ALL STANDARD IS YOU 〜あなたの幸せ願わない日はありません〜

先日の給食の時のことです。

「ごちそうさまでしたー。」

食べ終わって、食器を片付ける輪の中に混ざってこっそりと苦手なものを残しておしまいにしようとする子が、、そんなシーンが目に入ってしまいました(笑)

〝自分で決めた量だから責任を持って食べる〟

正しい答えとしてはこうだと思います。

配膳の際に子ども達は自分で量を決めます。(僭越ですが配膳についてはこちらをどうぞ)。

決めた以上は食べる。自分で決めたことを最後までやり通す力、そこで育まれる責任感を思うと、やはり最後まで食べ切ってほしい、そう思う気持ちが半分。

あとの半分は、、

先日の園内研修をきっかけに、こういった事柄があった時に、〝あの先生ならどうするだろうか〟と、聞くことに躊躇いがよりなくなったように感じています。

にこにこ組(2歳児クラス)で掃除をしておられた、我らが誇るベテラン先生の言葉は、とても胸に響きました。

「それはその人の道徳観であったり、自分の中の価値観であったりすると思う。〝食べ物は粗末にするんじゃない〟という答えも正解。〝ここまでよくがんばって食べたね〟という答えも正解。色々な正解があって、それがチームで保育をすることのすごく良い所で、多様性の良い所で、〝私はこう思う。それじゃ君はどうする?〟という問いかけがその子にとって大切で、そこでどの価値観を選ぶかはその子次第じゃないかな。」

この時点で胸も目頭も熱くなる想いだったのですが、先生はこう続けて下さいました。

「その子に委ねてみる。〝価値観ですら選択できることが選択制保育〟では。」

「僕らは、子ども達にとって環境の一つだからね。」

とても感動しました。それと同時に、語彙が少なくて申し訳ないのですが、先生の言葉を聞く数分前と違って心が軽くなるような、そんな気持ちになりました。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2013年3月24日『クール』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝リーダーにとって必要なのは、他者の心を打つメッセージを表明する能力だと言います。確信を持って自分の気持ちを表明できるリーダーから、共鳴は周囲に広がっていくのです。なぜなら、その気持ちとは、本心から発したものであり、価値観に深く根ざしているからなのです。

EQの高いリーダーは、楽観や同情や連帯を感じさせる夢を言葉にし、明るい未来を語ることで人々の心を動かすのです。そこで、私は、リーダーは「語る力」が必要だと思っています。「語る力」とは、「他者を感動させる力」だけでなく、「他者を前向きの気持ちにさせる」ことも必要です。〟

自分の価値観というものが、素晴らしい人の傍にいることや素晴らしい人の教えに触れることで、変化をし、その変化は自分の人生をより豊かにし、そうして自分が見守ろうとする子ども達にとって豊かな人的環境として存在し得るのだということを、実感として感じた思いがしました。

そして、ベテランの先生の言葉に触れることができ、藤森先生の教えに辿り着くことができたのも、給食を残してくれたその子のお陰であることを思うと、やはりどんな状況でも感情的になったりして心をなくすことなく、感謝をするべきなのだ、と思ったりします。

目の前で起きるいつものこと、よくあること、そういったことの中にも自分の力の及ばないドラマが待ち受けているようです。いつでも準備をして、毎日を発見と感動でいっぱいにしたいと思ったこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

 

ちょっと変わった職員が報告する勉強会〜園内研修編〜 EPISODE FINAL

それでは各チームで話し合われた内容をお伝えします。

チームO(オー)

◇血液型でチーム名を決めた。A型の人もいたが、Oっぽいね(?笑)とのことでこのチーム名になったそうです(ちなみにチーム名は決めなくてもいいものです(笑)

Q.早番、遅番の時など、担任でないクラスに入る時、(この場合はわいらんすい(3・4・5歳児クラス)のことが話されていました)どう動くといいのか?その中で、朝の受け入れ時など、例えば泣く子に対してどこまで関わっていいものか。

A.子どもと関わってくれたり、朝はお掃除とかをしてくれると助かります。

A.わいらんすい(3・4・5歳児クラス)の職員が普段の姿を知っているので、受け入れは担任の職員に任せるのが吉。受け入れる子どもの人数が多い時やその時間帯によっては、手を貸していただけるとありがたいです。

Q.登園降園で泣いている子の対応

A.どちらも泣いていると保育園でずっと泣いているような印象を保護者はもつものかもしれません。登園降園の時には保育園の楽しんでいる様子を保護者へ伝えられるといいですね。

素朴な質問のように感じられますが、後日参加されたある先生に「遅番、早番で入った時に気持ちが違いました。」との声をいただき、何だかとても嬉しい気持ちになりました。

チーム松(笑)

◇チームの中に韓国語に非常に長けている先生がいた為、〝韓国語講座〟からこちらのチームはスタート!(素晴らしい出だしですね!)

