歌作り

前回の報告にも書かせていただきましたが、閉所式の際に卒所児の子どもたちが新宿せいが学童クラブへの贈り物として歌を作ることになり、もう1人の学童職員のご友人で、音楽プロデューサーをなさっている「堤晋一(つつみしんいち)さん」と堤さんがプロデュースなさっているParadi-Soulパラディーソウルの皆様に、歌作りにご協力いただきました。

完成した歌の歌詞がこちらです。

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新宿せいが学童クラブの歌

 

メロディを付けて聞いてもらえないのが残念ですが、とても良い曲となり、涙ぐむ方もいて、閉所式の締めにピッタリでした。

閉所式の数週間前に歌作りのために来所してくださり、子どもたちの学童での思い出や私たち職員へのメッセージを聞き出してくれました。

それを子どもたちが紙に書き留めてくれました。

その1部をご紹介させていただきます。

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学童の1日

 

これはその子なりの学童での1日を書いてくれたものです。

お泊り会など特別なイベントを思い出として書いてくれた子もいますが、このような日常も良き思い出です。

そして職員へのメッセージも書いてくれました。

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思い出とメッセージ

 

私たち職員は、閉所式後に見せてもらえたのですが、感動ものでした。

この場を借りて、お礼を言わせていただきます。

堤さん、Paradi-Soulの皆様、お忙しい中、素敵な曲を作ってくださりありがとうございました。

Paradi-Soulの方々のブログにも活動報告が掲載されているので、こちらもご覧ください。

http://ameblo.jp/paradi-soul/entry-12003726620.html

新年度に移り、学童は閉所してしまいましたが、子どもたちが新宿せいがと今後も関わりを持てる魅力的な制度をご紹介させていただきます。

それは、「SSS(スリーエス)」S(せいが)S(サポート)S(スタッフ)というボランティア制度です。

これは今年度からというものではありませんが、4年生以上になった卒所児や地域の数多くのボランティアの方々が利用してくださっています。

この報告を書かせていただいている本日も昨年度卒所し、4年生になった子どもたちが、私が今年度担当している1歳児クラスにお手伝いに数名来てくれました。

保育園のころから新宿せいがの見守る保育のもとで育ってきただけあって、頼もしいものです。

そして現在塾長のブログで「模倣」について書かれていますが、私たち職員の姿を模倣しながら1歳児の子どもたちと関わっている姿もありました。

今後もこのような関わりを続けて、お互いに刺激し合いながら学びを深めていき、子どもたちの成長を見守っていこうと思います。

(投稿者 若林)

閉所式

先週末に保育園の卒園式があり、その後に今年度で新宿せいが学童クラブが閉所するということで閉所式を催しました。

新宿せいが学童クラブが開所してから閉所までの8年間で在所していた子どもたちを呼び、大人と子どもを合わせて、総勢200名もの方々に参加していただきました。

私は新宿せいがに勤めさせていただいてからまだ2年しか経っていないため、現在の小学4年生までしか見覚えがないのが残念だったのですが、現在の高校1年生の子たちまで参加してくれて、初年度からの先生方にとっては、久々の再会となり、思い出話に花が咲いている様子でした。

式は約2時間行われ、メインは歴代の卒所児の子たちに前に出てきてもらい、代表の1人に学童での思い出等を一言話してもらいました。

その中で初年度の高校1年生の卒所児が面白い思い出話をしてくれました。

それは、初年度学童職員だった本多先生が頭を切ってしまった事件です。

思い出がたくさんあった中でのこのチョイス…

相当心配したことでしょう…

他の学年の子どもたちも自分の言葉で思い出等を話してくれました。

その話を聞いていると、子どもたちにとって新宿せいが学童クラブがどのような場所だったのか、改めて思い知りました。

現在の在所児の子どもたちは、数年後に新宿せいが学童クラブでの思い出を話してくれる機会があったら、どのような思い出を話してくれるのかと考えていると、楽しみに思えると同時に新宿せいが学童クラブで過ごす時間が残り2週間しかないという現実と向き合うきっかけとなりました。

残り2週間で何ができるかも重要なことかもしれませんが、私は今年度子どもたちと過ごしてきた1年間を一緒に振り返れる時間を作りたいと思っています。

また、参加してくれた保護者の方々や職員、そして子どもたちに「新宿せいが学童クラブへ一言」を付箋に書いてもらいました。

それがこちらです。

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新宿せいが学童クラブへ一言

 

