デジタルとアナログ

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遅くなってしまいましたが10月7日の報告です。

今回の塾は雨が降っていたため15名でZOOMでの塾でした。

今回は15名でZOOM塾

最初は森口君からの報告でした。中国の見守る保育を導入される園さんに対してZOOMでの研修を行いました。1回目の研修内容は、「見守る保育の理念」や「見守る保育の基礎」ということでお話をしたということでした。そして今後、見守る保育を導入される園さんが増えていくことが予想され、それに対しての研修を塾生からもできるようにしておけるといいね、という話がありました。

次の話題は、熊本の平田先生の息子さんの話になりました。

以前からサッカーをやっているそうで楽しそうに通っていたそうなのですが、コーチからリフティング50回という課題が出てその壁にぶち当たっているということでした。以前までは大変な課題がでると「弱音を吐くな」的なことを言っていたそうなのですが、塾長のブログを読むことによって「弱音を吐くな」ではなく「一緒に頑張ろう」という言葉にしました。というお話でした。ちなみに平田先生自身もリフティングが30回くらいしかできないので、今一緒に頑張っていますということでした。

私もそうですが、一人で壁にぶつかっているよりは、一緒にやってくれる事で背中を押してもらえるという安心感があります。それによってより頑張れることがあるのでいい言葉がけをしたんだなぁと感じました。

次の話が今回のメインテーマでした。

以前、塾長が録画をしてくれたNHKの番組をみんなで見ました。タイトルは「ズームバック×オチアイ 特別編 ~落合陽一、オードリー・タンに会う~」という番組でした。出演は筑波大学准教授の落合陽一さんと、台湾IT担当閣僚のオードリー・タンさんが現在のコロナ禍の半歩先を予想するという番組でした。

みんなで見た番組

見終わった後に一人ひとりがキーワードと気になった言葉を発表しましょう。という課題をもうけ、約50分の番組を見ました。

まずはオードリー・タンさんが何をされているかの紹介でした。恥ずかしながら何をしている人か知らなかったのでとても驚きました。台湾の方で、35歳でIT担当閣僚になり、コロナウイルスが蔓延していた2月頃にみんながマスクを買えるようにマスクの在庫データを可視化できるアプリをつくりました。それを使えば確実に手に入るようにしたそうです。それらの迅速な対応によって2020年9月21日現在で感染者の合計が507人、回復者数479人、死亡者7人という極めて少ない数字で今では世界各国から取材が殺到している方ということでした。

そして対談が始まり最初は一問一答ということで、落合さんからタンさんに質問をします。これの答えにまた驚かされました。

Q1好きな食べ物は?

A炭水化物とタンパク質と脂質です

Q2犬派ですか?猫派ですか?

A私は「人間派」ですね

Q3寝る前に必ずすることは?

A目を閉じます

Q4小さい頃何になりたかった?

A人間の大人です

といった気になるというか、面白いというか、常人では答えないような回答を連発していました。

そこから二人は、未来はどのようになっていくのかを話し始めます。

「ものを作って売る時代から、ネットで動画など情報を売る時代になっていく」「デジタル時代」「人間がデジタルに移行すると形や大きさ、時間から離脱することができる」というような話をしていました。また二人とも自分自身をデジタルスキャンすることによって、肉体は歳をとっていってもデジタル空間ではスキャンした30代のままでいることができる、というような近未来的な話をしていました。

あまり内容を覚えていませんが、映画「マトリックス」の世界というのか、仮想空間を通じて人通しがコミュニケーションをとっていけるような世界になるんではないか、など、とても刺激的なことをたくさん話していて50分があっという間でした。

そして見る前に課題を出されていたので一人ずつキーワード3つと気になった言葉を言って行きました。

最初は熊本の平田先生からでした。「ちょっと難しかったです…、えーっと…」と、一番最初だったこともあり頭の中がまとまっていない様子でした。そして「見ていて思ったのは、コロナ禍になっても前向きなちとたちなんだな。コロナをきっかけにしている人たちだなと思いました」と少し戸惑いながらの感想でした(笑)

次に宮城さんでした。『ちょっとまだ頭が処理できていないのですが、キーワードは「謙虚さ、虚栄心」「デジタルの世界は無限」「ほどほど」気になった言葉は「時間のしおり」というところでした。まとまっていないのですが話自体はとても面白かったです』とのことでした。

次は、小松崎先生でした。『一つ目は「電動振動」という言葉で新しい音葉ができている時っていうのは、時代が作られている時なんだなと感じました。もう一つは「エンジョイブル」という言葉で、いろんな危機でも楽しんでしまうというところですね。あとは「コンヴィヴィアリティ」というところで、共生だったり多様性だったりというところが気になりました。あとは、選挙投票のやり方も気になりました』という感じで順々に答えて行きました。

割とみんなが気になったところが同じようなところでしたが、他に気になったところをいくつか紹介すると「ダイバーシティーインクルージョン」「デジタルな世界で完結」「民主主義はテクノロジー」「クアドラティックボーディングという投票の仕方」「選挙が祝祭性」というところでした。

最後に塾長から総括をいただきました。『概ね二人の考え方に合意はするけど、唯一反対するところは「デジタル化という部分」。デジタルとアナログはどう分けられているかはわからないけど、例えばデジタル時計とアナログ時計の違いは、デジタル時計は時刻で進むけどアナログ時計は緩やかに途中を表すのがアナログだとすると、過程やプロセスが大事っていう時代はアナログ化なんだよね。デジタルっていうのは結果だけを生んでいく。だからデジタル化っていうのは機械だけの世界で、人間はよりアナログの時代にならないといけないんじゃないかと思っている。保育もプロセスを大事にしようというのが今世界で提言されている。「ほどほど」というのは機械が苦手なところだから二人が言っているところはちょっと矛盾するよね。今回のコロナでデジタル社会になりつつあるのを、もう一度アナログに戻してみる。例えば世界中の人を全員が知る必要はなくて、直接会えて話ができる範囲の人を大事にできればいいと思うんだよね。デジタルは機械の世界に任せて人間は機械のできないアナログな世界にもう少し取り戻さないと。だから講演する時もZOOMで講演じゃなくて、人前で人と顔を見合わせて講演をする大切さとか、子ども同士が実際に体を触れ合って遊ぶ体験をするとか、そのようにしていかないと仮想空間で遊ぶ、過ごさないといけなくなるような気が私はしています』ということでした。

どんどんデジタル化が進んでいき、どんどん暮らしが楽になっていく中で、デジタルになってはいけない部分、特に我々が身を置いている保育はでは、結果ではなくプロセスを大事にし、子どもの発達を見守りながら、子ども社会や多様な大人との関わりを大切にしなければならないということを忘れてはいけないなと感じた今回の塾でした。(報告者 柿崎)

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