠かせない。また、思いやりに満ち、互いに支え合う関係を築くのに必要とされる克己心や共感を育むのにも必須だ。自制心があれば、幼い頃に困難に陥ったり、学校を中退したり、物事の成り立ちに無頓着になったり、大嫌いな仕事から抜け出せなくなったりするのを避ける助けになる。」と言っています。〟

今年度、成長展のテーマは〝自制心〟。子ども達にその力が育まれていることを大いに感じたこの度の出来事を、何編にかに分けて報告したいと思います。

(報告者 加藤恭平)

小さい子も大きい子もスクラム組んで オー!

10月1日(土)、新宿せいが保育園第10回の運動会が行われました。

係りの先生方を中心に準備、予行を重ね、当日を迎えました。開けて月曜日、保護者の方々からの感想を聞き、今年度も素晴らしい行事であったことを改めて実感しました。

そんな運動会。当日はもちろんでしたが、それまでの取り組みの中で個人的にとても感動した場面を紹介します。

お休みの子が3人いたので、27人のわいわい組(3歳児クラス)の子ども達です。

お休みの子が3人いたので、27人のわいわい組(3歳児クラス)の子ども達です。

〝かけっこの並び方〟が成功した瞬間でした。

二度の予行を経て、その並び方にとても時間がかかってしまっていたように感じていた運動会2日前。子ども達とゲームをしました。

〝順番に何秒で並べるかゲーム〟です。

すいすいさんなら15秒くらいかな(思いつき)、と前情報を伝えて取り組んだところ、なんと10秒もかからずに出来てしまいました。

思わず感動で目が潤むわいわい組(3歳児クラス)担任二人(涙笑)

まさかと思いもう一度トライしてもらいました。

バラバラになってくださーい。

バラバラになってくださーい。

 

よーいスタート!

 

並んでくれています!

並んでくれています!

 

そしてー、

そしてー、

 

完成!

見事!

 

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2013年2月2日『楽しい挑戦』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝ガードナーは、人には様々な知能があるにもかかわらず、現在、学校では、狭い知能観によって測定される能力を重視し、本来、人として生きていく上でもっと大切な能力に目を向けていないのではないかという指摘はよくされます。それは、同じことをやるにしても、そのやり方、そのものの価値、それらは、様々です。(中略)

よい指導者とは、「楽しい挑戦」をどのくらい提供できるかにかかっているのです。辻井さん(盲目のピアニストの辻井伸行さん)の恩師の川上さんは、生まれつき目が見えないために譜面が見えない辻井さんのために、特別に録音した「譜読みテープ」を作成したのです。辻井さんは、「12年間、先生との二人三脚の挑戦があったから、今の自分があるのです。」と語っています。

学校の先生も園の保育者も、子どもたちの楽しい挑戦を与えられるような能力を持ってほしいと思います。それには、広い視野が必要です。〟

〝列をつくる〟〝並ぶ〟という一聴すれば堅苦しく、時に厳しさでもって成立させてしまいがちな事柄も、ゲームにすることによって、こんなにも楽しく取り組めるのだということを実感しました。

本番も、このゲームの効果があったかどうかはわかりませんが、滞りなく並ぶことができ、スムーズに進行の波に乗ることが出来ました。

遊ぶこと。ゲームにすること。楽しむこと。保育者は大人としての立場を用いてその権力を行使する存在ではなく、子ども達にとって時に遊びのリーダーであるべき存在であるということを、改めて感じたこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

 

人生は紙飛行機 願い乗せて飛んでゆきます 番外編

折り紙の件をきっかけに知り得たことは〝大事なことは3階で話すと伝わり易い〟ということでした。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年7月31日『ドイツ報告5』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝ドイツに来て、保育室内での騒音を調査しているのですが、室内での防音による工夫は少ないように思いました。しかし、とても静かなのは、いちばんの理由は、室内にいる子どもの数か圧倒的に少ないことにあるようです。広い部屋でのお集まりを見たのですが、先生が二人に対して、子どもは6人でした。〟

新宿せいが保育園では、茶室のある3階フロアを〝静の空間〟に、2階フロアを〝動の空間〟に分けて、生活のメリハリを設定しています。

ドイツの保育室程子ども達の人数を少なく設定することはしていませんが、3階を子ども達の総人数に対して約30%程(20人強くらい)の人数に設定し、朝の会や帰りの会などのお集まりの時間を、また、給食の時間を過ごすことにしています。

