9/13 塾報告

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。そして初めまして。初めての塾報告をさせていただきます。令和5年度7月から臥竜塾に入塾しました、廣田優也(ひろたゆうや)と申します。この場をお借りして、簡単な自己紹介だけさせてください。今年度、新宿せいが子ども園に入職しまして、現在2歳児クラスの担任をしております。神奈川県出身で、好きな食べ物はラーメンと餃子、趣味は筋トレとサウナです。お勧めのサウナ、ぜひ教えてください!ということで、以降よろしくお願いいたします!

 さて、本題に入りまして、9月13日に行われました、ZOOMでのオンライン臥竜塾の報告をさせていただきます。

 園庭にとって必要なものは、広さではなく、質なのではないかという話や、これからの学校の教師は、ティーチングではなく、コーチングが求められるなどの興味深い話が多々あがりました。その中でも「運動」に関しての話が印象的でした。

 今月末に新宿せいが子ども園では「成長展~からだの育ち~」が控えており、この日は予行の第一回が行われました。その中で藤森先生から「運動を見直していかなければならない」というお話がありました。皆さんは跳び箱を覚えていますでしょうか。小学生、中学生の時、ひょっとしたら大学や専門での授業でも久しく行ったという方もいるのではないでしょうか。そんな跳び箱も最近は、小学校などで必要性が問われていると言います。跳び箱のような、障害物に手をついて飛び越えるという運動が、児童期に必要なのかと議論になっているそうです。跳び箱を行う目的として、日本大百科全書には「障害物を征服する運動である。跳び箱という障害物を跳び越すことにより、基礎的な体力、跳躍力、機敏性、身体支配能力の向上とともに、注意力、勇気、決断、自信などの精神要素の養成も目標にしている。」とあります。確かに、跳び箱の高い段数を飛び越えることで、強い達成感を抱いた記憶があります。段数という数字が課題としてわかりやすくあることで、「6段の次は7段だ!」というふうにステップアップ、成長する感覚を持ちやすいのかと思います。保育所、幼稚園、子ども園でも運動会や運動遊びに跳び箱を取り入れている園も多いのではないでしょうか。そこで藤森先生は、跳び箱の必要性を今一度考えるべきだとお話しされています。転んだ時に手を付くために必要という声もあると言いますが、そうであるならば「段数をどんどん高くしていくのではなく、低くしていくべきなのではないか」そんなお話もありました。大事なことは、「長年やっているから」という理由で行うのではなく、本当にその活動、行為は必要なのか、目的は何か、立ち止まって考えることなのではないかと思いました。今回は跳び箱が例に上がりましたが、保育の中で「毎年やっていることだから」と、目的を考えずに行われているものが多くあるように感じます。子どもたちの発達や特性に応じた保育というのを心掛けたいと、改めて考えさせられた内容でした。

 他にも、「園の設計図、図面を見て、自分たちならどうやって保育を行うか、どのような環境を設定するかを考えてみよう」というワクワクする新しい試みやYouTubeのサブチャンネルでのお話など、興味深いお話が多くあった、有意義な塾でした。

報告者 廣田優也

ZOOM画面

9月6日 塾報告

9月6日の塾報告を行います。

今回はオフラインでの塾でした。

この日はちょうど環境セミナーの最終日でした。

その中で見学された他園の先生方から山下たすく先生や森口先生への質問や相談された話などの共有がされて、改めて考えさせられることが多くありました。

その中でも環境セミナーでは、私自身も3歳児の担任で他園の見学されてる先生方から質問を受け、「給食の際の食器はなぜ陶器のものも使用されてるんですか?子どもたちが落として割れませんか?」尋ねられました。

確かになんでだろう…。と思い分からなかったので、近くにいた山下たすく先生に共有させていただくと、

「わざと割れるようにしてます。割れることで子どもたちも今後気をつけようと言う気持ちにもなれるし、割れた音はかなり大きいので、周りの子たちにもその意識ができると思うので割れるようなものを使用してます。割れることも子どもにとってもいい経験です。」と言うお答えでした。

普段保育していると当たり前のことでも、他園の先生方からの質問や相談を受けることで、普段気づかないようなことや気にしなかったことも気づくことができるので、私自身も学びとなるいい機会となり、まだまだわからないことばかりで改めてもっと見守る保育藤森メソッドを学んでいきたいなと感じました。