学童職員として子どもたちと関われたのはたった1年ですが、これを見ると涙腺が緩んでしまします。

初年度からの先生方などの気持ちを察すると、尚一層涙腺が緩む思いです。

更に、私ではないのですが、もう1人の学童職員の方のご友人で、音楽業界でお仕事をなさっている方に「新宿せいが学童クラブの歌」を作ってもらい、なんと当日までお越しいただいて参加していただけた全員の前で歌ってくださいました。

次回の報告で作曲までの流れを報告させていただこうと思っています。

(投稿者 若林)

one more chance

先週の報告にも上がっていたのでご存知の方もいると思いますが、3月の初めに成長展と言う行事がありました。

 

保育園の行事の看板はいつも学童クラブの子どもたちが作っています。(そんな機会もこれで最後と思うと寂しい気持ちでいっぱいなのですが、、。)今回は「共感」がテーマと言うことで、共感と名前のついた絵を見て、そこから看板のデザインを決めていきました。

 

決めたデザインの絵には二匹の象がいて、いろんな色がきれいに描かれているものでした。

このデザインが決まった時、私の中ではいろんな色がある=難しいというイメージでした。

なぜかというと、クレヨンにしても、絵の具にしても色が沢山混ざると、黒っぽいあまりきれいな色とは言えない色になってしまうからです。そこを混ざらないように、きれいな色のまま、沢山の色を使う。そのためには、看板を作る子みんながその事を知っていなければなりません。小学生は図工の時間もあり、さすがにその事を知っているかなと思う所もあったので、とりあえず何もいわず子ども達だけに任せてみました。

 

大きな看板だったので看板本体、大きな象、小さな象という3つにわけて色塗りに取り掛かりました。

 

初めは、一番塗る場所が多い看板本体。

元のテーマの絵が柔らかいタッチだったことから、スポンジを使って絵の具で色を塗ることになりました。

なんとなく色が混ざると、汚い色になってしまうということがみんな分かるのか、一度色をつけた所は、乾いてからまた色をつける様にしていました。これなら大丈夫そうだなとみていると、その後手を使って描いたり、型紙を使ったりと色々と工夫をしていました。

 

また、別の日に今度は大きな象の色塗りをしました。

今回も大丈夫だろうと、そのまま任せて、後で見るのを楽しみにしていました。

ですが、出来上がった作品はものの見事にどす黒く、しかも色を塗りすぎて破れかけているところもあるという様子でした。

 

もっと早く気付けばよかったのですが、前回やった時はほぼ3年生ばかりだったのが、今回は1年生中心で3年生もいたのですが、1年生の色々やってみたい熱気に押されてという感じでした。

 

やるだけやって満足した子はいなくなり、残された何人かの子「どーするの?」という空気とともに、その作品を見ていました。私自身も「やったなー」と思ったのですが、何も言わず、大きな紙をもう一枚渡してみました。すると、1人だけいた3年生が、「じゃあこの絵(元のデザイン画)を見ながら、誰がどこをやるかいうね」と、1年生に指示を出し始めました。

そんな様子に1年生もやる気を取り戻し、再び看板作りに取り掛かっていました。今度は前回の失敗をみんな経験していたこと、そして全体を見てくれる人がいることで格段にいい作品になりました。そしてうまくできたことに満足したのか、元のデザイン画をベースにしながらも、そこにキラキラのまつ毛を付けるなどよりいいものに仕上げていました。

 

「失敗した時、何も言わずにもう一度チャンスを上げること」は子どもたちのよい経験にもなり、また周りを引っ張っていかなければと思う気持ちも芽生えるチャンスになるのですね。看板作りはこれで最後ですが、また別の機会に試してみたいと思います。成長展看板

 

(報告者 西田)

おわりの時間

保育園も学童クラブも、閉園、閉所の時間が近づくと、子どもたちの人数も減り、少し寂しい雰囲気を感じる時があると思います。子どもたちもそんな様子を感じているのか少しおとなしめな感じもします。

私は、わりとその時間が大好きです。

子どもたちの人数がいる時といない時で違ったアプローチができるからです。朝ももちろん、そんな場面があるのですが、朝は「まだお家にいたかった」という気持ちの子もいるのでこれもまた違う気がします。