「折りたいものを決めてから折って下さい。」

と、先日、折り紙についての抜群のアイディアを出してくれた先生も、そのルールを子ども達に伝えるのに3階を選んだとのこと。わいらんすい(3・4・5歳児クラス)全体で〝ぞうグループ〟〝はなグループ〟〝ことりグループ〟と3グループあり、それが毎日日替わりで3階でのお集まりにあたる為、3日に分けて話さなければならないという点がありますが、「同じ授業を3コマやるみたいで、高校の先生みたいです(笑)」と、笑っていました。

丁寧に事前ルールの伝達を終え、すると、こんな姿が見られるようになったとその先生が教えてくれました。

左にいる子がらんらん組(4歳児クラス)の子、右にいる子がわいわい組(3歳児クラス)の子です。

左にいる子がらんらん組(4歳児クラス)の子、右にいる子がわいわい組(3歳児クラス)の子です。

職員手作りの折り紙の本を見ながら、折り方を教えているようです。

このような穏やかな関わりは、3階ならではのように思います。

改めてこの3階という静かな空間を大切にしていきたいと思ったこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

人生は紙飛行機 願い乗せて飛んでゆきます

製作ゾーンにて、クラスの先生の考えたアイディアが冴え渡っています。

というのは、〝折り紙〟についてです。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2009年6月22日『折り紙』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝もう30年くらい前のことですが、プライベートで妻とカナダに行ったときのことです。カナダでは妻の友人であるカナダ人の家庭に泊めてもらいました。ある日、少し時間があったので散歩に一人で出かけました。すると、小学校がありました。そこでその学校を突然訪れてみました。(中略)中に入っていき、自分の身分を明かし、見学をお願いしました。(中略)

教室を回っていたところ、あるクラスの担任から、子どもたちに折り紙を教えてあげてほしいと頼まれました。そこで、鶴の折り方を教えることにしました。まず、みんなに折り紙を三角になるように二つに折るように見本を見せました。すると、子どもたちは三角に二つに折って、その折り目を持って「鶴だ!鶴だ!」とひらひらさせながらとても喜んでいました。それを見て、このあと折るのをあきらめました。それがやっとの子どもたちに、そのあとの難しい工程はとても無理だと思ったからです。そのときに、折り紙は日本の文化であり、日本人は器用なのだということを再認識しました。

 たしかに、日本伝統の折り紙遊びは海外でも「Origami」の名称で知られ、多くの人たちに愛好されています。ですから、ドイツ研修にみんなでお土産を持っていくと、何人かは折り紙を持っていきます。しかしドイツでは、幼児教育の創始者フリードリヒ・フレーベルが考えた幼稚園教育には、「恩物」と呼ばれる遊具と、「手技」と呼ばれる遊戯が含まれていて、手技の一つが紛れもない折り紙でした。この恩物と手技は、三つの範疇を含んでいます。明治時代の翻訳では「物品科」「美麗科」「知識科」といいました。その中の物品科で普通の折り紙が取り入れられ、美麗科では、座布団折りや対称的な模様を折ったりしました。また、知識科では、折り紙から簡単な幾何学を教えていました。

 折り紙は、空間把握力や手先の器用さ、集中力を養う教育的・治療的効果などがあり、さらに折り紙は、数理・幾何の世界への優れた具体的なアプローチ手段であり、論理的思考をするための数学的訓練手段であるとしています。〟

そんな素晴らしい力をもった折り紙ですが、少し困っていました。

というのも、折り紙を自由に使っていいようにしていたところ、取ってはクシャクシャにしてそれでおしまいにしてしまったり、白い部分にちょっと色鉛筆で色を描いておしまいにしてしまったり、と、折り紙本来の遊びへ発展させられない場面を多く見ていたからです。

すると、クラスの先生がこんなアイディアを出してくれました。

「折りたいものを決めてから折って下さい。」

シンプルな提案なのですが、とても効果があり、折り紙の本を持って保育者の元へ子ども達がくるようになりました。折りたいものと折れるだろう力が掛け離れている場合には、こちらから提案もできますし、折ってほしいだけの場合には、折ることが得意な子に折ってもらうよう促すこともできます。