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また話は、保育者の番号について。

新宿せいがでは、保育者のその週の役割を番号で決めています。

1番はリーダーで2番はそのサブで…のように、決めることで役割をはっきりさせています。

その番号ですが、昔はなく阿吽の呼吸でやっていたところ父親保育のために番号を決めてやったのが今の保育者の番号に定着したとのことでした。

今のせいがは、番号を固定しながらもそれぞれの保育者が柔軟に動いてるとのことでした。

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わいらんすい組(3.4.5歳児)の番号。あくまでも参考です。

ですが、他園では、番号を決めることで意識し逆に回らなくなるということもあるそうです。

番号を固定することでそれ以外のことはやらないということもあるそうです。

確かに私も始めの頃に番号ってなんだろう?番号の仕事だけをやればいいのかな?と悩んでいる時期もありました。

その頃ある男の先生から「番号はサッカーのフォーメーションやポジションと同じだよ。」と教えていただきました。

「ポジション(ここで言う番号)はそれぞれ決まっているけれど、ディフェンス(守り)の選手が攻めている時はそのポジションを他の選手が埋めればいいし、セットプレーで高さが武器の選手がいたらその選手にお願いをして、そのポジションを他の選手が埋めればいいよね。それと同じで周りを見て臨機応変に動けばいいし、得意不得意はあるからお互いでカバーし合えればいいよね。」と言われたのを思い出しました。

サッカーが好きだったこともあり、それでいいんだとその頃とても納得できたのを今でも覚えています。

運動遊びで運動を教えることが得意な先生がいたら、他クラスでもその先生に教えてもらうようにお願いをし、その先生が抜けたところはほかの先生がはいったり、ほかにも音楽が得意な先生がいたら、朝の会の伴奏をお願いしたりと、お互いの得意不得意をカバーし合えばいいと教えていただきました。

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今回の塾では、普段当たり前にやっていたことや感じていたことを改めて思い出すことができ、また知らなかったことを聞くことができ、学びの多いとてもいい塾となりました。

これからも学ぶ姿勢を大切にし、様々の人に話を聞き初心を忘れずやっていきたいと思える時間でした。

他にも、

・日々の保育の話

・運動会に向けて

など様々な話をしたあっという間の塾でした。

報告者 伊藤

8月30日塾報告

8月30日の塾報告をします。

この日はオンラインでの開催となり、外部臥龍塾の先生方も参加されました。

内容としましては、「第2回全国実践研究大会in石川・富山」の報告になりました。

この研修を担当された西田先生は、「取りまとめ役としていろいろな準備や調整が大変でしたが、とても良い学びになりました。今後も石川と富山で交流を深めていきたい。」と仰っておりました。西田先生、お疲れ様でした!

西田先生が研修の内容を動画にあげておりますので、ぜひ、ご視聴ください!

〇第2回全国実践研究大会の動画について

第2回全国実践研究大会1日目① 藤森先生講演

第2回全国実践研究大会1日目② 雄谷先生講演

第2回全国実践研究大会2日目①実践発表AM

第2回全国実践研究大会2日目② 実践発表PM

この中でも、社会福祉法人佛子園雄谷先生の講演が印象的だったとありました。

佛子園さんは「ごちゃまぜ」と言い、高齢者、健常者、障がい者、地域関係なく、様々な施設で人とのつながりを大切にしているそうです。

施設内は誰もが利用でき、人と人とかつながるように、あえて通路を狭くしたり、目線が合うような高さの椅子や建物が見えるようにしたりと、工夫でいっぱいです。

また、温泉施設もあり、介護者とデイサービス利用者さんが一緒にお風呂に入ったり、職員の家族が施設の手伝いにいたりと、本当にごちゃまぜで過ごしているようです。

年間42万人の方がこの施設を利用しているそうです。驚きの人数ですね!

たくさんの人がいるということで、いつも問題は起きているそうです。しかし、「それもそれでいい。問題があることを前提に話し合いをしよう」という覚悟と多様性を受け入れているそうです。

そんなごちゃまぜを通して生まれる関わり。

その中に、首から下が麻痺してる重度の心身障がいの方に、認知症のおばあちゃんがゼリー食べさせようとしてくれていたのですが、手が震えてうまく食べさせてあげれません。しかし、それでも3週間続けていくうちにおばあちゃんが介助できるようになり、可動域が狭かった心身障がいの方が食べられるようになったそうです。