「今度、韓国語講座研修を開いてほしい」との声にまで発展していました。ぜひとも実現させたいですね。

◇ある先生のある悩みに対して、〝昨年より成長している証拠〟との旨のアドバイスをチームで共有したようです。

Q.ちっち組(0歳児クラス)の子達の中に脱走チーム(笑)が増えてきて、さらにタオルの入った籠をぐちゃぐちゃにするので困っています。

A.探索活動が盛んな今のちっち組(0歳児クラス)。今やらないとぐんぐん組(1歳児クラス)でやったらもっと大変。やらせてみて、そして子どもは自分で経験をして、時には少しイタイ思いをしたりして初めて分かることもあるので、目を向けてあげるくらいでいいのでは。寛容に見ていきたい。

チームもも

このチームには調理の先生が二人いた為、自然と調理関係の話に発展していきました。

◇調理の先生達は、アレルギーの子達に対しての配慮をとても丁寧にやっている。毎日本当にお疲れ様です。

◇配膳のお当番の子ども達が自分たちでアレルギーの子を確認しようとする姿があり、それが子ども達から子ども達へと伝承していっていることを感じて、素晴らしいと思う。

◇ある先生の小学校時代、小麦アレルギーながら、どうしてもパンを食べたくなってしまう子がいて、二度も救急車で運ばれた、という話がありました。

→周りの子もドキドキしますが、やはりその子の自制心や我慢する力を育んであげたい。

新宿せいが保育園のアレルギーへの取り組みは目を見張るものがあり、0か100かで食事の配慮を決めるようなものではなく、アレルギーの子ども達一人一人に合わせた配慮をするなど、とてもキメ細やかな取り組みをしています。調理の先生、保健の先生、そして職員が全総力をあげて取り組んでいることなので、自然、話に熱がこもりました。


かなり大まかで、言葉足らずになってしまいましたが、3チームが話し合われた内容をまとめさせていただきました。この盛り上がりを写真でお伝えしたいのですが、話し合いに夢中になり過ぎて撮るのを忘れてしまい(笑)むしろそれによってこの日の熱を感じてもらえたらと思う次第です。

さて、4回に分けて報告をしてきましたこの度の園内研修。お集まりいただいた先生方のご尽力でとても学びある時間を過ごすことができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。

これからもこのような形で園内研修をどんどん行い、見守る保育の実践者の集まりとして、より深く見守る保育を追求していくきっかけとなる時間を過ごせるような研修へと発展することを期待してしまいます。

読まれる方に何か得るものがあれば幸いです。

長い報告となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。

次回開催は10月を予定しています。また、報告させて下さい。

(報告者 加藤恭平)

 

ちょっと変わった職員が報告する勉強会〜園内研修編〜 EPISODE 3

4.おしゃべりタイム(ディスカッション)は、5つのお約束を基本姿勢として、小グループに分かれてトークを展開していただきました。

 

1.笑顔

2.うなずき、合いの手

3.意見を言う時は相手を肯定してから言う

例「あなたの意見はとてもいいですね。そしてこうするともっといいですよ。」

4.盛り上げて下さい

5.「今更聞けないこと」「そんなことも知らなかったの?」というような話題をじゃんじゃん出していただけたらと思います。

 

省楽塾でも〝3つのお約束〟として参加していただく方に1〜3をお伝えしています。会話は聞き手にこそ力が必要と考えます。話し手が話しやすい雰囲気を作り出す力は人間的魅力に通ずるものと思います。

そして、4、5。場を盛り上げようとする人たちのお力添えなくして会の楽しい雰囲気というものは生まれにくいでしょう。そして、もし会話において何か躊躇いのようなものが生まれるとしたら、フランクな時間になりづらい何かがあるとすればそれを極力減らしたい、本当に聞きたいことを聞けるような時間にしたい、という思いから5をお約束の一つにさせていただきました。