そんな私の好きな時間に何をするかというと、他の職員が絶対しないであろうなと、いう遊びをします。

あまり書くと、次からできなくなってしまうかもしれないという恐れもあるのですが、、、。

例えば、保育園では最後の戸締り(部屋の鍵が開いていないかや、電気がついていないか)をチェックをします。よく子どもたちの中で行きたい子がいた場合に一緒に行きます。

私はその時に、懐中電灯を持っていく時があります。何をするのかというと、部屋の照明はつけず、懐中電灯の明かりだけで探検気分でチェックをしに行くのです。子どもたちは少し暗いため、みんなで密着しなければいけない感じや、いつもと違って見える様子にドキドキです。中には、3,4,5歳の部屋に飾ってあった自分の作品にびっくりしたり、床に何のへんてつもないおもちゃも、宝物に見える時もあります。

学童でも、子どもの数が少なくなった時にこっそり開いている大会があります。

それは卓球大会です。卓球と言っても、ちゃんとした台ではなく(ちゃんとした台もあるのですが)、机を二つ並べて、その間に少し高めのいすを挟んだ、テーブル卓球です。これがまたいい感じの高さ、広さなんです。ルールも、ラリーがしやすいように変更したり、また短期勝負になるたりと、自分たちで決めているらしく子ども達も子どもたちに大人気です。一つ欠点としては、お迎えが来てもなかなか帰れないという所です。

そんな楽しい時間ですが、他の職員もその時間に面白いことをやっているようです。

ある職員は、びっくり大会(お笑い大会)というのを開いているのを見たことがあります。どんなことをするのかというと、みんなが集まって座り、その中で面白いこと、特技を見せたい人が前にでて発表する。見てる人は、それを見て笑ったり拍手をするというものです。とてもシンプルなのですが、自分も発表しているからなのか、拍手や反応することの大切さを知っているようで、とても盛り上がっています。

朝早い時間、遅い時間、お昼寝の時間、と一日を通すと、子どもの人数が変わる時が多くあります。そんな時、子どもたちの環境としても、大きく変わっているわけで、そんな時間も楽しく、有益に過ごせるようにしていきたいですね。

まだまだいろんなことをやっている職員がいたり、楽しい過ごし方があったりすると思うので、また見つけたら紹介してみたいと思います。

(報告者 西田)

成長展(学童)

先週末の土曜日に新宿せいが保育園にて成長展が行われました。

学童でも1つブースを設けさせていただき、1年間を通しての子どもたちの姿、成長を主に写真とコメントを用いて展示させていただきました。

その学童ブースの中の展示で核となったものをご紹介させていただきます。

今年度の学童の子どもたちの姿や活動の中で最も濃いものを選びました。

それは、この生臥竜塾ブログに何度かに分けて投稿させていただいた「話し合い」です。

子どもたちは日々の生活の中で、月案会議の最中に「やってみたい」「やりたい」というヒラメキを私たち職員に、そして他の子たちに主張してくれました。

では、その「やってみたい」「やりたい」を実現させるにはどうしたら良いかと振ると、話し合いを行います。

今年度の子どもたちはこの話し合いの姿がとても多く見られました。

その姿を四季に沿って色別に分けて展示したものがこちらです。

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ヒラメキの発展

 各色の付箋は、子どもたちにこの話し合いで思ったこと、感じたことを書いてもらい、学年を色別に分けました。

青:1年生 黄緑:2年生 オレンジ:3年生 ピンク:職員の意図する思いとなっております。

そしてその話し合いが発展し、活動となった展示がそのすぐ右にありました。それがこちらです。

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活動~振り返り

 

そしてその活動を子どもたちと一緒に振り返り、次のヒラメキの誕生に発展したりして次の活動に活かしていきます。

この一連の流れは、職員から子どもたちにおろしていったのではなく、子どもたちの自発的な取り組みです。

これを1年間通して経験してきた子どもたちが単純にすごいなと思ったということと、この経験が今後の子どもたちにとって大きな財産になったと確信できる思いです。

「やってみたい」「やりたい」というヒラメキを実現するために話し合い、活動に移し、振り返りを行って、次に活かす。

それがわかりやすい活動例があります。

それは「先生をやっつけろ」という活動で、先生1人対子ども複数人で行う、マットの上で先生を倒すというイベントです。

そのイベントを行うためにはという話し合いで、先生の誰を呼ぶかを決め、アポをとりにいきます。

そしてイベントを行い、その後に振り返りを行います。

倒せた先生は良しとして、倒せなかった先生に対してはなぜ倒せなかったのかをみんなで考え、作戦を練って次に活かします。

このイベントは昨年度もあり、私も呼ばれたことがありますが小学校低学年の子たちと言えどとても手強く、ハードでした。

この「先生をやっつけろ」は今年度も2回行っていて、1回目は何とか耐えることができたのですが、2回目には倒されてしまいました。

それは振り返りを行った際に新たな作戦として、「足を抑えれば倒しやすい」と1人の子が提案したことによって生まれたことが1番の要因です。

その発案者の子に聞いてみたところ、活動中に考えながら行っていたら思い付いたと言っていました。

もし、振り返りの機会がなかったら、その子は自分の中に留めておいたままだったかもしれません。

ここからも振り返りの大切さを改めて知ることができます。

しかし!