2年間リハビリをしていても首を動かすことができなかったこの方が、おばあちゃんに介助されたことで首が回るようになり、スタッフさんは驚いたそうです。

リハビリは何を目的としてするのかが分かりませんが、おばあちゃんのゼリーを食べたいという思いが首を動かす力になったそうです。

そして、この認知症のおばあちゃんもこの関わりを通して、「わたしがいないとこの子は死んでしまう」と元気に過ごしていたそうです。

専門家でもある介護スタッフでもできなかったことが、心身障がい者の方と認知症高齢者の方の関わりがお互いを変えていく。

そのことをきっかけに「ごちゃまぜ」の大切さに気づいたそうです。

私も雄谷先生の研修動画を見て、

保育をしていて、保育士ではできないことが友だちとの関わりを通して成長していく。できるようになる。そんな場面をたくさん見てきたこと思い出しました。

だからこそ、保育士と子どもという関係性ではなく、子ども同士の関わりを大切にし、子ども同士が関わることができる環境を作ることが重要だと再認識しました。

そして、健常者、障がい者、高齢者…そんな区別することなく、人と人とか関わることが自然になるような社会になることになってほしいなと思いました。

ぜひ、動画をご視聴ください!

報告者 佐野

6月14日 塾報告

投稿が遅れてしまいまして、申し訳ございません… 

6月14日の臥竜塾報告をさせていただきます。 

この日はオフラインでの塾開催となりました。久しぶりに森口先生のがオフライン塾に参加なさるということで、塾生勢揃いで塾が行えたことのうれしさを感じました。 

まずは以前行われた親子遠足についてのお話が挙がりました。 

今年の親子遠足では「STEM」をテーマとし、高田馬場生まれの科学の子として有名な「鉄腕アトム」が前面に出されていました。 

お話の中でアトムの名が出ると、藤森先生のほうから「アトムを見よう」とのお声が。 

ということで、鉄腕アトムの鑑賞会が始まりました。 

誰しも名前は聞いたことはあるかとは思いますが、意外にしっかりと見たことがあるということは少ないのではないでしょうか。自分もあまりじっくりと見たことはなく、よい機会となりました。 

今回見たお話は「ロボット競技大会」という回で、世界中のロボットがいろいろな競技を通して世界一を決めるという内容でした。5日間を通して2位となったアトム。ついに来た最終競技は、湖から水を汲んでくる速さを競うというもの。1位で水を汲んできたアトムでしたが、途中で山火事を見かけたアトムは汲んだ水で消火を行い、遅れてのゴール。負けたと肩を落とすアトムでしたが、この競技では山火事を見てどのように行動したかということが評価されていたのです。スピードやパワーだけでなく、美しい心を持つこと最高のロボットであるということで、無事アトムは表彰台に上がったのでした。 

ロボットなどの機械などにも、心が宿る時代が来るのですかね。AIの発展も目覚ましい昨今、なんだかフィクションでなくなる日もいずれやってくるのではないかと感じました。 

アトムを見て、藤森先生から興味深いお話が。 

イーロンマスク曰く、海外はロボットを侵略するものとしてイメージされることが多いが、日本は協同して作業するものとして捉えているとのこと。 

確かに、ターミネーターとドラえもんといったように、技術の発展に対する考え方の違いが作品などにも表れているのかもしれませんね。 

そういうことで、日本はChatGPTをうまく使える国だと思われているそうです。 

ChatGPTといえば、皆さんの中には一時話題になった論文作成ツールとしての使い方が印象に残っているかもしれません。 

藤森先生はそこで、ChatGPTに書類を作成してもらったらどうなるかと考えて、保育日誌を作成するようにChatGPTに指示してみたそうです。 

キーワードは「今日は晴れている、3・4・5歳児でおとめ山公園に散歩に行った、原っぱで遊んだ」と設定したそうです。木登りやボールで遊んだなどいろいろな内容が含まれており、想定していたよりも内容がしっかりしていて驚きました。内容が気になる方は、ぜひ調べてみてください! 

また、このChatGPTで作成した保育日誌を、新宿せいがの職員に見せて感想を聞いたところ、自分たちが行っている保育メソッドでは子ども同士のかかわりを大切にしているという特徴があるが、ChatGPTはそれを踏まえては書いてくれないのではないかと、声が上がったそうです。 

そのことを聞いて、確かに一般的に通じそうな内容ではあるが、見守る保育の視点で書くことはAIにはまだ難しいのかなと思いました。 
藤森先生もこのことをわかっていて、園独自の書類などに専念できるように、一般的な書類の作成などに使えないかと、作業の削減について考えていらっしゃいました。 

まだまだ発展途中な技術なので使用には注意を要しますが、なんだか可能性を感じるお話を聞くことができた時間でした。 

AIのできることが増えていく時代になってきていると思いますが、そんな中だからこそ、実際に人に触れ、かかわっていく職業の専門性というものが改めて重要になっていくのだと思います。保育士もその中の一つ、自分も見守る保育を現場で学びつつ、人・子ども同士が関わり合うことで生まれるものがないかと目を凝らして日々精進していきたいと思います。 