前もって言うことを〝事前ルール〟と言ったりもするそうですが、言葉がけ一つでこれだけの効果があることを実感しています。

この折り紙の件をきっかけに、いくつか別の発見もありました。

次回の報告でお伝えします。

こちらの先生の提案です。朝の会などで、このような使い方も子ども達に提案したようで、すると、

こちらの先生の提案です。朝の会などで、このような使い方も子ども達に提案したようで、すると、

 

このようにして応えてくれる子ども達です。素晴らしいと思います。

このようにして応えてくれる子ども達です。素晴らしいと思います。

(報告者 加藤恭平)

何気ない今日と云う日が いつでも記念日

 

先日の土曜日の午睡明けです。

先日の土曜日の午睡明けです。

土曜日なので平日と比べて子ども達の人数も少ないですね。いつも以上にどこかのんびりとした雰囲気が感じられます。

この日ものんび〜り、ゆった〜り、過ごすだろうと思っていたPM15:21、

「おとめ山公園でおやつ食べてきたら?」

我らが誇るベテランの先生の言葉で、何かスイッチが入ったような気がしました(笑)

「人数も1,2,3,…じゃジュースとか準備しちゃいますね。」

「人数も1,2,3,…じゃジュースとか準備しちゃいますね。」

 とは、ベテランの先生と誕生日が一緒のこの先生。この手際の良さ(笑)成り行きのスムーズさに関心してしまいました。

園庭でおやつを食べることはよくあるのですが、散歩先でとの提案に大喜びの子ども達で、早速準備をしていました。

「早くー!」

「早くー!」

 

「おとめ山公園のあの虫がいっぱいいるところがいいよね!」

「おとめ山公園のあの虫がいっぱいいるところがいいね!」

「あの丘のところ?」

「そうそう!」

「あそこはテーブルもあるから丁度いいよね!」

自分達で散歩の場所を決め、

出発!

出発!

 

到着!

到着!

きなこ棒とジュースを美味しそうに頬張る子ども達でした。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年8月29日(この日のブログは〝11Anniversary〟の日!)『ポジティブな養育4』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝日本における教育基本法にある教育の目的に、平和で民主的な社会の形成者としての資質を備えることとあります。この目的に向かって、保育者は子どもを教育する必要があります。それには、平和とは何かを体験させること、民主主義とはどのようなことかを、さまざまな場面で体験させることも必要になってきます。アメリカの国立小児保健・人間発達研究所では、質の高い保育の要素の一つとして、「社会的な行動の奨励」を挙げています。その例として(中略)

「保育者自身、よい行動をお手本として示しているか?」とあります。保育者が、社会的行動の奨励として手本を示すということは、どういうことなのでしょう。保育者同士、仲が良いとか、助け合っているとか、チームワークがよいということなのでしょうか?そういう意味で言えば、職員同士派閥があるとか、職員同士確執があるとか、職員がバラバラであるということは、質が低いということになりますね。〟

アイディアを生む力。そしてそのアイディアに〝乗る力〟。 散歩先でいただきますをするまでのたった20分の間に、発案、準備、実行という全てが滞りなく行われるこの力を〝チームワーク〟と呼んでいいのなら、抜群の力が発揮された一場面のように感じられました。

また、発案者、そして準備をしてくれた先生は散歩先に行っていないというところも見逃せない点だと思います。子ども達に楽しい体験をさせたいという思いは、言うまでもなく園の先生方全ての共通のものであることを改めて感じます。

〝社会的行動の奨励〟。固定観念や刷り込みに囚われることなく、現状をより良いものにしていこうとする保育者の試みは、これから社会に羽ばたかんとする子ども達に財産のように蓄積されていくことでしょう。

その一端を感じたこの度の出来事でした。

おやつ後、遊んでいると園の保護者の方とお会いしました。一緒になって遊んでいただき、帰り際に頂いた「こちらこそ遊んでいただいてありがとうございました。」との言葉に、保護者の方々にも保育を理解し、温かく見守ってもらえている日常があるのだということに改めて気付かされるような思いになりました。