そして、保育年数の高い先生を筆頭に今回は3グループに分かれて行いました。

〝おはなしタマゴ〟ボックスの横にあるのは、〝はなしのタネ(仮)〟の箱です。

〝おはなしタマゴ〟ボックスの横にあるのは、〝はなしのタネ(仮)〟の箱です。

〝塗り絵のゴールはどこですか?〟〝やってもらってありがとうを言わない子、おかわりに来て「おかわり下さい」を言わない子に、に言うように促すべきでしょうか?〟など、かなりざっくりとした(笑)はなしのタネになるような紙が入った箱を用意しました。20分程の時間でしたが、その間にもし話に詰まってしまった時、気軽に引いてもらえればと思い用意をしました。

ですが、その必要はありませんでした(笑)

笑い声溢れる時間を過ごすことができたのは、ベテランの先生方のユーモア、話を発展させていく力、そして会に参加して下さった方々の傾聴力、盛り上げようとする力、会話力、それらが合わさり、一つの時間を作り上げて下さったように感じました。陰ながらとても感動してしまいました。

大いに盛り上がったおしゃべりタイム。各チーム一人の方に書記の役割を担っていただき、最後にそれをまとめた報告、共有の時間を設けて第一回園内研修は終了となりました。

次回の報告で最後になります。各チームで話し合われた内容をお伝えします。

(報告者 加藤恭平)

ちょっと変わった職員が報告する勉強会〜園内研修編〜 EPISODE 2

  1. それではにこにこ組(2歳児クラス)の報告です。

にこにこ組(2歳児クラス)

お集まりの際に絵本を中々手放さない子への秀逸なアプローチ(笑)

お集まりの際に絵本を中々手放さない子への秀逸なアプローチ(笑)

お集まりが始まっても絵本を手放さない子に、

ギターを裏側にして差し出します。

ギターを裏側にして差し出す我らが誇るベテラン先生です(笑)

 

思わず乗せてしまう子ども達です(笑)

思わず乗せてしまう子ども達です(笑)

お集まりがスムーズに行えているようです。

こちらは、

丸テーブルにあるにこにこ組の顔と名前の書かれたカルタを通したあそびの様子です。

丸テーブルにあるにこにこ組の顔と名前の書かれたカルタを通したあそびの様子です。

 

こういう感じで、

こういう感じで、

 

自分の名前やお友達の名前、可愛い絵が描いてあるカルタが透明のカバーで固定されています。

自分の名前やお友達の名前、可愛い絵が描いてあるカルタが透明のカバーで固定されています。

2歳児クラスの文字の導入としてもとても素晴らしいですよね。かつこの度の新宿せいが保育園の〝伝統を引き継ごう〟という年間テーマにも沿った、素晴らしい取り組みだと思います。

そして、

お風呂にして遊んでいます。

お風呂にして遊んでいます。

プール時に普段出さない丸いタライを新人の先生が思いついて出したところ、このようにお風呂にして遊んだとのこと。それ以来恒例になったそうです。ささいなことですが、新人の先生の意見がこうして軽やかに反映される日常があることに、改めて嬉しい気持ちになります。

最後に、

右は新入園児の男の子です。

右は新入園児の男の子です。

ケンカをした二人が同じ絵本を読んで仲直りのような時間を共有している風景を紹介されていました。可愛いですね。

他にも、園の職員ならではの楽しさ溢れる写真が満載の報告でした。

わいらんすい(3・4・5歳児クラス)

我らが誇るベテラン先生考案の〝駅名ブロック〟。

我らが誇るベテラン先生考案の〝駅名ブロック〟。

 

ブロックゾーンに駅を作って楽しんでいます。

ブロックゾーンに駅を作って楽しんでいます。

都心はやはり電車のイメージがあります。そのイメージを見事に汲んだ子ども達に馴染みのある山手線の駅名が描かれたブロックです。

次は、

帰りの会の一コマ。運動会で行う体操の振り付けを西村先生が考案してくれました。出張で不在の西村先生でしたが、プロジェクターで登場。帰りの会で皆で見た後、

帰りの会の一コマです。

運動会で行う体操の振り付けを西村先生が考案してくれました。出張で不在の西村先生でしたが、プロジェクターで登場。帰りの会で皆で見た後、

次の日から、

実際に踊っています。

実際に踊っています。

 

あのボルト選手の決めポーズあり、五郎丸選手のポーズありの、最高の仕上がりに大喜びの子ども達です。

あのボルト選手の決めポーズあり、五郎丸選手のポーズありの、最高の仕上がりに大喜びの子ども達です。

西村先生が送ってくれた動画の音響が小さ目で、静かに踊ろうとする子ども達が印象的でした。

そして、

森口先生の〝カブトムシ実験〟でカブトムシの子ども達の接し方が変わってきたこと、

森口先生の〝カブトムシ実験〟でカブトムシの子ども達の接し方が変わってきたこと、

こちらは2016年8月16日生臥竜塾ブログ研究発表『甲虫①』の中で森口先生が報告されていますので、ぜひお読みください♩

(太字をクリックするとこの回のブログにとびます。)