(報告者 太田) 

自由遊びについて(8月9日の報告)

夏ですね! 
小林純平でございます。
先日娘と学校のプール開放に行ってまいりました。
私は元来地黒で日焼けには強いという認識があったので
ラッシュガードといったものは身につけず、また日焼け止めクリームも塗らずに
2時間プールで娘と遊んでおりました。
すると肩がひどい日焼けに……!
真っ赤になってしまい、服の脱ぎ着をするだけでも強い痛みが走る状態になりました。
日焼けは本当に火傷だなと実感した次第です。
皆様も夏の日差しにはくれぐれもご注意ください!

さて今回は先日8月9日に行われた塾の報告をさせていただければと存じます。
この日はZOOMによる開催となっておりました。
私は娘の寝かしつけ等のため、参加が遅くなってしまったのですが
終始、中身の濃い議論がなされていたようでございます。

zoom画面

途中参加でしたが、その中で特に印象に残ったテーマは「自由遊び」についてです。
きっかけは他園にお勤めになられているある先生がされたお話からでした。
それは「園を卒業し小学校に上がった子ども達の中で、学校へ行きづらさを感じたり不登校になってしまったりしている子がいる」といったお話でした。そういった卒園後に学校への不適合を起こしてしまう子どもへの心配とともに、保育園での過ごし方にその要因の一つがあったのではないか、といったことを考えられていらっしゃるようでした。 
そういったお話に対して森口先生は「自由遊びの時間は十分にありましたか?」と質問をされていました。その先生は「十分にある」と答えられておりましたが、それに対して藤森先生は下記の旨を指摘されていました。
「自由遊びの中で子ども達は自分たちで相談したりルールを作ったりする。規模の小さい園では自由遊びといっても、保育士が全部見てしまい結局コントロールしてしまっていることがある。そういったことで育っていない部分があり、小学校で困っているのではないか?」といったご意見でした。またその後、藤森先生は「自由遊びにおいては、保育士が知らない部分や把握していない部分があってもいい」といったことも仰っていました。
また「規模の大きい園であると、一人の保育士が把握していなくとも、他の保育士がその部分を見ているということがある」とも藤森先生はお話になり、そのことから森口先生や佐野先生からご経験に即した共感の声が上がりました。

上記の議論は「自由遊び」について改めて考えるきっかけとなりました。
「自由遊び」とは何かと考えると、雲を掴むような話といいますか捉え所がないもののように感じます(遊びとはそもそも自由なものであって、「自由でない遊び」があるとしたらそれは本当に遊びと言えるのでしょうか?)。
例えば倉橋惣三は「幼稚園真諦」の中でこう言っています。
“自由遊びというのは、子供が自由感をもって遊んでいることを言うのですから、その遊びの内容について、特別のものを意味しているわけではありません。すなわち、ここで言う自由遊びということは、誘導保育案に誘い出されている保育と、必ずしも別なものときまってるわけではありません。どんどんかけまわっていることだけが、自由遊びで、何か製作しているのは、自由遊びではないということにはなりません。”
つまり倉橋は子どもが自由感を感じて遊んでいれば、それは自由遊びであると考えていたということでしょうか。倉橋は幼児による自由遊びを初めて重要視した日本人であると言えるものと思います。が、その保育理論である「誘導保育」の「誘導」という言葉には、子どものことは最終的には大人がコントロールすべきであるといったニュアンスがあるように感じます。
上記でいう「自由感」も子どもがそう錯覚させているだけで、結局は大人の手の上の「自由」ということであったとしたら、それは本当の自由遊びとは言えないように思えます。その点、今回の議論において藤森先生からお話頂いた「自由遊びにおいては、保育士が知らない部分や把握していない部分があってもいい」というお言葉は、自由遊びを考える上でとても重要なことだと感じました。

大切なことは結局のところ、子どもを信じる心を持つことなのではないかと思います。子どもを誘導する、コントロールするといった感覚ではなく、もっと子どもの持つ力を信じ、それを妨げないように接することが肝要なのではないかと感じました。
「見守る保育の三省」には下記の一文があります。
“子どもは、自ら育とうとする力を持っています。その力を信じ 子どもといえども立派な人格を持った存在として受けいれる事によって 見守ることができるのです。”
このことを胸に刻んでおくことが、自由遊びをする子どもへの接し方を考える上で最も大切なことなのではないかと思います。また「三省」することが如何に重要であるかということも、改めて実感させられた次第です。