その案を持ってしても勝てない相手がいます。

それは、強く子どもたちの憧れである通称「長男」であり、我らが臥竜塾の塾頭の山下先生です。

そんな山下先生にどうしても勝ちたくて、毎度挑戦するものの勝てていません。

そんな学童の子どもたちの学童での生活も残り1ヶ月を切りました。

現在子どもたちは、「もう1度先生をやっつけろをやりたい」「長男を倒したい」と息巻いています。

今後山下先生のご予定を聞き、最後の「先生をやっつけろ」が催されることでしょう。

(投稿者 若林)

ブーム

最近の学童ではアイロンビーズが流行っています。

(アイロンビーズとは、熱で溶けるカラフルなビーズを、型にそって並べて、それをアイロンで溶かして作品を作るものです。)

 

ブームのきっかけは、みんなで作ったものを景品にしてのビンゴ大会をするということでした。

その景品のために、アイロンビーズの作品を作り始めたのですが、始めは子ども広場やホールと言った運動遊びに行かった何人かの子が作っていました。ですが、その子たちがあまりにも熱中してやっている様子に、だんだんとその輪が大きくなっていき、色んな子が途中から競い合うように作品作りをしていました。

「その色いいね」「ここはこの色の方がいいんじゃない」「先生、見本の写真見せて!」などその楽しそうな様子に私も少しだけ一緒に作ってみました。ちいさなビーズをつまんで、型にはめるのが難しく、専用のピンセットが一つだけあるのですが、それを使っている子に思わず「そのピンセット貸して~」と叫んでしまいました。

ですが、他の子どもたちは、そんな難しさも関係ないようで、自分の作りたいデザインを手で何度も何度も直しながら作っていました。集中している時は、そんな難しさもなんとも思わないのですね。逆を言えば集中が出来る環境があれば、難しいこともできてしまうとことです。この辺りは、塾長のゾーンの話を参照して頂いたいのですが、今回おきているブームのなぜ起きたのでしょうか。

私の中では

1つは、自分たちで企画したビンゴ大会の企画だったということ。

2つは、すっと集中してやっている子がいたことが、他の子の興味を深めたこと。

3つは、うまく作ったものが、他の誰かのプレゼントになるという楽しみがあったこと。

 

細かいところはまだまだありそうですが、このポイントを見ると今回のブームには子ども同士の関わりが深く影響している気がします。

どの子がどんなことに興味を持っているか、そんなことが遊び環境の中にしっかりと取り入れられているか。そんな所を見ながら、その興味をつなげて大きくできるように心掛けていきたいと思います。   (報告者 西田)

暗証番号

学童では、1日の活動の一区切りとして17時になる前に一度子どもたちだけで集まり、夕方のゾーン決めとお部屋の掃除を全員で行っています。 その際に子どもたちのモチベーションを維持、向上させるために毎回掃除にかかるタイムを測定しています。 そこでタイムを測定する際に使っているのは、職員の携帯電話(スマートフォン)に内蔵されているストップウォッチ機能です。

そこに一部の子どもたちが興味を示した出来事を紹介させていただきます。 他の学童職員の方は設けていないそうですが、私は自分のスマートフォンに4桁の暗証番号を設定し、その暗証番号を入力しない限り、開かないように設定しています。 ですので、最初は私が暗証番号を入力し開けてあげるのですが、子どもたちが掃除を終えた時には画面が消灯し、開けられなくなっているのです。 それでは不便だと思い、1度暗証番号を解除したのですが、子どもたちが興味を示したので再び設けることにしました。

当初私が暗証番号を設定していたことに意図があったわけではないのですが、子どもたちは私たちの想像を超えたところに興味を示すものだとつくづく感じました。 今では掃除をする際の子どもたちの1つの楽しみとなっています。 私はやみくもに番号を打ち込んでも解除できないことを伝えました。 そしてその番号には必ず意味があることも。 そうなると質問の嵐です。 「先生の誕生日は何月何日?」「西暦は何年?」などある意味では私をより知ってもらう良い機会となったのですが、自分ネタではすぐにネタが尽きてしまい、最近では子どもたちの誰かの誕生日やその当日の日付、掃除をスタートした時間などこの取り組みを始めてから何十通りも行ってきました。 たまに自分でもわからなくなってしまうほどです…

