7月26日の塾報告を中村よりいたします。
突然ですが、この映画をご存知でしょうか。
2005年に公開された山崎貴監督の「ALWAYS 三丁目の夕日」です。
昭和33年の東京下町を舞台にした作品で、続編も公開された大人気作品。ご覧になったことのある方も多いと思います。
堤真一さんや吉岡秀隆さんなど豪華俳優陣が出演されていて、私も大好きな作品で3部作のBlu-ray BOXも持っていました。
戦後の人々の温かな交流描かれる人間ドラマで当時の日本の様子が鮮明に映されています。もちろん私はその当時を知っている訳ではないのですが、どこか懐かしさと貧しい中にも人々が心を通わす豊かさが大きな魅力です。
さて、話を塾の話題に戻します。
先生から話の中で、「アロ マザリング」という言葉が出てきました。母親以外の人が子育てをすることで母親以外の父親・祖父母・兄姉、そして保育士やベビーシッターなどの関わりもこれに含まれるそうです。そして藤森先生はこう話されていました。
「一昔前の子育ては母親だけではなかった。祖父母を含む大きな世帯や隣近所など地域の人々が関わって支え合い、そして子育ても地域でしていた」と。
この話を聞いたときに私の頭の中には先ほど紹介した映画「三丁目の夕日」の光景が浮かびました。
映画の中には自動車整備工場や駄菓子屋、たばこ屋など小さな商店街がメインの舞台なのですが、そこを子どもたちが行き来するシーンが出てきます。家庭用テレビが一家に一台以上普及する前の時代。プロレス中継や1964年東京オリンピックも近所のテレビのある家にふらっと行って見ていたそうです。今の時代では考えられませんよね。まるで近所の人たちが親戚のような印象さえ受けます。
子どもたちは周囲の影響を受けながら成長していきます。それが今の時代においては3歳児になるまでほとんどの母親と2人で過ごしている子も多くいます。
もちろんお母さんの愛情をたっぷりに受けて育つことはとても大切で必要不可欠です。しかし母親以外の影響を受けること。すなわち他者との集団生活の中で社会性や協調性、加減や自己制御も学び習得すると藤森先生は言います。
とはいえ、「三丁目の夕日」のように当たり前のように近所に行って…というのは現在においては難しいですよね。乳幼児期の子どもにとっての身近な集団社会。それが“保育園”なんだと思います。
「乳児の頃から保育園に子どもを預けることはかわいそう。」
私も周りからよく聞く言葉です。ですが保育園はただ子どもを預かるだけの施設ではありません。共働き夫婦が多いこの現代において、子育て支援の施設であることと同時に“乳幼児教育”の大きな役割を担っていると先生は言われます。決してかわいそうなんかではないのです。
子ども同士のコミュニティー形成そして保育士という両親以外の大人との関わり。この仕事のあり方や重要性を改めて実感しました。
そしてこの臥竜塾では日々“保育”について真剣に考え相談し、議論をする。そして藤森先生の考えや教えを吸収する。この日も他に、
・子どもの散策について
・西村先生からの石川富山の全国大会について
などあっという間の2時間でした。(報告者 中村)