報告は以上です! 
オブリガード! 
アディオス!
(報告者 小林)

7月26日塾報告

7月26日の塾報告を中村よりいたします。

突然ですが、この映画をご存知でしょうか。

2005年に公開された山崎貴監督の「ALWAYS 三丁目の夕日」です。

昭和33年の東京下町を舞台にした作品で、続編も公開された大人気作品。ご覧になったことのある方も多いと思います。

堤真一さんや吉岡秀隆さんなど豪華俳優陣が出演されていて、私も大好きな作品で3部作のBlu-ray BOXも持っていました。

戦後の人々の温かな交流描かれる人間ドラマで当時の日本の様子が鮮明に映されています。もちろん私はその当時を知っている訳ではないのですが、どこか懐かしさと貧しい中にも人々が心を通わす豊かさが大きな魅力です。

さて、話を塾の話題に戻します。

先生から話の中で、「アロ マザリング」という言葉が出てきました。母親以外の人が子育てをすることで母親以外の父親・祖父母・兄姉、そして保育士やベビーシッターなどの関わりもこれに含まれるそうです。そして藤森先生はこう話されていました。

「一昔前の子育ては母親だけではなかった。祖父母を含む大きな世帯や隣近所など地域の人々が関わって支え合い、そして子育ても地域でしていた」と。

この話を聞いたときに私の頭の中には先ほど紹介した映画「三丁目の夕日」の光景が浮かびました。

映画の中には自動車整備工場や駄菓子屋、たばこ屋など小さな商店街がメインの舞台なのですが、そこを子どもたちが行き来するシーンが出てきます。家庭用テレビが一家に一台以上普及する前の時代。プロレス中継や1964年東京オリンピックも近所のテレビのある家にふらっと行って見ていたそうです。今の時代では考えられませんよね。まるで近所の人たちが親戚のような印象さえ受けます。

子どもたちは周囲の影響を受けながら成長していきます。それが今の時代においては3歳児になるまでほとんどの母親と2人で過ごしている子も多くいます。

もちろんお母さんの愛情をたっぷりに受けて育つことはとても大切で必要不可欠です。しかし母親以外の影響を受けること。すなわち他者との集団生活の中で社会性や協調性、加減や自己制御も学び習得すると藤森先生は言います。

とはいえ、「三丁目の夕日」のように当たり前のように近所に行って…というのは現在においては難しいですよね。乳幼児期の子どもにとっての身近な集団社会。それが“保育園”なんだと思います。

「乳児の頃から保育園に子どもを預けることはかわいそう。」

私も周りからよく聞く言葉です。ですが保育園はただ子どもを預かるだけの施設ではありません。共働き夫婦が多いこの現代において、子育て支援の施設であることと同時に“乳幼児教育”の大きな役割を担っていると先生は言われます。決してかわいそうなんかではないのです。

子ども同士のコミュニティー形成そして保育士という両親以外の大人との関わり。この仕事のあり方や重要性を改めて実感しました。

そしてこの臥竜塾では日々“保育”について真剣に考え相談し、議論をする。そして藤森先生の考えや教えを吸収する。この日も他に、

・子どもの散策について

・西村先生からの石川富山の全国大会について

などあっという間の2時間でした。(報告者 中村)

7月19日の塾

7月19日の塾報告になります。

この日はまず、7月7日に園長先生の滋賀出張に同行した小林先生より出張報告がありました。

今回はののみちこども園さんでの保護者講演会、職員研修という内容だったようです。

その前に、少しだけ時間があったようで、園長先生と小林先生は龍谷ミュージアムに行かれたそうです。ミュージアムでは、智慧と慈悲についての話がとても興味深かったという話を先日園長先生から私もしていただきました。

内容に関しては、専門的なものなので誤りがあってもいけませんので、割愛させていただきますが、養老先生が言われていた「教養とは人の気持ちがわかること」という言葉が今回の藤森先生から聞いた智慧と慈悲の話と繋がっていて、自分の中ですごく腑に落ちました。

個人的には藤森先生と養老先生は私の中ではほぼイコールなのは、この場でも何度もしつこくお話しさせてもらっております笑。

また小林先生から、藤森先生の講演のメモを丁寧に紹介していただき、我々もどのような話をされたのか、その日の雰囲気をほんの少しだけ感じとることができました。

次に、7月13日から大分出張に同行した山下先生から報告がありました。

大分では、普照こども園さんでの研修となりました。参加者も普照さんだけではなく、さまざまな園から多くの方が参加されていたようで、とても熱い研修会であったようです!

