成功と幸せ

2020/6/23 ぐんぐん組(1歳児クラス)の子たち

「これ○○くんのエプロン」なのでしょうか「やってあげて」なのでしょうか、こちらにエプロンを差し出す男の子に、

これ僕のだよ、と体を叩いてアピール

それじゃ、と、

やってあげようとするのですが、

できなくて、テーブルに

その子が自分でやることを見守る形に

2020年6月21日『成功と幸せ』の中でこう書かれています。

彼らは、「成功」「幸せ」ということをこのように定義づけています。「健康で、思慮深く、思いやりがあり、他者と関わって生きる幸せな子どもを育て、皆が他者と協力し、創造的で、自分の能力を存分に発揮する責任感溢れる市民となる」こととしています。また、「『超』一流の市民」とは、無為の二流に甘んじることなく、一流というブランドに惑わされることなく、誰もが様々な分野で「『超』一流」となって輝くこととしています。

では、どうしたら良いのかということで、そのカギとなる能力として、六つのCの力=6Csを提唱しています。それは、

Collaboration:それぞれの強みを活かし弱みを補い合う

Communication:対話によって互いが満足するストーリーを作る

Content:専門領域について熟知し直感が働く

Critical Thinking:根拠に基づき熟慮して上手に疑う

Creative Innovation:変革について大きなビジョンを持つ

Confidence:熟慮した上で失敗にひるまず挑戦し続ける

この六つの力を見ると、その中の1,2は、他人との関係が示されています。私たち科学と言うと、実験室に一人閉じこもって、試験管を振ると言うイメージがあります。しかし、ここには、1ではお互いに「補い合う」という人類の進化における特性である、協力する、助け合う、ということが求められています。また、2では、対話を大切にしています。もちろんこの対話は、言葉によるものだけではないかもしれません。そこには、共感など、心の問題もあるかもしれません。ということから、私は、これからの時代における本当の新しい生活様式、教育の目指す方向を考える上でのヒントがあるのではないかと思っているのです。

生活の中で育まれていけるよう、このような姿が生まれるよう、保育は考えられていかなくてはならないことを改めて思います。

(報告 加藤)

自尊心と地位

2020/4/2

新年度が始まってすぐの日、チームの先生もボーダーの服を着ていて奇跡を感じました。

このボーダー率の高さ

2019年5月11日『自尊心と地位』の中でこう書かれています。

親は子どもたちが仲間集団において好ましくない役まわりを押しつけられることを防ぐことはできないとハリスは言います。しかしながら、それをわずかでも起こしにくくすることは可能だと言うのです。親は子どもの外見を変えることはできると言うのです。子どもを可能なかぎり普通に、そして魅力的に見せることを心がけようと言うのです。外見はあなどれないと言うのです。「普通」とは子どもに他の子どもが着ているのと同じものを着せることと言います。

保護者の思いを感じるような朝です。

(報告 加藤)

発達中の脳にとって

暑く晴れた日中

ぐんぐん組(1歳児クラス)のこの子の姿の何に感動をして写真を撮ったかというと、この子、着替えたい、中で遊びたい、と意思表示をして中に入って着替えをして、したものの、やっぱりもう一度水遊びがしたくなって出てきたのです。

それを当たり前のように受け止める先生方の包容力に感動してしまいました。

2019年7月9日『発達中の脳にとって』の中でこう書かれています。

指導計画の必要性を論じる中で、児童中心保育への移行において、また、白紙論が否定されたことによって世界的に幼児教育における「生活」と「遊び」において指導という言葉が世界的に援助という言葉に入れ替わったことをきちんと捉えなければなりません。

また、脳の機能を拡大するために保育における質の高さが影響するという研究があります。イギリスの研究では、質が高い施設の共通点として、保育者と子どものかかわりに特徴があることがわかりました。その一つが、「保育者の子どもへのかかわりが温かく、応答的である」ことが示されています。この研究を受けてでしょうが、今回の保育指針の中で乳児保育において「愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要である。」と明記されています。また、1歳以上3歳未満の保育の中でも「温かく見守るとともに、愛情豊かに、応答的に関わり、適切な援助を行うようにすること。」と明記されています。

