子ども集団のオーラ

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12月27日、今年最後の生臥竜塾。今回は、ゲストティーチャーとして「いるま保育園」園長の小川先生が参加してくださいました。普段から、塾生に対して温かい言葉をかけてくださる先生です。また、臥竜塾へ寄付をしてくださり、その寄付で「ホットプレート」を購入させて頂きました。ありがとうございます!今回はそのホットプレートを使ったメニューです。

頂いたホットプレートを使ったプルコギ

頂いたホットプレートを使ったプルコギ

春雨サラダ

春雨サラダ 中華スープ(写真を撮り忘れました・・)

松浦漬(塾長のお土産)

松浦漬(塾長のお土産)

三福漬(塾長のお土産)

三福漬(塾長のお土産)

松露饅頭(塾長のお土産)

松露饅頭(塾長のお土産)

狭山茶(小川先生のお土産)

狭山茶(小川先生のお土産)

まず、塾生の西村氏と田崎氏からの研修報告から。

場所は愛知県豊橋市。喧騒から離れた場所にある「くすのき特別支援学校」で【世界雑巾】が行われるということで、それを見学してきたそうです。詳細はこちら。http://www.city.toyohashi.lg.jp/23971.htm

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50m8秒台(雑巾がけ)

というのも、新宿せいが保育園では、毎日子どもたちが雑巾がけをしているということ、また、毎年運動会ではその活動を披露する機会があるということで、雑巾がけの更なる発展を西村氏と田崎氏は考えてくれました。

このホームページを見ていて個人的にヒットしたのが、世界雑巾の公式テーマソング、その名も「雑巾アンセム」です。ぜひ、来年の運動会ではこの曲を使いたいですね。その歌詞にはこんな一節がありました。

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今、君の涙を拭えるのは

最新家電でもない

格言でもない

どこにでもある

ただの布切れさ

固く勇気を絞ったなら

ノストラダムスの予言も効かない

僕らの未来を駆け抜けようか

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この曲の存在、そして曲を聴いてこう思った方は少なくないと思います。

「豊橋市はマジだ」

そうです。豊橋市は、本気で世界を変えようとしています。それも「雑巾」でです。研修報告をしてくれた田崎氏からも、初めは田舎すぎて戸惑っていたが、会場での盛り上がりや人数に圧倒されたといった感想でした。また、その大会では、地域の大学生が造った雑巾認識機械によって、雑巾がけレースの順位とタイムが瞬時に判定できるとのこと。そして、屋台、ワークショップ、バンド演奏など、様々なジャンルとのコラボレーションが見られたそうです。

そこで、ふと小川先生が「そもそもこういうものがあるってどうやって知ったの?」と投げかけてくれました。いい質問ですね。それに対して、西村氏が「僕が調べて見つけました」と。職人気質な西村氏は、気になったものをとことん追求して、本気で楽しもうとします。まさに、楽しむ覚悟ができている男です。類は友を呼ぶというように、その情熱が西村氏と豊橋市とを結びつけたのでしょうね。好奇心の先には楽しさが待っているということを教えてくれます。

初め、市長さんはこのくすのき支援学校をPRするために雑巾がけを始めたそうですが、それを実行するとなった役員さんがより情熱を注いでくれてこんなにも盛大になったとのこと。そして、「雑巾をかけることで社会貢献する」という大きな目標も掲げられています。新宿せいが保育園の保育理念でもある「共生と貢献」にも通ずるところがあります。

塾長はここで、過去の雑巾にまつわる話をしてくれました。

小学1年生に雑巾がけを伝えていたところ、ある保護者から「今は、家庭では雑巾は使いません。サッサなどで掃除は済ませるので、雑巾がけは必要ですか?」と言われたそうです。それに対して当時の塾長は「雑巾を絞る行程には、野球のバットを持つ動き、剣道の竹刀を持つ動きなどが含まれていて、様々な運動につながっている。」と話されたそうです。