山下先生からは、懇親会でも多くの先生方の熱い思いを感じましたという報告がありました。

普照さんは、数年前に新園舎に建て替えられたそうで、その園内の様子も山下先生より報告がありました。とても充実した環境の数々で写真をみた塾生からも大きな声が上がっていました。

報告の後は、この日行われたキャリアアップ研修の話になりました。新宿せいが子ども園の法人である省我会では、東京都から承認され、キャリアアップ研修を行なっています。

藤森先生のお話を丸々2日間、朝から夕方まで聞ける貴重な研修会になっています!

その中でディスカッションの時間が設定され、私と山下先生が参加者の皆さんのグループの中に入り、一緒にディスカッションをさせてもらったのですが、その時間の中で、参加者の皆さんの悩みを聞きました。その内容について、塾では、自分たちだったらどう考えるかということをみんなであれこれ話しました。

園が違えば、子どもも違い、環境も全く異なるので、何か問題があり、その対応を考える際には、その園それぞれの特徴を理解し、それぞれの園の最適解を見つけることが大切なのではないかと考えることが多くなりました。

もちろん、多くの園さんの実践はとても参考になるのですが、それをそのまま自分の園に当てはめるだけでは難しい部分があります。それを自分の園だとどこまでできるか、どこはできないか、どこは少し変化させた方がいいのかということを考えることが、目の前の子どもを見ていくということに繋がっていくのではないでしょうか。

藤森先生の話の中でも、いつも目的地を示してくれます。だからこそ、私たちはその目的地に向かっていくことができます。そして、これもいつも藤森先生が言われますが、その目的地に行く方法は一つではありません。あらゆる方法があっていいはずで、それがたくさんあるからこそおもしろいですね。

その方法をクラスのみんなで、園のみんなで考える面白さが保育の醍醐味だなと思います。何か正解があるわけではなく、園のみんなで同じ方向を向くために、時には互いに妥協しなければいけないこともありますね。そのみんなが納得する方法を探していくこともまた保育の中でのチームにおいては大切なことなのかもしれませんね。

報告者 モリグチ★タツヤ

シンガポール報告

7月5日の塾報告です。

今回の塾は対面式で行いました。

最初の話題は、今後塾生で行うことについて話ました。それは、GTの広報誌に塾長がいつからどんな事を考えながら園長をやり始め、今に至っているのかを塾生で話し合い、その様子や内容を何回かに分けて連載するとのことでした。今回は知っている方もいるとは思いますが、建築を学んでいた塾長がどんな思いでなぜ学校の先生になったのかというところまでを話し合いました。話した内容についてはぜひ広報誌を見ていただければと思います。

次の話題は、塾長が6月25日~30日までシンガポールへ行っていたので、その報告を写真など交えて紹介してもらいました。ちなみに今回のシンガポールツアーは5泊6日で参加者が37名ということでした。

1日目は移動で9:10の飛行機でシンガポールへと向かいました。

2日目から見学で、1園目はSTEMに力を入れている園ということでした。

「Mud Kitchen」といって外で泥を使って遊べるキッチンがあり、園舎内にあるおままごとゾーンのようなものがありました。塾長も常々園舎内でやるような遊びも外でできたらいいよね!と言っているのを体現しているかのようなゾーンでした。他にも、光るテーブルの上に色のついたセロファンやアクリル板などを置いて遊べるものや、テーブルの中心から風が出るテーブルがありそこでいろんなものを風の力で浮かせてみたりと、楽しそうなものがたくさんありました。

ちなみに私も数年前にシンガポールへ行かせてもらっていて、今回のツアーで5園ほど見学をしたそうなのですが、そのうち4園は私も行ったことがあったのでその時に印象にあったことも紹介したいと思います。私がいったときはちょうど「STEMフェスティバル」というものをやっていて、ステージの上で演劇を交えて液体を混ぜて色が変化したり透明にしたりという大人でもたのしめる実験をしていたのが印象的でした。またそのときは園内でもいろんな実験が親子で楽しめるまさにフェスティバルが行われていました。

2園目は園児数1000人超えの大型園の見学でした。

ここは、屋上に遊具があったり、水遊びができるところがありました。また、園内ではお店屋さんごっこができるように作られたそのお店の手作りのクオリティーがとてもすごかったです。

