寝ても大宮覚めても大宮やっぱり大宮2

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さて、試合の話に入ります。今回は、叔父さんと従兄弟と私の3人で観戦する予定でしたが、従兄弟は当日急用が入り、行けなくなりました。私も友人で誰か行ける人はいないか探したのですが、みんな予定が合わず、叔父さんは、余ったチケットを当日券売り場に並んでいる人に譲ろうと思っていたそうです。実際に私は見てないのですが、当日券売り場で出会った方に、運良く譲ることができたそうです。チケットを渡して一旦別れたそうですが、なんと!スタンドで「隣空いてますか?」と尋ねてきたのが、偶然、そのチケット譲った方だったそうです。ホーム側のゴール裏のスタンドは全て自由席で5,000席ほどあります。その中で、たまたまチケットを譲った知らない方と隣になるという縁にとても驚きました。話を聞いてみると、試合を観に来たのも初めだそうで、近いうちに仕事の関係で、遠くへ引っ越すということでした。せっかく、近くにいるから、引っ越す前に大宮の試合を観に行こうと思って、スタジアムに来たところ、チケットを譲ってもらったそうです。私たちからしても、良いお餞別になったのではないかと思います。(笑)「せっかく応援にいらっしゃったので、勝たせましょう!!」と熱く語り、試合が始まりました。

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ここで、今回の試合を語る上で、説明しておく必要のある選手がいます。現在は鳥栖に所属してます、元大宮のFW富山貴光選手です。昨年まで大宮に所属していましたが、契約満了に伴い、シーズン開幕前に鳥栖への移籍が発表されました。昨シーズンなかなか出場機会が得られなかった選手ですが、大宮サポーターからは愛されており、新天地での活躍を願ったサポーターも多かったなという、私の印象です。この試合スタメンだったのですが、試合前のメンバー発表の際も、大宮サポーターからは大きな拍手が送られました。

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大宮時代の富山選手

試合は前半から大宮が主導権を握り、ボールを回していたように見えましたが、持たされていただけのように感じます。ボール支配率も60%を越していましたが、なかなか攻めきれず…。そんな中、前半不運な形で失点します。大宮のDFが富山選手を倒してしまい、PKを与えてしまいました。PKのキッカーは倒された富山選手。試合前、大宮に戻ってきたことに大きな拍手をもらった富山選手がしっかりと決めて、先制を許してしまいました。(点決めてくれの拍手じゃないんだけどな…)大宮サポーターは手のひら返しのブーイングの嵐。余談ですが、私のイメージでは大宮は、移籍していった選手に決勝点を決められることが多い印象だったので、嫌な予感がしました。なかなかシュートまで行かないまま、前半終了。後半の巻き返しに期待です。

後半に入ると、鳥栖の足が止まってきます。前半からボールを持てていたので、後半もその流れからシュートに繋がってくるようになりました。すると後半13分、セットプレーから大宮のエース家長がゴールを揺らします。ゴールが決まったときのゴール裏の雰囲気が大好きなのですが、全く知らない人でもハイタッチをするなどして、一緒にゴールを喜ぶのです。ハイタッチした人とは、もう友達のようで、試合後には、「お疲れ様でした」とお互いに労います。この人との繋がりが、スポーツを応援しに行ったときに味わうことのできるものだと思います。これが好きで応援に行ってると言っても過言ではありません。(笑)

同点に追いつき、押せ押せムードの中、逆転を狙いに行く大宮イレブンですが、決めきることができずに、試合は終了。私の今シーズンの観戦試合3試合連続の引き分けとなりました。試合後は選手が、サポーターにあいさつに来てくれます。勝ったときは一緒に喜びますが、負けたときはサポーターからのブーイングが起こります。引き分けが一番微妙なところです。(笑)鹿島のような強いチームだと引き分けでもブーイングの嵐ですが、そこまで強くないチームでは、強いチームに引き分けたことで、拍手がもらえることがあります。個人の意見としては、「勝った」「負けた」は置いておいて、まずは1試合頑張って戦った選手に拍手はしようとは思っています。ここで、勝った場合はその試合のMVPが一言…なんてことがあるのですが、今回は引き分けということでありませんでした。

ここで、サッカーの試合ではよく観られるシーンがあるのですが、選手が引き上げた後に、対戦チームの縁のある選手は個人的にサポーターへ挨拶に行く場合があります。これまで育ててくれたサポーターへの「帰ってきました」の挨拶ということですね。今回で言うと、富山選手がそうです。しかし、古巣相手に点まで取って、ブーイングを喰らった選手ですので、今回は出られないんじゃないかと思いました。なかなか富山選手が出てこないので、やっぱり挨拶に来にくいのかなと思い、もう帰ろうとしていた、その時です。大宮サポーターが、富山選手の気持ちを察してか、大宮時代のチャント(応援歌のことです)を歌いだしたのです。まるで、「富山!出てきていいんだよ!挨拶に来いよ!」というメッセージのようでした。(なんとか引き分けになったからなのかなとも思いましたが、そこはサポーターを信じましょう笑)チャントを歌いだしてから、富山選手がベンチ裏からやってきて、サポーターの前で挨拶をしてくれました。サポーターからは、「次は違う試合で決めてくれよー!」や、「鳥栖でも頑張れよ!」など温かい声援が聞こえてきます。勝負になると別だけど、大宮の選手はもちろん、大宮にいた選手も大切にする素晴らしいサポーターだなと感動しました。

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挨拶に来た富山選手

(続く)

西村 宗玲

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