応答的援助、とはこのようなことを指すのではないでしょうか。

(報告 加藤)

自分たちにできること・・・

新型コロナの影響で各園、対応に追われている日々かと思います。

新宿せいが子ども園も原則休園という通達が来ており、各家庭に家庭保育をお願いして、

ほとんどの保護者の方が登園を自粛していただいている状況です。

 

在宅で仕事をしながら子ども達を見るのは本当に大変なことかと思います。

私も妻と交代しながら職場に行っていますが、やはり大変です・・・。

先日一日中、雨で外にも出れず・・・次男は長男との喧嘩で何回も泣かされていました。

 

新宿せいがとしても、保護者の皆さまに登園自粛をお願いするならば、

こちら側も家庭で保育ができるように何か手助けはできないか・・・

と園長先生が提案されたのを現場の先生たちが、こんな物を用意しました。

折り紙の折り方の説明書、塗り絵、人気のレシピを封筒に入れて各家庭に送らせていただきました!

 

私の息子たちもそうですが、どうしても家の中だと、すぐにテレビやyoutubeを見てしまいます。

全くダメとは言えませんが、やはりずっと見るというのは変ですし、

藤森先生が言われるように、使い方の問題だと思いますが、なかなか上手くいかないのが現状です・・・。

「ずっと見るのはダメ」と言う前に「これで遊んでみない?」「一緒にやってみない??」

と代わりの物を提案してあげることが大切です。

 

まだまだ今の状況がしばらく続き、家庭保育も続きますので、

先生たちは次の一手を考えていました。

「一週間遊べるものは何かな・・・」「〇〇ならいいんじゃない?そしたら園に来ても繋がって遊べるし!」

など悩みながら、楽しそうに考えていました!!

藤森先生が

「こういう時だからこそ、自分たちでできることを考えて、どんどんやっていこう!」

と職員のみんなに話してくれましたが、本当にそうですね!

ネガティブになっても仕方ないので、できる範囲で楽しんでいければと思います!(報告者 山下祐)

キャラクター・スキル、シンガポール報告10

2016年7月12日『キャラクター・スキル』の中でこう書かれています。

私の園では、年長児となると、さまざまな活動においての自己評価を多く取り入れています。子どもの活動を他者からの評価ではなく、自分自ら振り返る力を付けています。たとえば、お手伝い保育のあとの評価項目の中には、単に小さい子の着脱の手伝いができたとか、食事の介助ができたというだけでなく、「小さい子の気持ちに気づけたか?」というような、対人知性を育てるような項目があります。同じように、ぞうきんがけでは、「隣の部屋で寝ている二歳児に対して配慮できたか?」というような項目があります。それらは、行為そのものの評価ではなく、自分の心の中を見つめる評価ですので、自己評価にしているのです。同じようなものに、本を読んだあとの自己評価もあります。本を読み終わったら、その本の題名と同時に、その本が面白かったのか、普通だったか、つまらなかったという評価をします。これも、「対人知性」育むものですが、同時に自分の心を見つめる力、「心内知性」を育もうという試みです。

2019/5/28 お手伝い保育が始まりました

ちっち組(0歳児クラス)ぐんぐん組(1歳児クラス)の部屋

にこにこ組(2歳児クラス)