私が見学させてもらったときはまだ開園しておらず、園児が入っていない状態だったので実際に子どもたちが生活している雰囲気が感じられました。またここは何といっても有名ホテルで働いていたシェフが働いていて今回も彼の話を聞いてみたかったのですが、どうやら有名レストランからのヘッドハンティングがあったそうで退職されていたそうで少し残念におもっていましたが統括園長曰く、思ったよりも長く働いてくれていたとのことだったそうです。

3日目の3園目は、園舎の目の前に大きな国立公園がある園の見学でした。ここでは目の前にある公園を利用して双眼鏡を使ってバードウォッチングをし、様々な鳥を発見したということで表彰されたこともあるそうです。また、園内では1つの手洗い場に4つの蛇口がついているのですがそれぞれ水の出し方が違う設計になっていて、確かに社会にはいろんな水の出し方があるのでこういったところでも学べるんだなと感じました。

私が行った時も子どもたちと一緒に双眼鏡を使って公園内を歩き回り、バードウォッチングをさせてもらいまた。また、園内では美術に関心がある園だったのかこどもたちのたくさんの制作物やカラーチャート、テラスでは立ったままアクリル板に直接絵具で絵が描けるようなものがあったのが印象的でした。

4園目は、ショッピングモール内の一角にある小さな園に見学したそうです。私が行った時の記憶では、スペースとしては大きくないのですがそれでもSTEMについての玩具などがありました。そのとき子どもたちが遊んでいたのは、車輪のついた玩具にどういう経路でゴールに向かうかなどのプログラミングをして遊んでいたのが印象的な園でした。

4日目は子ども科学センターや国立博物館を見学し、その後5園目で講義を行なったとのことでした。ちなみにシンガポールでは「見守る保育」のことを「ウォッチ&ウエイト」と訳していましたが最近、「ウォッチ&ウエイト/ケア」と訳すようになったそうです。

5日目は自由行動ということで、Enの鳥海シェフ、長崎の西村君たちとマーライオンやマリーナベイサンズ、植物園などの観光名所を巡ったとのことでした。シンガポールは景観を大事にしているので、ポイ捨てや路上飲酒、路上でガムを噛んだり様々なことで罰金があるおかげで、街はとても綺麗になっているということでした。もし行く際にはご注意を!(笑)

報告を聞きながら自分が言った時の事を思い出しながら改めて刺激を受けました。特に1000人規模の園で知り合いになったバーナードシェフと帰国後も連絡を取り合っていたのでまた会えたら嬉しいなとも思いました。

また観光した時はその当時F1が好きだったのでタイヤ痕やサーキット場を見て興奮したのも思い出しました(笑)

そして塾頭の誕生日ということもあり、みんなで追い生クリームしたケーキでお祝いをしました!   (報告者 柿崎)

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新塾生と共に

新人職員の廣田先生になります。
下がスラムダンクに出てきそうな風貌の森口氏となります。

他園で3年間の保育士経験を経て新宿せいが子ども園に今年度就職した
「廣田優也」先生が新しく加入となりました。
塾にもぜひとも入りたいとのことで今月7月12日のオンライン塾からの参加となりました。森口氏から紹介があった後、塾長から「8分間のプレゼン!」と声がかかりました。(8分間のプレゼンは以下の文章でわかります。)

「今日からよろしくお願いします。突然だったのであれですけど…
こういう土壇場で話せないのが課題かなと思うんですけど…
まずは小松崎先生、臥竜塾のセミナーかなんかのzoomで画面越しに拝見せてもらっていて、今こうして生で喋っているところを見ることができて有名人に会っている感覚になっております。よろしくお願いします。
あれ、ほんとに8分話しますかね?!」ということから
「小松崎氏からこちらから質問タイムの方がいいんんじゃないですかね?」
というスルーパスをいただき我々から質問タイムとなりました。

一人一問という感じでやっていきましたが、全てここに載せると大変なことになりますので、少しだけ…
好きな食べ物は?「家系ラーメンです!」小松崎氏「ラーメン大臣決定です。」
我々塾生は面白半分でそれぞれ好きな食べ物がその大臣になります笑
ちなみに塾頭は「カステラ大臣」です。
廣田先生が家系ラーメンを食べて初めて胃もたれをしたいうとすかさず森口氏が「もっとするようになるよー」コメントされていました。

若さ溢れるイケメンの廣田先生であり、保育を学びたい、この見守る保育を塾長の元で学びたい、深めていきたいという意欲を日々の姿勢から感じました。
私個人の意見ですが、とても無邪気で猪突猛進と言いますか、何事にも恐れずに進んでいけるように印象を持ち、これから同志として仲間として藤森メソッドを学び、深めていけることを嬉しく思っています。
廣田先生よろしくお願いします!!