また、新宿せいが保育園が開園したての頃、ある重度のダウン症の子どものMちゃんがいたそうです。Mちゃんは歩けないし、人とも関わろうとしない、ただ壁を向いて隅っこにいたそうですが、3・4・5歳児の異年齢集団の中にいるうちに顔つきが変わっていったそうです。ある日には、座りながら雑巾を持ち始め、次第に雑巾を動かし始め、しまいには膝をつきながら進んで雑巾がけをしていたそうです。この時に、《子ども集団のオーラ》を感じたとのこと。子ども同士が関わらなくとも、その同じ空間にいることで、何らかの刺激を受けているということです。

また、そのMちゃんが他児の真似をしてブロックを籠にかたづけ始めたそうです。しかし、わたしたちの園では、作品は片付けなくてもいいのですが、その子は、関係なく片付けています。それを見たある男の子は「あ、(作品を)壊しちゃう」と。すかさず職員は「壊そうとしてるんじゃなくて、片づけようとしてるんじゃない」と言い、「見てよう」となりました。

すると、今度はほかの男の子が「違っちゃうところに入れちゃう」と。片付ける場所が積み木の大きさで分けるのに、Mちゃんは、全部同じところにしまっています。でもせっかく片付けているから、そっと行って、正しい場所に入れ直そうよと動き出したそうです。その様子を見ていたのか見ていないのか、その後、Mちゃんは、違う大きさの積み木に手を伸ばすものの、決してそれはしまわず、その籠に入れるべき積み木だけをしまったのです。その映像を見てみな感動していました。

異年齢の意味とか、関わりはなくとも集団の意味というものを考えさせられたと塾長は言っていました。そして、続けて話します。過去の「障がい」というのは悪化もしないけど改善もしないとされてきたが、今では、後天的な面が大きいとされている。脳の可塑性によって、足らない部分を補う能力があるのに環境によって年齢による差別によってそれを妨げてしまっているのではないか。異年齢集団でいることで、個人差として、特性として捉える力が養われるのではないか。

といったように、雑巾を皮切りに「障がい」の捉え方についての話をしてくれました。

そして、最後には、今回のゲストティーチャーである小川先生から「食材探しの旅」というパワーポイントを見せていただきました。いるま保育園の調理さんと一緒に地域を巡って、子どもたちに提供する安心・安全な食材を探したというお話です。

「食材探しの旅」

「食材探しの旅」

現在、日本の農家さんは事実上、無農薬は難しいそうです。それは、日本の温帯多雨気候という自然環境が関連しているそうで、農家さんはできる限りの「減農薬」を目指しているそうです。

  • 松井さんの田んぼ(狭山市奥富)
  • 加藤牧場(日高市)
  • 醤遊王国本店 日高工場

その中でも、乳牛の話が印象に残りました。

もちろん、乳を出すのは出産した牛なのですが、母牛はその後2ヶ月ほどあけてすぐに多くの乳を搾乳するために人工受精をして常に妊娠している状態にするそうです。牛を機械化してしまっていることで、正常の成分以外のものが含まれているかもしれない、生産性よりも生態系に基づいた安心・安全な農家の存在を知るための旅であったそうです。これからは、多少値がはっても、「良いものを買って大切にする」ということしていきたいと小川先生は語っていました。

このような感じで今年最後の生臥竜塾は終わりました。これを読んでくださっている方々、また、応援してくださっている方々、1年間本当にありがとうございました。皆様の存在が、私たちの励みになっています。また来年も臥竜塾での学びを届けさせていただきますのです、どうぞよろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください・・・

(報告者 小松崎高司)

子ども集団のオーラ」への1件のフィードバック

  1.  とても印象に残っている回です。小川先生へ心から感謝です。乳牛についても、とても勉強になりました。
     「雑巾アンセム」「雑巾をかけることで社会貢献する」なんとも素晴らしいですね。新宿せいが子ども園での雑巾の取り組みも負けず劣らず、と年を追う毎に盛り上がっているように思います。来年の運動会も楽しみですね。
     Mちゃんについてもとても勉強になりました。動画も素晴らしいですね。子ども集団、子ども社会について、本当に考えさせられるものがあります。

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