今ではネタも尽きてきて、今度はあえて意味のない適当な番号にして、下3桁だけ教えてあげることにしました。 そこで子どもたちの中にこちらの意図に気付く子がちらほら出てきます。 こちらの意図に気付いていない子は0~9の数字を適当に押してしまうのですが、気付いた子は自分が何の数字を押したかを覚えて2回目、3回目に番号を選ぶ際に同じ番号を押さないようにしたり、中にはメモをとっている子もいました。

そこでつい先日に気付いた子が「10回に1回は当たる!」と言い出しました。 しかし、ここで終らないのが子どもたちのすごいところです。 「じゃあ教えてもらう数字が2つに減ったら、何回に1回当たるんだろう?」と考え出したのです。 これは数学の確率の世界ですが、以前塾長の書かれているブログの内容にあった「科学の心」に通ずるところがあると感じています。 子どもたちが発展させてくれたこの取り組みを大切に、今後も子どもたちと一緒に拡げていけたらと思っています。 (投稿者 若林)

話し合い2

以前紹介させていただいた話し合いに進展が見られました。

前回の話し合いでは、「ピクニック派」と「おもちゃもってきほうだい派」がお互いの魅力的な部分をプレゼンし、相対するグループの子の気持ちを動かすというディベート形式に似た話し合いを行いましたが、今回は全員で円になり、一円対話を用いたディスカッションを行いました。

前回の話し合いでほぼ意見がまとまりつつあったためか、今回の話し合いにはそれほど時間を有しませんでした。

比率では圧倒的に「ピクニック派」が多かったのですが、学童生活も残り少なく、どうしても学童におもちゃを持ってきて友達と遊びたいと譲らない子が数人いました。

今回の話し合いは、前回の話し合いを紹介させていただいた際にも書かせていただきましたが、片方のグループが納得をして、全員が1つの案にまとまるまで行おうと考えたため、正直今回の話し合いでもまとまらないかなと思っていたのですが、急に全員の意見がまとまる意外な案が飛び出しました。

それは、「両方の準備をしてきて、ピクニックに出かける前後で持ってきたおもちゃで遊べばいい」という最も中立でお互いの意志を汲んだ案でした。

前回までは、当日の天候次第でその日の準備を変えるところまで話が進んだのですが、その日だけの話し合いで結果を左右していたらこの2グループの意志を汲んだ柔軟な案には至らなかったのではないかと思っています。

冷静に考えれば出るような案でも1回限りの話し合いでは、話し合いがヒートアップすれば出る案も出ません。

これは子どもに限らず大人も同様ですね。

数人の友達と、もしくは1人でも冷静に考え直す時間が必要なのだと気付かせてくれた今回の話し合いでした。

塾長が書かれている臥竜塾ブログの1月27日「話し合いでの役割」に話し合いにおける注意点が書かれています。

「大人が気を付けなければいけないのは、子どもは質問の答えを言うまでに多少の時間がかかることがあるということを承知するということ」とありました。

今回正にその通りの経験ができた気がします。

前回の話し合いと今回の話し合いの合間は1週間以上ありました。

その結果が幸いし、この中立の案が出たのだと思えます。

前回、今回の話し合いは子どもたちにとっても私たち保育者にとっても良い学びとなりました。

今後残り少ない学童での生活であと何回できるかわかりませんが、今回のような有意義な話し合いの機会を時間と日にちにゆとりを持って設けていけたらと思っています。

(投稿者 若林)

シーソー

学童の子どもたちと近くの公園へ遊びに行った際に面白い遊びの発展が見られました。

シーソーの遊具がその公園にあり、女の子4人でその遊具で遊んでいた際に私が

「AちゃんとBちゃんよりCちゃんとDちゃんの方が少し下に傾いているね。」と言うとDちゃんが

「私はクラスで背の順が後ろから3番目だからAちゃんBちゃんCちゃんよりも重いの!」と言いました。すると背の順をお互いに言い合い、

「じゃあAちゃんとCちゃんを交換すれば同じになるってことじゃない?」とBちゃんが提案します。

その案に他の子が賛同し、再度チャレンジ。

しかし結果はあまり変わらず…

この日は全員で公園に遊びに来たのではなく、選択制にしていたため、他に女の子がおらず、男の子たちは鬼ごっこに夢中であったため、そこでこの遊びは終わってしまいました。