更に、

小松崎先生考案の、

小松崎先生考案の、

 

〝絵本貯金〟絵本の金額をあげているのは、その金額分の知識が身についたという証。絵本マイスターを目指して毎日絵本貯金に取り組んでいる子ども達です。

〝絵本貯金〟絵本の金額をあげているのは、その金額分の知識が身についたという証。絵本マイスターを目指して毎日絵本貯金に取り組んでいる子ども達です。

この取り組みで、例えば初めての歌を歌う時、歌詞を大きく書いて見せると、初めての歌にも関わらず歌詞を目で追いながら歌おうとし、すぐに覚えてしまうといった姿が見られるようになりました。子どもって本当にすごいと思います。

そして、最近おやつの際にお茶やジュースだけを飲んですぐに遊びに行ってしまう子が多かったことを受けて、西村先生が「皆が食べないならニッシーが全部食べちゃいます。それくらい美味い!」と大きな一口で食べて(笑)〝食レポ〟をしてくれたこと。

それに伴ったクラスの先生のナイスアイディア!

それに伴ったクラスの先生のナイスアイディア!

 

ハートおにぎり効果で、見事全てのおにぎりが完売(?笑)したこと。

ハートおにぎり効果で、見事全てのおにぎりが完売(?笑)しました!

調理の先生にも喜んでいただけました♩

最後に、最近改めて流行りを見せていた玩具について紹介させていただきました。

この玩具です。

この玩具です。

 

一つで見るとこのように見えます。

一つで見るとこのように見えます。

 

とんぼの目のようなキラキラとした不思議な世界です。

とんぼの目のようなキラキラとした不思議な世界です。

 

こんな風にして(笑)楽しんでいました。どんな世界が広がっているのでしょうね。

こんな風にして(笑)楽しんでいました。どんな世界が広がっているのでしょうね。

 

次回から、職員室、調理室、そして各クラスと写真を通して最近の様子を伝え合いたいと思っていますので、お楽しみに!

そして、4.〝おしゃべりタイム(ディスカッション)〟は、5つのお約束を基本姿勢として、小グループに分かれてトークを展開していただきました。

次回、その様子と内容を報告させていただきます。

(報告者 加藤恭平)

 

ちょっと変わった職員が報告する勉強会〜園内研修編〜 EPISODE 1

先日(2016年8月31日)の園内研修の模様をお伝えします。

当日の流れです。

1.乾杯

2.おはなしタマゴ(自己紹介)

3.クラス報告

4.おしゃべりタイム(小グループに分かれてのディスカッション)

5.まとめ

先ずは、集まっていただけたことがお祝いです、ということで(笑)皆で1.〝乾杯〟からスタート!

2.〝おはなしタマゴ〟を引いていきます。

2.〝おはなしタマゴ〟を引いていきます。

前回報告させていただきましたが、今回も〝昨日寝た時間は?〟〝コーヒー派ですか?紅茶派ですか?〟〝朝、どうやってテンションをあげていますか?〟などなど、ざっくばらんな内容が入っていました。「学生時代コーヒー屋さんでアルバイトをしていたので、コーヒーが好きです」「お茶の時間になると毎回分量も氷の量もきっちり計算をして最高の状態のコーヒーを飲んでいます」「自転車に乗りながら口角を上げてテンションをあげています」などなど、面白い回答をたくさんいただきました。

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そして、忘れていけないのは、その回答について、ツッコミ(?笑)のように盛り上げてくれる先生がたくさんいることです。特に新宿せいが保育園はベテランの先生がその役割を担って下さいます。終始楽しく、和やかで笑いの絶えない園内研修ができるのも、ベテランの先生を始め、参加して下さった先生方の〝盛り上げよう〟とする心遣いの賜物である、という思いがします。

3.クラス報告では、各クラスの職員が最近の保育の様子をプロジェクターの写真を通して伝え合います。各クラスが今どんなことに取り組んでいるのか、子ども達はどんな遊びが流行っているのかなどを共有することで、早番や遅番でクラスに入る時、また見学者の方に質問をされた時など、参考になるものがあるのではないか、という意味合いを含んでいます。

今回はちっち組(0歳児クラス)、にこにこ組(2歳児クラス)、わいらんすい(3・4・5歳児クラス)の職員が行いました。

ちっち組(0歳児クラス)