話は少し変わりますて廣田氏を紹介する前にこんな話がありました。
小松崎氏(青山保育園園長)が去年茨城保育の魅力コンテストで受賞し、今回はstemで応募したら一次が通ったのことでした。二次は何かというと8分のプレゼンを行ってくれと言われていたそうです。一同「8分は短いね!汗」と話ていましたが小松崎氏はこう続けます。「先週金曜日に夏祭りでstemフェスを行うのでその様子を動画に撮り、編集してプレゼンしようかと考えています。」
もう言葉ではなく動画で見てもらおうかなと思いますとのこと。新宿せいが子ども園でもstemフェスを行いましたが茨城の保育園のstemフェスというのも非常に気になりますね。stemに対する実践をし、それらをそういった場所でプレゼンしてくれることにより良い保育環境の提供にもなり、いい機会ですし、小松崎氏の動向はいつも興味をそそられますし、刺激をもらいます。
石川の西田氏もそういった発表があったそうで同じような経験をお話ししてくださいました。
先生もグッドデザイン賞の時のお話もしてくれました。

今週末は新宿せいが子ども園でも夕涼み会(夏祭り)が行われます。今回もstemをテーマに行うので楽しもうと思います。

他にも盛り沢山の話題がありましたが割愛させていただきます…。

報告者 本多悠里

宣伝方法・・・

6月28日 塾報告です。

今回はオンラインでの塾でした。

さらに、藤森先生と長崎の西村先生はなんと海外からの参加です!

ご存知の方もおられると思いますが、6月25日〜6月30日に久しぶりの海外研修があり、研修先はシンガポールです。

藤森メソッド見守る保育を実践している施設が多くあるのと、S T E Mに関しても取り組んでいるので、その実践を見学するのがメインです。

シンガポールの報告はまた次回ということで・・・

今回、研修中に藤森先生が参加者に向けての講演があり、

一緒に研修に同行されている鳥海さんも1時間「リーダーシップ論」について話されました。イタリアでの修行時代で、リーダーはどういう役割で、どのようにメンバーをまとめていくのか?を話していただいたそうです。

そして鳥海さんが、今回の研修先の「My first skool(MFS)」のアイリンさんのリーダーシップの姿が「レベルが違う!!」と私たちに話してくれました。

一番は「部下に対しての心遣い」が素晴らしいとのことです。

アイリンさんのような人についていく部下は、本当に大変なことが多いかもしれないが、

その分、成功した時に「必ず褒める」というところです。

また、施設見学をして「保護者が園(MFS)を選んでもらえるようにする戦略が見事!」

とお話をしてくれました。

日本では保護者に向けたり、もしくはこれから入園してくれる保護者に向けてのアピールはそこまでしてないかもしれません。

実際に認可保育園は補助金で運営しているぶん、安定していますが、企業は園児を集めないといけないので、これから子どもを預ける親に対してのアピールはとても重要です。

そのアピールの仕方も上手で、勉強になったと話してくれました。

確かに、私も数年前に一度シンガポールに研修に行った時に、自分たちが実践している保育(見守る保育)を伝えるために、視覚的に掲示してあるのが一番、印象的でした。

そういう掲示物を作ることで、自分たちの研修にもなるでしょう。

鳥海さんの場合、レストランと経営されている立場上、いかにお店をアピールするか?

がとても重要なので、もっと情報収集から視覚的にアピールなど、もっと戦略を立てる必要がある・・・と語ってくれました。

シンガポールの話題は、まだまだたくさんありそうですので、またの機会に報告が上がるでしょう。

そして、6月28日は今年度の塾セミナー1回目の研修日でした。

今年度はまだ発表をしたことがない、塾生の先生がメイン発表することになり、

小林先生が一番手として「乳児」をテーマに発表してくださいました。

そして発表のメインとしては新人ならではの、保育の悩み、困ったことなどを話していただき、それに対して森口先生と本多先生が現場の話を交えて対談する時間もあるので、

今年の塾セミナーもなるだけ現場の先生が共感できるような内容にしております。

すでに1回目は終了してしまいましたが、受付は継続しておりますので、

今かでも参加可能です!!その場合、過去のセミナーの動画を配信しますので、そちらで復習可能です。ぜひ、ご参加ください

東京は梅雨なのか!?と思うくらい、とんでもない暑さが続いています・・・。

子どもたちはもちろん、大人も熱中症にならないように、しっかり水分摂取や、

塩分チャージのタブレットなどを食べて、熱中症対策をしっかりして、

乗り越えていきましょう!!

(報告者 山下祐)