おやつ後、遊んでいると園の保護者の方とお会いしました。一緒になって遊んでいただき、帰り際に頂いた「こちらこそ遊んでいただいてありがとうございました。」との言葉に、保護者の方々にも保育を理解し、温かく見守ってもらえている日常があるのだということに改めて気付かされるような思いになりました。

(報告者 加藤恭平)

ALL STANDARD IS YOU 〜あなたの幸せ願わない日はありません〜

先日の給食の時のことです。

「ごちそうさまでしたー。」

食べ終わって、食器を片付ける輪の中に混ざってこっそりと苦手なものを残しておしまいにしようとする子が、、そんなシーンが目に入ってしまいました(笑)

〝自分で決めた量だから責任を持って食べる〟

正しい答えとしてはこうだと思います。

配膳の際に子ども達は自分で量を決めます。(僭越ですが配膳についてはこちらをどうぞ)。

決めた以上は食べる。自分で決めたことを最後までやり通す力、そこで育まれる責任感を思うと、やはり最後まで食べ切ってほしい、そう思う気持ちが半分。

あとの半分は、、

先日の園内研修をきっかけに、こういった事柄があった時に、〝あの先生ならどうするだろうか〟と、聞くことに躊躇いがよりなくなったように感じています。

にこにこ組(2歳児クラス)で掃除をしておられた、我らが誇るベテラン先生の言葉は、とても胸に響きました。

「それはその人の道徳観であったり、自分の中の価値観であったりすると思う。〝食べ物は粗末にするんじゃない〟という答えも正解。〝ここまでよくがんばって食べたね〟という答えも正解。色々な正解があって、それがチームで保育をすることのすごく良い所で、多様性の良い所で、〝私はこう思う。それじゃ君はどうする?〟という問いかけがその子にとって大切で、そこでどの価値観を選ぶかはその子次第じゃないかな。」

この時点で胸も目頭も熱くなる想いだったのですが、先生はこう続けて下さいました。

「その子に委ねてみる。〝価値観ですら選択できることが選択制保育〟では。」

「僕らは、子ども達にとって環境の一つだからね。」

とても感動しました。それと同時に、語彙が少なくて申し訳ないのですが、先生の言葉を聞く数分前と違って心が軽くなるような、そんな気持ちになりました。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2013年3月24日『クール』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝リーダーにとって必要なのは、他者の心を打つメッセージを表明する能力だと言います。確信を持って自分の気持ちを表明できるリーダーから、共鳴は周囲に広がっていくのです。なぜなら、その気持ちとは、本心から発したものであり、価値観に深く根ざしているからなのです。

EQの高いリーダーは、楽観や同情や連帯を感じさせる夢を言葉にし、明るい未来を語ることで人々の心を動かすのです。そこで、私は、リーダーは「語る力」が必要だと思っています。「語る力」とは、「他者を感動させる力」だけでなく、「他者を前向きの気持ちにさせる」ことも必要です。〟

自分の価値観というものが、素晴らしい人の傍にいることや素晴らしい人の教えに触れることで、変化をし、その変化は自分の人生をより豊かにし、そうして自分が見守ろうとする子ども達にとって豊かな人的環境として存在し得るのだということを、実感として感じた思いがしました。

そして、ベテランの先生の言葉に触れることができ、藤森先生の教えに辿り着くことができたのも、給食を残してくれたその子のお陰であることを思うと、やはりどんな状況でも感情的になったりして心をなくすことなく、感謝をするべきなのだ、と思ったりします。

目の前で起きるいつものこと、よくあること、そういったことの中にも自分の力の及ばないドラマが待ち受けているようです。いつでも準備をして、毎日を発見と感動でいっぱいにしたいと思ったこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

 

ちょっと変わった職員が報告する勉強会

今年度、『省楽塾』という勉強会に取り組んでいます。

今更言うことではないのですが、僕は新宿せいが保育園の先生方が大好きです(照れ笑い)

今まで色々な職場を経験してきたように思うのですが、こんなにも楽しい職場があるだろうかといつも思っているというのが正直な気持ちで、臥竜塾生の柿崎先生と外へ食事をしに行くと、決まってそんな話題になります。時に二人して目頭が熱くなる程の思いに駆られるのは、藤森先生を始めとする先生方の日々の優しさや、保育への情熱を改めて感じる気持ちになるからだと思います。

