先日、「動物キャラナビ」という著書で有名な、個性心理学研究所、所長の弦本將裕氏が来園されました。人間の個性を12種類の動物キャラクターに当てはめ、そのキャラの個性が細かく書かれています。単なる占いではなく、人生を楽しくする指南書として人気を集めているようです。職員は、よくその本を活用して他の職員とコミュニケーションを図ったり、行事の担当を決める際などに参考にすることもあるくらいです。その弦本將裕氏が、一冊の絵本(DVD付き)を紹介してくれました。それが「杉の木の両親と松の木の子ども」という本です。今回の生臥竜塾では、そのDVDを観ました。
内容は、【杉の木の夫婦に生まれた松の木の子ども。思う通りに育ってくれず、杉の木の両親は松の木の子どもの枝を切ってしまい…。衝撃の結末とともに、子育てとは何か、個性とは何か。子育ての問題をえぐる絵本です。】という紹介文があるように、“子どもの個性を許せない”親たちの現状、現代の子育ての問題点などに焦点を当てた内容となっています。
詳しくは、こちらのHPをご覧下さい。
http://www.sinkan.jp/special/cedar_trees/
この本で、一番何を伝えたいのだろうと考えてみると、「個性は遺伝しない」ということであるのかなと感じました。親がいくら「こうなってほしい…」と子どもに願っても、その子どもには、その子どもなりの“個性”が存在し、必ずしも、親の個性と同じであるということではないということであり、その個性を活かす環境を用意することが子育てでもあるのかなと思いました。
塾長は、この話を「新人教育」に例えました。先月から今年度が始まり、多くの場所で新任職員が勤め始めたと思います。その際、どうしても新人さんには「これまでの慣習」を押しつけるかのように“これまでの自分してきた経験や能力のみを伝えること”がメインになってしまいがちだが、それでは、その作業を終えたら自分が必要でなくなってしまうのではないか…。二人合わせても能力はひとりぶんのままなのではないか…。確かに、自分が辞める時や伝達・伝承の際には必要となるものの、新人教育の場合には、【自分には持っていないものを活かさせる】方法を極めていけば、【自分の考えも増えていく】。違う例えでもいえば、話し合いという場においても、その場は【自分の考えを押し付ける】場であってはいけない。あくまでも、自分とは異なる相手の意見を受け入れ、“自分の考えが増える”というスタンスでいることが重要であるということを学びました。
また、出張先で訪れた名古屋城では、復元作業が行われていたそうです。その復元の仕方についても、昔あった建物を復元するという観点だけではなく、昔の技術を伝えるための復元であり、技術の伝承のための復元であったそうです。これまでに培ってきた技術を伝承させながらも、新しい技術を生み出し・受け入れていき、それによって社会を進歩・発展させていくことが重要であると感じました。
次に、「歴史秘話ヒストリア」というNHK番組【ザビエル 戦国を行く~知られざるニッポン 3万キロの旅~】の一部を観ました。これも、先日、塾長が出張で訪れた長崎県が舞台となっています。ザビエル上陸から、どのように布教し、日本人がどのように関わっていったのかが描かれていました。ザビエルと共に、日本を歩いた人に「アンジロー」という一人の日本人の活躍があったことなどを知りました。そして、その番組内では当時のザビエルの「日本人は貧しさを恥とは思っていない。誇りを持って生きている」「日本人よりも善良なひとたちは他にいないのではないか」「私は日本人への感謝の気持ちを書きつくすことができない」という言葉も紹介されていました。ザビエルが見た日本人は、親切で優しく、誇り高き国民であったそうです。塾長も、日本人の良さ・国民性として「優しさ」がダントツであがるのは、生存戦略でもあったように、アフリカから始まって一番最後に到達した国でもある日本が、一番色濃くその力を持っているからであると言っていました。もう一度、日本人としての誇りを持ち直さなければいけませんね。
最後に、来月行う「第3回臥竜塾年間講座」内容である“異年齢”についての道筋を、塾長からうかがいました。今回は、本多と小松崎で行います。私も、臥竜塾生としての誇りを持ちながら、講座に望みたいと感じました。
(報告者 小松崎高司)
「個性は遺伝しない」よく考えたらそうなのですが、人は感覚として、そう思っていないで子どもと接している部分があるのかなとも思いました。確かに親の姿を見ることで、嗜好など、様々な部分が似てくることはあると思いますが、それは絶対ではありませんね。ましてや似てほしいと一方的に思っていることが、絶対に似るなんてこともありませんね。「お父さんの子なのに…」「あのお母さんの子なのに…」という発言は子どもの個性を大切にしていない言葉でもありますね。新人職員に対しての話がありました。その中にもありましたが、「自分の考えが増えていく」という考え方は私も大切にしたいです。相手の意見に対して、自分の経験してきたこと、自分の考えなどを一方的に押し付けてしまうと、相手がいることの意味がなくなってしまいますね。相手の意見を受け入れる、自分の考えが増えるというのはどちらにとってもいいことですね。人と人とが関わり合うことで、うまれるいい部分を大切にしていきたいなと思いました。
報告お疲れさまです!「杉の木の両親と松の木の子ども」「歴史秘話ヒストリア」共に、非常に見応えがあり、また考えさせられる内容でしたね。〝親にも信じてもらえない子が社会に出ていけるのだろうか〟という言葉を何かの本で読みました。子どもを信じてあげることは、本当に、本当に大切なことだと思います。神様に愛されていると信じたザビエルはあれだけの過酷な旅を乗り越えました。〝愛されている〟〝信じてもらっている〟という気持ちが、人を強くするのだと、改めて感じました。