草莽崛起⑤

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前回のドラマでは功山寺で高杉晋作が80名ほどの人数で挙兵し、次々に藩政府軍を打ち破り、結果的に1000名を越える奇兵隊が結成されました。そして高杉晋作は言いました

「草莽の力を合わせるのだ!」と。

奇兵隊のように闘う者だけでなく、同じ志を持った街の商人、民の力も合わした。真の草莽の力です。見ていてとても興奮しました。

その後、藩政府で実験を握っていた椋梨藤太は晋作の挙兵により形勢逆転し失脚してしまいます。そして岩国の方に逃亡するものの、捕らえられてしまい野山獄にて処刑されてしまうのです。しかし、この時の椋梨は「私一人の罪ですので、処罰は私一人を罰するようにと・・・」と懇願し斬首されるのは椋梨のみであったそうです。ドラマでは終始、嫌な存在として映っていますが、おそらく当時、椋梨自身も自分なりに長州を守ろうと思った行動であり、決して悪くしようとは思ってはいないはずです。結果的に残念な形として生涯を終えましたが、やはり最後は民の力なのかもしれません。高杉晋作、椋梨藤太はどちらも自分の国を守る為に行動しましたが、民は高杉の方に見方しました。塾長とちょうどこの話しをした時にこんな事を言いました。

 

「保育園も園長と職員がいくら同じ目標を持っていても、いざっていう時にはやはり職員の力が必要になる。だから園長は職員の声を聞いておかないといけない」

 

なるほど、確かにそうですね・・・。ただその辺はとても難しいと思いました。確かに職員の声を聞くことを大切ですが、だからと言って職員の中に無理に入っていくのもなんだか違いますし、逆に声を聞きすぎてしまうのも、逆効果になるような気がします。園長という立場は本当に難しいですね。その後に更に塾長が言われたのは

 

「距離間が大切」

 

と言われました。近すぎてもダメだし、遠すぎてもダメ。絶妙な距離間が大切と。これが、また難しい課題です・・・。

 

さて、話しを戻します。吉田松蔭をはじめ、命を落としていった者たちの姿を見ていると決して自分のために行動しているのでなく、自分達の国、日本を少しでも良くしようと思って行動している姿に感動しました。また自分とさほど年齢が変わらないのに、あそこまでの行動力は信じられません。国を変えるというのは年齢に関係なく、強い思いと、行動力のように思います。

それはやはり塾長を見ていて思います。塾長からこんな話しを聞きました。

 

「距離に負けるな好奇心」

 

これはJR東海が広告のキャッチコピーとして出した言葉です。聞いた瞬間に旅に出たくなるくらい、人の心理を上手くついた言葉ではないでしょうか。どうしても年を取るごとに行動することや、遠くに行くことに億劫になりがちですが、そんな時こそ好奇心を持って一歩踏み出そうという気にさせてくれますね。私は塾長を見ていて

 

「歳に負けるな好奇心」

 

という言葉があてはまります。まだ塾長の年齢まで、まだまだ先なので、実際は分かりませんが、65歳という定年の年齢になっているにも関わらず、むしろ年を重ねるごとに行動力が増し、どんどん新しい事にチャレンジしていく塾長は好奇心の塊のように思います。その裏では「見守る保育」を日本のスタンダードにするという強い「志」がそうさせているのかもしれません。

そんな塾長を見ていて年が若いから色々なことに挑戦してみよう、という言葉を聞きますが、意外と若くても保守的な人が多いような気がします。その裏に「面倒くさい」「疲れる」とすぐにネガティブに考えてしまうような気がします。また新しい事を企画し行動しようと思っても「反対されてしまう」と思い、なかなか行動できなかったり・・・。実際に環境がそう思わせてしまう可能性もあると思います。

 

「至誠にして動かざるものは 未だこれあらざるなり」

 

ご存知、吉田松陰の言葉です。「至誠」とは精一杯の誠意を尽くすという意味です。精一杯の誠意で相手に尽くせば心を動かされない人はいない。要は人を動かそうと思ったら、真心を持って、精一杯心で接しなさいという意味です。

 

「子どもに真心を持って接しただろうか」

 

おそらくこの言葉を思いついた人が多いと思います。見守る保育の三省の一文です。

子どもには真心を持って接すること、そうすれば自分の気持ちも伝わるし、そうすれば子どもも分かってくれると思います。そこで「共感」が生まれ、見守れる存在になっていくと思います。これは子ども同士だけでなく職員同士も言える事だと思います。自分の気持ちを分かってくれない、ではなく自分の伝え方が変だったのかもしれない、真摯さが足りなかったのかもしれない、それこそ「至誠」が足りないのかもしれません。お互いが「至誠」を持って接することが大切なのかもしれません。

野見山さんが最後に私たちに言ってくれた言葉は

 

「藤森先生が作った『志』を皆がつないでいってください」

 

と言われ、高杉晋作の熱い話しは終わりました。

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野見山さんから貸していただいた本です。

そして塾長も言われました。

 

「私は自分が活躍するよりも、皆がそれぞれの場所で活躍していくことが嬉しい・・・」

 

私たち塾生(草莽)が塾長の作った「志」を胸にずっとつないでいき、そしていつか活躍(崛起)できるその時まで、しっかりと力をつけていこうと思います。(報告者 山下祐)

草莽崛起⑤」への3件のフィードバック

  1. きました!第五弾!最近、幕末フリークな私にとってはとても楽しみな連載企画になっていました。確かにドラマでの椋梨の描かれ方は嫌な存在という感じが強いですね。しかし、山下さんも言われるように、椋梨も自分なりの国を守る形を考えていたのかなと思うと人の思いを想像することの大切さを感じます。目に見える態度ややり方だけで判断するのではなく、その人の思いを想像することができると対立も少なくなっていくかもしれませんね。「歳に負けるな好奇心」とてもグッとくる話でした!私は面倒くさいではなく、決断をする時に考え過ぎてしまうことがあります。それもあまり良くない方についつい方向が向く時があります。湧いてくる好奇心に、ブレーキをかけてしまう時には「これで本当にいいのか?」と優柔不断な思いに引きずられる時があります。そんな壁を思い切ってまずは越えてみるということも大切なのかもしれませんね。

  2. 今の時代、「至誠」であることが格好悪いこと・アツ過ぎる・煙たがられることとして感じてしまう傾向があるようにも思います。そういった視線や孤独に耐えられる人が、重要な物事を成し遂げていくのかなとも感じています。自分が社会に対して崛起(活躍)できる日を、具体的に想像できるまでになりたいです。そして、塾長からは「常識に負けるな好奇心」も感じます。常識にとらわれることなく、自分の人生に至誠を尽くしていきたいと思います。

  3.  今年もいよいよ終わりに近づいていますが、藤森先生の言葉は改めて聞いても、読んでもとても心に残りますね。2015年も最高の年でした。僕は志などの熱い言葉が大好きなのですが、世間の一部の働きたくないとか、がんばるのがカッコ悪いとか、そういった風潮のようなものと明らかに一線を引いて、とても自然な形で皆が心から志を共有しているこの臥竜塾という場はとてもかけがえのないものなのだということを、今改て感じています。
     塾長、塾頭を始め、塾生、外部塾生の方々、このサイトを管理して下さっている方々に感謝申し上げます。来年も、最高の年にしていきます!

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