クラスの先生考案の〝ちっちおもちゃアイディアLINE〟。

ちっち組の先生考案の〝ちっちおもちゃアイディアLINE〟。

ちっち組の玩具をLINE上で発案し合い、製作していきます。

その中からこちらの玩具が紹介されました。

その中からこちらの玩具が紹介されていました。

 

子ども達に大人気ということです。

子ども達に大人気ということです。

玩具の製作をLINEで共有することで、アイディアはそこにまとまりますし、平素思いついたものをすぐに提案できる機会というものを意図的に作り出しているクラスの先生方の工夫に関心してしまいます。

↑このような形で、各クラスの報告を紹介していきたいと思います。

この度の報告、毎回何編かに分けて丁寧に書き上げていこうと思います。

次回報告にて、にこにこ組(2歳児クラス)、わいらんすい(3・4・5歳児クラス)の報告ををお伝えします。

(報告者 加藤恭平)

ちょっと変わった職員が報告する勉強会

今年度、『省楽塾』という勉強会に取り組んでいます。

今更言うことではないのですが、僕は新宿せいが保育園の先生方が大好きです(照れ笑い)

今まで色々な職場を経験してきたように思うのですが、こんなにも楽しい職場があるだろうかといつも思っているというのが正直な気持ちで、臥竜塾生の柿崎先生と外へ食事をしに行くと、決まってそんな話題になります。時に二人して目頭が熱くなる程の思いに駆られるのは、藤森先生を始めとする先生方の日々の優しさや、保育への情熱を改めて感じる気持ちになるからだと思います。

そんな喋りだしたら中々止まらない長々とした思いを、頷きながら聞いてくれる何とも寛大な(笑)同期、後輩に恵まれ、新宿せいが保育園職員遠藤先生、片ヶ瀬先生、石田先生、金塚先生、郡山先生に限りないご協力を仰ぎ、会の進行からそのプログラムの内容までを考えていきました。

これは3月に行われた時の写真です。

これは3月に行われた時の写真です。

それでは簡単に会の流れをお伝えしていきます。

先ずは、多くの方々に集まっていただけたことがお祝いだね、ということで〝乾杯〟からスタートします。

これは6月の回の写真です。飲み物はもちろんジュースです(笑)

これは6月の回の写真です。飲み物はもちろんジュースです(笑)

飲み物を飲みながら、お菓子を食べながら会を進行していきます。

〝おはなしタマゴ〟と呼ばれる特製のタマゴを引いていただきます。

これは7月の回の写真です。〝おはなしタマゴ〟と呼ばれる特製のカプセルを引いていただきます。

中には、〝休みの日は何時まで寝ていますか?〟〝趣味は何ですか?〟〝携帯のキャリアはどこですか?〟(笑)などざっくばらんで取り留めのない質問が書かれた紙が入っています。それが意外と話の種となり、〝アイスブレイク〟(初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法)として活躍してくれています。

4月の回には西村先生のお父様であり、長崎県にあります〝みのり保育園〟の園長先生である西村先生にご参加いただきました。

4月の回には塾生西村先生(以下ムネ先生)のお父様であり、長崎県にあります〝みのり保育園〟の園長先生である西村先生(以下西村園長先生)にご参加いただきました。

ムネ先生の引いたタマゴが〝名前の由来を教えてください〟というもので、それについて西村園長先生直々にご回答いただくという、何とも思い出深い回になったことを思い出します。

そして、

柿崎先生特製アヒージョです♩

柿崎先生特製アヒージョです♩

自己紹介が終わると、次は柿崎先生によるお食事のおもてなしのコーナーがあります。このコーナーの料理を石田先生が〝スパークリングディナー〟と名付けてくれました。何とも気持ちのいい名前で、〝おもてなし スパークリングディナー〟として、来てくださった方に提供しています。別の回では、

ラタ・ギョーザです。中に柿崎先生特製ラタテューユが入っています。美味!

ラタ・ギョーザです。中に柿崎先生特製ラタテューユが入っています。美味!

 

オリンピックイヤーにちなんだブラジル料理〝パステウ〟です♩

オリンピックイヤーにちなんだブラジル料理〝パステウ〟です♩

などなど、毎回異なる料理にチャレンジしてくれる柿崎先生です。

毎回好評をいただいています。

これは7月の回の写真です。毎回好評をいただいています♩流石柿崎先生!

