新宿せいが保育園の「すいすい番」の話しです。
すいすい番に関してはご存知の方も多いと思いますが、一応、改めて簡単に説明をさせていただきます。
「すいすい」とは年長組の名前です。お昼寝の時間にクラス担任ではない、ほかのクラスの先生が年長さんと1時間ほど一緒に過ごします。活動内容は基本的に任された先生が自由に使っていいので、散歩に行く先生もいれば、製作をする先生もいます。ちなみに私は職員室チームは毎年クッキングを行っており、何回かこのブログで紹介させてもらっています。
さていつも通り食事スペースの掃除を終えると調理の先生が何やら食材を持ってきました。どうやらこの日の「すいすい番」の担当は調理の先生です。
お盆の上に写真のような食材がのっていました・・・。
特に食材が統一されていないので、クッキングをする感じではないので、ちょっと見ることにしました。
担当の先生がやってきました。
第一声が・・・
「みんなも知っているように、先生は魔女です」
どうやら魔女の設定です(笑)と言うのも彼女はハロウィンの時に仮装をするのですが、決まって魔女の格好をするので、子ども達は彼女の言葉に素直に受け入れていました。
そう言いながら大根、玉ねぎ、カブ、ジャガイモ、豆腐を包丁で適当な大きさに切り、そして食パン、ヨーグルト、白米を各テーブルに配りました。そして・・・
「この魔法の液を配った野菜などにかけてみてください」
といい子ども達は順番にテーブルに置かれた食材に茶褐色の液をかけ始めました・・・。
すると
こんな結果になりました。
そのままの色もあれば、黒色になった物もありますね。
もう少し分かりやすく分類してみると・・・。
おそらく理科が好きな人はすぐにピンとくるでしょうね。
私はもちろん分かりませんでした。
給食の時間に「3大栄養素表」を使って子ども達に今日の給食に使われている食材がどこに分類されるか、フェルトで作った食材を赤、黄、緑に分けてもらう活動をしていますが、そこに繋がります。
黒く変わった食パン、ジャガイモ、白米は黄色の分類で炭水化物です。
なぜ茶褐色の液体の色が変わったかというと、食パン、ジャガイモ、白米に含まれる「でんぷん」に反応し色が変化したのです。もっと詳しくいうと、写真では少し分かりにくかったかもしれませんが、青紫色に変化したのです。
そして液体の正体は「うがい薬」です。うがい薬にはポピドンヨードという、ヨウ素を含む複合体を含んでいるそうです。また、うがい薬は意外と濃度が濃いので、反応が本来は青紫ですが、濃いので写真のように黒になってしまうそうです。
私は1つのグループに入って一緒に実験をしていましたが、子ども達よりも興味深々になって見ていました。
言ってしまえば小学校で学ぶ内容なので難しいのかもしれませんが、「体験」という意味では非常にいい体験だったと思います。おそらく、子ども達が今後、小学校で似たような実験をしたときに、この日にことを思い出し、「調理の先生はこれを私たちに伝えたかったんだ・・・」と思い出してくれるのではないでしょうか・・・。
私はそんな風に子ども達に保育園の事を思い出して欲しいと思います・・・。
そして魔女による次の実験に移ります・・・。(報告者 山下祐)
このような実験の内容をはじめて知りました。とてもおもしろそうですね!様々な体験が子どもたちの興味や関心、感覚を厚くしてくれますね。いろいろな人が子どもたちと関わることのおもしろさを感じます。
『子ども達が今後、小学校で似たような実験をしたときに、この日にことを思い出し、「調理の先生はこれを私たちに伝えたかったんだ・・・」と思い出してくれるのではないでしょうか・・・』という言葉にぐっときてしまいました。きっと思い出してくれますね。また、自分たちに向けて先生たちがいろいろと工夫をして楽しませてくれているということを子どもたちもきっと感じているでしょうね。そのことだけでもとてもいい時間になっているなと思いました。
「みんなも知っているように、先生は魔女です」流石の切り口ですね(笑)子どもたちへの心をぐっと引き付ける出だし、導入、実はとても大切なのではないかと思うところで、調理の先生がそれをやってのけるのですから流石ですね。
実験の内容もとても興味深く、文中にもありましたが、小学校での理科の実験を思い出しました。夢中になって取り組んだだであろう子どもたちの様子が目に浮かぶようです。