そんな喋りだしたら中々止まらない長々とした思いを、頷きながら聞いてくれる何とも寛大な(笑)同期、後輩に恵まれ、新宿せいが保育園職員遠藤先生、片ヶ瀬先生、石田先生、金塚先生、郡山先生に限りないご協力を仰ぎ、会の進行からそのプログラムの内容までを考えていきました。

これは3月に行われた時の写真です。

これは3月に行われた時の写真です。

それでは簡単に会の流れをお伝えしていきます。

先ずは、多くの方々に集まっていただけたことがお祝いだね、ということで〝乾杯〟からスタートします。

これは6月の回の写真です。飲み物はもちろんジュースです(笑)

これは6月の回の写真です。飲み物はもちろんジュースです(笑)

飲み物を飲みながら、お菓子を食べながら会を進行していきます。

〝おはなしタマゴ〟と呼ばれる特製のタマゴを引いていただきます。

これは7月の回の写真です。〝おはなしタマゴ〟と呼ばれる特製のカプセルを引いていただきます。

中には、〝休みの日は何時まで寝ていますか?〟〝趣味は何ですか?〟〝携帯のキャリアはどこですか?〟(笑)などざっくばらんで取り留めのない質問が書かれた紙が入っています。それが意外と話の種となり、〝アイスブレイク〟(初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法)として活躍してくれています。

4月の回には西村先生のお父様であり、長崎県にあります〝みのり保育園〟の園長先生である西村先生にご参加いただきました。

4月の回には塾生西村先生(以下ムネ先生)のお父様であり、長崎県にあります〝みのり保育園〟の園長先生である西村先生(以下西村園長先生)にご参加いただきました。

ムネ先生の引いたタマゴが〝名前の由来を教えてください〟というもので、それについて西村園長先生直々にご回答いただくという、何とも思い出深い回になったことを思い出します。

そして、

柿崎先生特製アヒージョです♩

柿崎先生特製アヒージョです♩

自己紹介が終わると、次は柿崎先生によるお食事のおもてなしのコーナーがあります。このコーナーの料理を石田先生が〝スパークリングディナー〟と名付けてくれました。何とも気持ちのいい名前で、〝おもてなし スパークリングディナー〟として、来てくださった方に提供しています。別の回では、

ラタ・ギョーザです。中に柿崎先生特製ラタテューユが入っています。美味!

ラタ・ギョーザです。中に柿崎先生特製ラタテューユが入っています。美味!

 

オリンピックイヤーにちなんだブラジル料理〝パステウ〟です♩

オリンピックイヤーにちなんだブラジル料理〝パステウ〟です♩

などなど、毎回異なる料理にチャレンジしてくれる柿崎先生です。

毎回好評をいただいています。

これは7月の回の写真です。毎回好評をいただいています♩流石柿崎先生!

食べながら会を進行していきます。

そして、〝MIMAMORU NEWS〟のコーナーへ。

そして、〝MIMAMORU NEWS〟のコーナーへ。

以前はこの時間に藤森先生の本を紹介していました。

〝MGM〟はMarketing General Manager、マーケティングをする偉い人というようなニュアンスです(笑)

〝MGM〟はMarketing General Manager、マーケティングをする偉い人というようなニュアンスです(笑)

藤森先生のサイン入り(名前をご記入いただきたい方は後日郵送)という何ともプレミアムな特典付きで、回の度に、ご購入希望をいただきとても有り難い思いがしました。

今はこのように〝ポップ〟をつけて、

今はこのように〝ポップ〟をつけて、

 

今は物販として置かせていただいています。

物販として置かせていただいています。

その時間を〝MIMAMORU NEWS〟と題し、新宿せいが保育園の職員が考えた現場目線での保育の発信の時間とし、プロジェクター、パワーポイントなどを使って発表をするコーナーにしています。

すくすく組(一時保育)担任の片ヶ瀬先生が担当の回では、一時保育という条件の中でも見守る保育が実践され、子ども達の中に芽生える自制心にスポットを当てた発表をし、反響をいただきました。

そしてこの後、僭越ながら僕も、藤森先生のブログや最近読んだ本の話など、何かお役に立てることがあればという思いで、少し話をする時間をいただいています。

 