食べながら会を進行していきます。

そして、〝MIMAMORU NEWS〟のコーナーへ。

そして、〝MIMAMORU NEWS〟のコーナーへ。

以前はこの時間に藤森先生の本を紹介していました。

〝MGM〟はMarketing General Manager、マーケティングをする偉い人というようなニュアンスです(笑)

〝MGM〟はMarketing General Manager、マーケティングをする偉い人というようなニュアンスです(笑)

藤森先生のサイン入り(名前をご記入いただきたい方は後日郵送)という何ともプレミアムな特典付きで、回の度に、ご購入希望をいただきとても有り難い思いがしました。

今はこのように〝ポップ〟をつけて、

今はこのように〝ポップ〟をつけて、

 

今は物販として置かせていただいています。

物販として置かせていただいています。

その時間を〝MIMAMORU NEWS〟と題し、新宿せいが保育園の職員が考えた現場目線での保育の発信の時間とし、プロジェクター、パワーポイントなどを使って発表をするコーナーにしています。

すくすく組(一時保育)担任の片ヶ瀬先生が担当の回では、一時保育という条件の中でも見守る保育が実践され、子ども達の中に芽生える自制心にスポットを当てた発表をし、反響をいただきました。

そしてこの後、僭越ながら僕も、藤森先生のブログや最近読んだ本の話など、何かお役に立てることがあればという思いで、少し話をする時間をいただいています。

 

そして、休憩を挟んで、〝おしゃべりタイム〟です。

そして、休憩を挟んで、〝おしゃべりタイム〟です。

小グループに分かれて、ディスカッションを行います。そこで生まれた話はその後簡単に発表していただき、皆で共有します。

おおまかではありますが、会の全体像は、このような形です。

今日に至るまで4回程行い、その都度改善し、〝見守る保育〟という素晴らしい保育を現場目線で発信していくと共に、新宿せいが保育園で働きながら感じる、人と人、職員と職員とがつながって保育をすることの楽しさを多くの方々と分かち合う機会となれるよう、また、この機会を、見守る保育を実践されている園の方のみならず、幅広く多くの方々と共有することができたらと、思っています。

そんな僕も先月二児の父となり、また、この勉強会を発展させ、継続していく上での姿勢を見直すきっかけを多くの方々からいただき、8月より園内研修を実施させていただく運びとなりました。

打ち合わせを午睡の時間に行っています。この時間にできるのもクラスの先生方の協力があってこそです。本当に感謝です。

打ち合わせを午睡の時間に行っています。この時間にできるのもクラスの先生方の協力があってこそです。本当に感謝です。

次回の報告にて、8月31日(水)に行われた園内研修の模様をお伝えします。

(報告者 加藤恭平)

君の声を聞かせて〜雲をよけ世界を照らすようです〜

片づけオリンピック午前の部(?笑)を終え給食の配膳へ向かう子ども達です。

 

決めのポーズも決まっていますね。

決めのポーズも決まっていますね。

すると、配膳へ向かう子ども達から嬉しそうな声がしました。

見るとこのようなテーブルの配置になっていました。

見るとこのようなテーブルの配置になっていました。

 

ちなみにいつもはこんな感じで、この上にテーブルクロスをかけます。

ちなみにいつもはこのような具合でこの上にテーブルクロスをかけます。

小松崎先生に聞くと、〝ある子がいつものような元気がなかった。何か楽しいことはないかとテーブルの位置を変えることを提案してみた。すると瞬く間に元気になり(笑)次々にアイディアが出てきて、この机の並びになった〟とのこと。

藤森先生のブログで読んだ〝参画〟の言葉を思い出しました。

11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年7月29日『ドイツ報告3』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝ミュンヘン市が、1997年、子どもの権利条約の採択を受けて、市長はじめ、子どもに関するすべての行政職員、ボランティアみんなで検討して取り組むことに決めた課題です。そして、バイエルンという保育指針のような幼児教育が取り組む課題として、この「参画」が書かれることになり、デモクラシーについて、考えていこうということにしたのです。そして、この参画に取り組むようになった経緯としては、子どもにとって最も効果的な学びととは、子どもに興味関心を持たせることにあり、そこには個人によっての個性があるために、参画という考え方をすることになったと言います。

 参画の例としてあげられているのは、例えば、食事について、子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利があるというようなこととか、どんな遊びをしたいか、新しい遊具を買うときにも、子どもたちによる投票によって決めます。また、買い物に行くときなどは、各グループから代表が選ばれ、彼らのよって提案されます。このような参画の内容については、それぞれの園によって子どもと一緒に、また保護者とも一緒に決め、均一はないと言います。〟

子どもの提案からそれを実現へと導いた小松崎先生のアプローチは、参画の考え方に沿うものであるように感じられました。

そして皆でいただきます!