しかし、その後に4人で話し合ったらしく、その話し合いで出た答えを私に言いに来てくれました。

「背の順で○番目のEちゃんをAちゃんかBちゃんのところに入れれば同じになると思うの!だから今度この公園に遊びにきたらもう1回やってみる!」と言ってきました。

今回の遊びの発展に、私がかけた声かけは最初の1度きりで、その後のやりとりは全て4人の子どもたちだけでのものです。

私の1回の声かけでこうも遊びが発展するのだと保育者の声かけの重要性を感じたと共に子どもたちの探究心に驚いた出来事でした。

しかし、今回は背の順と体重が比例すると思い込んだ末の結論となってしまっています。

次回にEちゃんを交えてチャレンジした際、子どもたちはどのような結論を見出すのでしょうか。

楽しみです。

願わくは、同じにならず、再び子どもたちが考える機会となり、大人を介せずに子どもたちだけで背の順と体重は比例しないという結論に至ってくれたらと思っています。

そうなるとその後この遊びはどう発展するのでしょうか。

どう転んでも良い学びとなるよう見守り、時には子どもたちの探究心、好奇心を擽る声かけができたらと思います。

(投稿者 若林)

話し合い

今回も学童での子どもたちの話し合いの様子を紹介させていただきます。

今回の話し合いは、2月の月案を子どもたちが決める際に小学校で土曜に授業参観があるため、振替休日として平日に子どもたちのお休みがズレたことにより、2月中に1日だけ子どもたちが丸1日学童で過ごす日ができ、その日に何をするかで意見が割れたために行われたものです。

出た案は、夏休み等の長期休みの際に必ず月案に出る、電気製品以外のおもちゃを学童に持ってこられる「おもちゃもってきほうだい」と普段は距離的になかなか行くことができない公園に行き、みんなで遊んでみんなで一緒に青空の下でお弁当を広げて食べる「ピクニック」です。

この2つの案をめぐって2グループで話し合いをしました。

ちょうどその頃、塾長のブログに話し合いに関して書かれている内容のものが「話し合い」「ディベートとディスカッション」「話し合いでの役割」の3つがありました。

私たち学童職員間でも、現在学童で子どもたちが話し合う機会を多くとっている最中ということもあり、私自身とても勉強になりました。

今回の話し合いは、特に「ディベートとディスカッション」に書かれている内容のものとリンクする点が多くありました。

この内容によると今回の話し合いは、ディベートに近い話し合い形式となっています。

2グループが向き合い、真剣にお互いが出した案の魅力を伝え合います。

その際に意見が動いた場合、グループの移動は自由です。

しかし、「ディベートとディスカッション」にも書かれている通り、ディベートは勝敗が付き物となってしまいます。

ディベートは、第3者(ジャッジ・観客)をより説得できたかで勝敗が分かれます。

ですので、勝敗の区切りを付けないためにも、第3者(説得対象)を我々保育者にせず、お互いが説得対象者となり、第3者を設けない形で、片方のグループが納得をして、全員が1つの案にまとまるまで行おうと考えました。

結果を言ってしまうと、「ピクニック」側に心が動いた子が多かったものの、全員とまではいきませんでした。

ですが、天気が良ければ「ピクニック」、悪ければ「おもちゃもってきほうだい」という案が途中で出て、子どもたちもこの案がお互いの意見が両方共に尊重されるためか、意見が統合されました。

しかし、子どもたちの意志によりこの話し合いは現在も進行中です。

ホワイトボードを用意し、新たに出た魅力や案を書けるようにしました。

そこには新たな話し合いの題目となるような内容が書かれていました。

それは「天気の良し悪しは登所してから変わることもあるから難しいのでは」といった内容です。

今後この題目で話し合いの機会を設けられたらと考えています。

今回の話し合いにより意見は統合されつつあるので、今度の話し合いはディスカッション形式で行ってみようと思います。

ディベートに似た今回の話し合いでもグループ間で協力的な姿勢を見ることができましたが、全員が1つの題目に向き合い、ディスカッションを行うとどんな協力的な姿勢が生まれるのか、そしてそこからどんな案が出てくるのか、未知数ですね。

未知数だからこそ面白い!

今後の話し合いでの子どもたちの様子も今後の活動報告で報告させていただきたいと思います。

(投稿者 若林)