朝の会に参加させていただき、自己紹介をさせてもらっています。

用務を担当

多岐に渡る用務の活動をお手伝いします。

ちっち組(0歳児クラス)の様子

遠巻きから撮っているので、何ともなぁといった写真になってしまいます。

そこで先生方に撮影をお願いすると、

「一生懸命やっていましたよ」

「やっぱり思わず口が開いてしまうのですね」

2018年3月8日『シンガポール報告10』の中でこう書かれています。

子どもの様子は、世界共通であることを実感しました。何よりも説得力は、現場での子どもの姿なのです。しかし、私は、このような動画を見てもらう意図がもう一つあります。それは、そこに映っている子どもの姿ではなく、それを撮影している保育者の姿です。最近の動画は、以前のように思いビデオを回して撮る必要はありません。各々が持っているスマートフォンできれいに撮れます。では、どんな場面を、いつ、撮るのでしょう。それは、映っている子どもの姿、行動、それらを予測してスマホを子どもに向けるのです。どの動画も、撮り始めた子どもは日常のさもない姿です。見ていると、そのうちに子どものさまざまな姿が映っていくのです。それは、子どものことをよく理解し、子どもの行動を予測しないと撮ることができないのです。もしかしたら、それが「見守る保育」の基本かもしれません。

どちらの写真にも撮られた先生の意図、そのスキルの高さ、現場力のようなものを改めて感じる思いがします。

(報告 加藤)

思考方法

らんらん組(4歳児クラス)の子が散歩先で水遊びをしているのを見て、やめさせようと、声をかけに行きました。

「違うよ。魚の絵を描いてたんだよ。」

2014年12月22日『思考方法』の中でこう書かれています。

科学には、この非意識的思考が重要なのです。科学的というと、情緒的と正反対な世界のように思えますが、実は、そこにはかなり人間の能力の中で五感以外の感覚が必要のようです。「ははぁ、やっとわかった!」という、思いがけない解決を経験することがよくあります。そのとき、意識的な思考では思いつかなかった解決を、非意識的なプロセスが導き出したものなのです。このようなことを、たぶん、「ひらめき!」というのでしょうが、科学的思考の領域では、想像力と同じように、直観的な洞察力も大切なのです。解決すべき問題を見つけ出したり、解決方法の目星をつけたりするときに、なくてはならない思考法だというのです。「確かにね!」と同感します。理詰めで考えを展開していくと息づまることがあり、ふと、直観的にひらめくことがあります。

3月に入り、今年度も最終章に入ったように感じたある日、自分でも気付かない焦りのようなものがあったことに気付かされました。

焦らなくていいんだよ、と魚の絵が教えてくれているようでした。

(報告 加藤)

テーマのヒント

卒園式後のブラヘイジ

雪が降り、関東の桜が開花宣言をしたあの日、ブラヘイジへ。

コーヒーを飲もうと立ち寄ったお店の天井に

塾長より、「あれ、いいね。」「ドイツでは水の生き物をトイレに飾るんだよね。」

ということで早速購入。

そして園のトイレへ

「水に関係する装飾を増やすといいよね。」「ネットとか網とかかけるともっと雰囲気が出るかもね。」

2012年6月12日『テーマのヒント』の中でこう書かれています。

テーマに沿っていろいろな企画をするときに感じるのが、さまざまなアイディアが出る人と、なかなかアイディアが出ない人がいるということです。それは、生まれつきもあるのですが、それ以上にいろいろな経験をしているかどうかに関係してきます。それは、いろいろな場所に旅行に行くことも大切でしょうし、映画を見たり、本を読んだりすることも必要でしょうし、遊園地、デパートの子ども広場、地域の公園などに行くのもいいでしょう。もしかしたら、和風の居酒屋や、素敵な洋風のレストランにもヒントがあるかもしれません。私は、テーマが宇宙だった時に、夕涼み会の全体イメージでいいヒントがないかと思って、北九州のスペースワールドに行ったことがありますし、鳥がテーマの年には、野鳥公園にも行きました。私の子どもが小さかったころは、よく家族で地域のウォークラリーに参加していました。保育という仕事は、そんなことが、仕事のうちだということができる職業であることに感謝しています。