そして皆でいただきます!

面白い発見がありました。

この席や、

この席や、

 

この席。

この席。

 

子どもが考えた配置なので無理が出てくるのですが(笑)そこをうまくよけたり、避けたりしながら食べています。

いつもは2席が丁度のこの席に(笑)

いつもは2席が丁度のこの席に(笑)

 

このテーブルは6人(笑)

このテーブルは6人(笑)

 

ここに至っては7人(笑)

ここに至っては7人(笑)

テーブルの下の子ども達の足はほとんどが椅子の下に引っ込んでいて(笑)そんな風にして気を配っている子ども達がとても可愛く思えました。

そんな姿を笑いながら見守るクラスの先生方に、改めてクラスの先生方の素晴らしさ、職場環境の素晴らしさ、そして保育の可能性を感じるこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

ラッキープール 〜こうして面白い遊びを これからも探すでしょう〜

先日から、改めて臥竜塾ブログ〝リーダー論〟のカテゴリーに上がっている回のブログを読み返しています。

胸がわくわくします。本当に面白く、勉強になります。臥竜塾ブログの右側に検索欄があり、そこに〝リーダー論〟と入れても読むことができますし、下にスクロールしていただいて、『カテゴリー』の欄の中の〝リーダー論〟をクリックしていただいても読むことができます。

保育者であれば、職場でリーダーとしての立場にいないと感じられている方にも必見の内容で、というのも「保育者は子ども達にとっては時に遊びをすすめるリーダーでもあるよね。」との藤森先生のお言葉の通りで、日々の保育に直結した、臥竜塾ブログファンにはたまらない(笑)項目だと思っています。

例えばこんな回があります。

『臥竜塾』ブログ2013年3月12日『ユーモアとコンピテンシー』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝有効的なユーモアは、後で考えればつまらないジョークでも、張り詰めた空気の中で笑いや微笑みを誘うことができれば、それで十分だと言います。それは、「笑いを誘う」というよりは、「場を和ませる」ということなのでしょう。そのために、私は空気を読む力と、瞬時にその場に必要な空気を感じる力が必要だと思っています。〟

〝こんな調査があります。役員の中からリーダーの地位に昇進する者を選ぶための面接で、どの役員が面接中に何度笑いを取ったかを記録し、誰が二年後に優秀なリーダーになったかを追跡調査しました。その結果、優秀なリーダーになった役員は、平凡な役員の二倍も面接官を笑わせていたことがわかったそうです。

 そうしてみると、優秀なリーダーは、緊迫した状況に置かれたときでもユーモアを忘れず、その場の空気を変える前向きなメッセージを送っていることがわかったのです。〟

優秀なリーダーの定義のような、そんな言葉に出会うことができます。

そんなことを頭の片隅に置きながら保育にあたると、すると先日こんな場面に出会うことができました。

一番右、輝く映るは我らが誇るベテラン先生です。

一番右、輝く映るは我らが誇るベテラン先生です。

子ども達が熱狂して見ているその視線の先には、

わかりますでしょうか。

わかりますでしょうか。

 

滝!(笑)

滝!(笑)

大喜びの子ども達です。

時々入浴剤を入れてみたり(笑)

時々入浴剤を入れてみたり(笑)

 

こんなに面白いことをしていたら、それは自然子どもも大人も集まりますね(笑)

こんなに面白いことをしていたら、それは自然子どもも大人も集まりますね(笑)

このような先生の傍で働くからこそ、僕達も面白いことをやってみよう、これはどうだろうと色々と考え、実践してみようとする気持ちになるのだと思います。

何より、滝をつくったりと遊んでいる先生が誰よりも楽しんでいるようにも感じられます(笑)

ユーモア。遊び心。誰しもが持っている感性を自然なままに表現できる環境程素晴らしいものはないように思われます。改めてこの環境で働くことのできる今に感謝の気持ちが湧いてくると同時に、自分もまた、そういうリーダーになりたいと思うこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

everyday, marshmallow day!!! EPISODE FINAL

 

「おかわりくーだーさい。」

「おかわりくーだーさい。」

 

早速何人かの子がおかわりに来ました。面白かったのがその殆どがわいわい組(3歳児クラス)の子でした

年齢別で考えることではないとは思いながら、やはり幼い子には我慢することや、先の見通しを持つこと、また、保育者が大勢の前で言ったことを理解することというのは、簡単なことではないのかもしれません。

そんな中、面白かったのがらんらん組(4歳児クラス)の子達で、

二人で手遊びを始めました。

二人で手遊びを始めました。

 