そして、休憩を挟んで、〝おしゃべりタイム〟です。

そして、休憩を挟んで、〝おしゃべりタイム〟です。

小グループに分かれて、ディスカッションを行います。そこで生まれた話はその後簡単に発表していただき、皆で共有します。

おおまかではありますが、会の全体像は、このような形です。

今日に至るまで4回程行い、その都度改善し、〝見守る保育〟という素晴らしい保育を現場目線で発信していくと共に、新宿せいが保育園で働きながら感じる、人と人、職員と職員とがつながって保育をすることの楽しさを多くの方々と分かち合う機会となれるよう、また、この機会を、見守る保育を実践されている園の方のみならず、幅広く多くの方々と共有することができたらと、思っています。

そんな僕も先月二児の父となり、また、この勉強会を発展させ、継続していく上での姿勢を見直すきっかけを多くの方々からいただき、8月より園内研修を実施させていただく運びとなりました。

打ち合わせを午睡の時間に行っています。この時間にできるのもクラスの先生方の協力があってこそです。本当に感謝です。

打ち合わせを午睡の時間に行っています。この時間にできるのもクラスの先生方の協力があってこそです。本当に感謝です。

次回の報告にて、8月31日(水)に行われた園内研修の模様をお伝えします。

(報告者 加藤恭平)

君の声を聞かせて〜雲をよけ世界を照らすようです〜

片づけオリンピック午前の部(?笑)を終え給食の配膳へ向かう子ども達です。

 

決めのポーズも決まっていますね。

決めのポーズも決まっていますね。

すると、配膳へ向かう子ども達から嬉しそうな声がしました。

見るとこのようなテーブルの配置になっていました。

見るとこのようなテーブルの配置になっていました。

 

ちなみにいつもはこんな感じで、この上にテーブルクロスをかけます。

ちなみにいつもはこのような具合でこの上にテーブルクロスをかけます。

小松崎先生に聞くと、〝ある子がいつものような元気がなかった。何か楽しいことはないかとテーブルの位置を変えることを提案してみた。すると瞬く間に元気になり(笑)次々にアイディアが出てきて、この机の並びになった〟とのこと。

藤森先生のブログで読んだ〝参画〟の言葉を思い出しました。

11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年7月29日『ドイツ報告3』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝ミュンヘン市が、1997年、子どもの権利条約の採択を受けて、市長はじめ、子どもに関するすべての行政職員、ボランティアみんなで検討して取り組むことに決めた課題です。そして、バイエルンという保育指針のような幼児教育が取り組む課題として、この「参画」が書かれることになり、デモクラシーについて、考えていこうということにしたのです。そして、この参画に取り組むようになった経緯としては、子どもにとって最も効果的な学びととは、子どもに興味関心を持たせることにあり、そこには個人によっての個性があるために、参画という考え方をすることになったと言います。

 参画の例としてあげられているのは、例えば、食事について、子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利があるというようなこととか、どんな遊びをしたいか、新しい遊具を買うときにも、子どもたちによる投票によって決めます。また、買い物に行くときなどは、各グループから代表が選ばれ、彼らのよって提案されます。このような参画の内容については、それぞれの園によって子どもと一緒に、また保護者とも一緒に決め、均一はないと言います。〟

子どもの提案からそれを実現へと導いた小松崎先生のアプローチは、参画の考え方に沿うものであるように感じられました。

そして皆でいただきます!

そして皆でいただきます!

面白い発見がありました。

この席や、

この席や、

 

この席。

この席。

 

子どもが考えた配置なので無理が出てくるのですが(笑)そこをうまくよけたり、避けたりしながら食べています。

いつもは2席が丁度のこの席に(笑)

いつもは2席が丁度のこの席に(笑)

 

このテーブルは6人(笑)

このテーブルは6人(笑)

 

ここに至っては7人(笑)

ここに至っては7人(笑)

テーブルの下の子ども達の足はほとんどが椅子の下に引っ込んでいて(笑)そんな風にして気を配っている子ども達がとても可愛く思えました。

そんな姿を笑いながら見守るクラスの先生方に、改めてクラスの先生方の素晴らしさ、職場環境の素晴らしさ、そして保育の可能性を感じるこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)