 しかし、いろいろな体験をすることが大切であるといっても、そこから感じ取る感性がなければなりません。何気なく見過ごしていることでも、そこにはヒントがたくさんあるのです。私は、職員と時間があるときには「ブラヘイジ」という、地域を歩く会を持ちますが、ただ見学して歩くのではなく、そこに保育のヒントがたくさんあり、それをレクチャーするという意図もあるのです。店のディスプレーを見て、「これは園の装飾に使えるね!」、しゃれたグッズの店に行くと、「これをあそこに置くといいかもね!」、ドイツに行ったときにも、園の見学だけでなく、店を見て歩くときにも、道を歩くときにも何かヒントがないかを探します。たとえば、ビアホールに入ったら、ビールの原料のホップが梁からぶら下がり、壁にはビールをかたどったリースがかけられています。こんな装飾を見ると、園での装飾の参考になります。それは、職業的「性」ではなく、職業的「楽しみ」なのです。

もっと鋭く、もっと楽しんでいかなくてはと思います。

(報告 加藤)

おたのしみ会の考察19

先月31日、雑巾掛けをしようと広がった部屋を見て、

「皆で大きなかぼちゃの絵が描きたい」とのことで、

外へ出て描いてみることに

どう描き始めるのでしょう。

子どもたちで話し合い、

順番に線を引いていくことになりました

次の子、

また次の子、という具合です

その後は塗りたい放題

「よく見たらかぼちゃってオレンジだけじゃないね」

「手がハロウィンみたい」

「(この絵の名前は)『ハッピーハロウィン』にすると、ハロウィン終わったら剥がさなくちゃいけないから、、」

『しあわせのかぼちゃ』に

ブログ『臥竜塾』2012年12月28日『おたのしみ会の考察19』の中でこう書かれています。

ここには担任の意図があるのです。おたのしみ会の出し物は、普段の子どもたちの生活、子どもたちの活動から取り出すのですが、その逆もあるのです。それは、おたのしみ会の出し物にし、その取り組みから、普段の保育の動機づけにしていくのです。子どもにつけたい力、子どもたちに取り組んでもらいたい活動を、おたのしみ会に取り組む中から、普段の保育につなげていくという保育もあるのです。

おたのしみ会で用いる装飾たちを子どもたちと作っていけたらと思いました。

(報告 加藤)

誤信念課題

「さすがすいすい(5歳児クラス)さん」

「昨年は◯◯ちゃんがよく気付いてやってくれてたよね」

職員同士の会話の元になったのは、

高く重なった食器を下ろしてくれたすいすいの子

今年もこのような姿と出会うことが出来、嬉しくなりました。

ブログ『臥竜塾』2019年9月4日『誤信念課題』の中でこう書かれています。

認知的共感は、自分と他人の状態が異なっていても、相手の立場、相手の視点に立てる能力ともいえます。心の理論は、その代表例だと言うのです。心の理論は、自分や他者の行動に対して、その背後に心の働きを帰属する能力です。

日々の生活の中の何気ない姿ですが、様々な要因がこのような姿へと繋がっているような気がして、今年も自然と生まれたこんな光景に思わず感動してしまいました。

(報告 加藤)

運動会の考察1

運動会が近付いてきました。

開会を告げる「はじめのことば」は、すいすい組(5歳児クラス)の子たちが言います。

予行前日

メモとって家で覚えてくる、とのことで

可愛いですね。

ブログ『臥竜塾』2012年10月14日『運動会の考察1』の中でこう書かれています。

小学校での体育という教科は、内容に書かれてるように、「次の運動を楽しく行い、その動きができるようにする。」すなわち「何々ができるようにする」という、できるようになることを目標に掲げ、その教科の中で行っていきます。それに比べて、幼児教育は、「自ら体を動かそうとする意欲が育つ」とか、「楽しさを味わい、…気持ちが育つようにすること」が目標となり、その手段として、教えるのではなく、「体験し」「様々な遊びの中で」「自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことにより」など、ある目的が決められて時間内でなく、子どもの遊び、生活の中で体験して得ていくものであることが書かれてあります。

日々の何気ないこのような体験の中でも運動会というものを感じ、味わっていくのでしょう。改めて保育は環境を通して行われるということを感じました。

(報告 加藤)