「もうすぐ麺が来るんだよー。」このボーダーの男の子はおかわりに来る子に話しかけ、自分の気持ちを逸らしていました。

「もうすぐ麺が来るんだよー。」このボーダーの男の子はおかわりに来る子に話しかけ、自分の気持ちを逸らしていました。

11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2014年5月6日『動機』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝ミシェルが行った「マシュマロ実験」はいろいろと面白い結果が出ました。(中略)この実験で最良の結果を出した子どもたちは、気を逸らす方法を独自に考え出していたのです。一部の子どもは実験者が戻ってくるのを待つあいだ、ひとりでしゃべったり歌ったりしていたのです。

 私の園でも、いろいろな場面で子どもたちは「待つ体験」をします。子どもたちは、待つことができるように様々なことを考えます。友達とおしゃべりをする、手遊びをするなどです。〟

まさにブログに書かれている通りで、子ども達は独自に気を逸らす方法を考え出していました。

そして調理の先生登場!

そして調理の先生登場!

 

〝待つ〟ことを見事達成した子ども達です。

〝待つ〟ことを見事達成した子ども達です。 

『臥竜塾』ブログ2016年8月13日『運命か?』の中にはこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝ミシェルは、子どもでも大人でも自制心を育むことは可能で、前頭前皮質を意図的に使ってクールシステムを活性化させ、ホットシステムを調整できると言っているのです。

 彼は、これを可能にするスキルがあれば、刺激にコントロールされることを免れられるので、その時々の衝動やプレッシャーの言いなりになる代わりに、自制を達成し、真の選択ができるのだというのです。

 彼は、現代科学が与えてくれる主要な教訓を挙げています。それは、私たちの脳の構造は、DNAと子宮内での発育によってあらかじめ運命付けられているのではなく、以前に思われていたよりも順応性があり、私たちは積極的に関与し、自らの人生をどう生きるかによって自分の運命を形作られるということを挙げています。〟

私たちは〝待つ〟ことを始めとした〝自制心〟という力を育み、鍛えることによって運命を、人生を切り開いていくことができる、ということです。

子どもの時からこのような環境で過ごすことの大切さを改めて感じると同時に、保育者としては子ども達にこのような力をぜひともつけて社会へ羽ばたいてほしいと思うところですね。

そして私たち大人も。より良い人生を手に入れる方法は目の前に広がっていたということを感じたこの度の出来事でした。

(報告者 加藤恭平)

everyday, marshmallow day!!!

 

空っぽのボールです。

空っぽのボールです。

 

皆に大人気絶品ミートソースがこの日の給食。配膳時に皆が〝いっぱい〟を言うので、あっと言う間に売り切れ(?笑)てしまいました。

 

おかわりしたい子に、と余っていた手付かずの麺お椀一杯分をボールに入れました。

おかわりしたい子に、と余っていた手付かずの麺お椀一杯分を優しくて可愛い職員がボールに入れてくれました。

調理の先生からは、「今おかわり分を茹でていますのでちょっと待っていて下さい」との連絡が。

ここで、皆に聞いてみました。

「ちょっとでもいいから今すぐおかわりしたい人は並んで下さい。そのかわりおかわりはちょっとです。」

「今調理の先生が麺を茹でてくれています。いっぱい食べたい人は待っていてください。」

「これマシュマロテストみたいですね。」と先ほどの職員が気付いてくれました。本当に、まるで、マシュマロテストそのものだと思いました。

11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年3月17日『実験結果』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〝マシュマロを一つ置いておき、食べないで待っていれば、あとでもう一つあげるといい、もしどうしても食べたければ、ベルを鳴らせばいいよと言って部屋を出たときにどのような行動をするかを観察したのがマシュマロ実験とか、マシュマロ・テストとか呼ばれるもので、ミシェルらが行ないました。これは、主に欲求を満たすこと(欲求充足)を、先に延ばすことが出来るかということをテストしたもので、自己抑制力とか誘惑に打ち勝つ力だとか、我慢をする力だとか、意志の強さなどに関係してくるものです。〟

今年度の成長展のテーマは〝自制心〟です。テーマが決まり、そこにスポットを当てると、こういう場面にすぐに出会えるような気がして、不思議ながらいつもわくわくします。

それは逆を返せば、子ども達が成長をしている機会、保育者や研究者がその対象にしたいと思えるような事象に、実は毎日は溢れていて、それに気づけないだけなのかもしれませんね。

さぁ検証の結果はいかに!次回報告します。

(報告者 加藤恭平)