文化的行動の伝承

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2019/4/17

わいわい組(3歳児クラス)に入園した新入園児が保護者と離れ、泣いていると、すいすい組(5歳児クラス)子が駆け寄ってきてくれました。

とても感動的だったのは、自然と寄り添ってくれたすいすい組の子たち二人は、同じようにわいわい組の時に自園に入園し、そして今泣いているその子と同じように、保護者との別れに泣き、そしてその頃のすいすい組の子たちにその涙を拭いてもらっていた子たちだったからでした。

2019年1月5日『文化的行動の伝承』の中でこう書かれています。

以前、ハリスは遺伝以外に文化的行動が古い世代から新しい世代へと受け継がれる方法が四つあると述べていました。そのうち三つはすでに却下されています。文化は親から子へと伝えられるものるではなく、移民を親にもつ子どもたちは仲間たちの文化を受け入れます。このことから、親の育児態度と子どもが親を模倣するというはじめの選択肢二つは排除されました。三つ目の選択肢は子どもたちが同一社会に属する大人全員を模倣するというものでしたが、これだと子どもの文化が親の文化と異なる場合には成り立ちません。そこで、ハリスは、「文化は子どもたちの仲間集団を通じて伝えられる」という結論に達しています。

これは、最初に私の見解を述べたものと同じ結論です。私はかねがね文化は子ども集団の中で伝えられていくものが大きいと考えているのです。これはハリスが提案する集団社会化説の中心的な考え方の一つでもあります。

こうしてまたこの子も、涙を拭う側へと成長していくのでしょう。

(報告 加藤)

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