9月16日の生臥竜塾
1、本日のメニュー
今回は新宿せいがの島根職員研修旅行のお土産のしじみのお味噌汁と、塾生の誕生日ということでリクエストメニュー(?)のエビフライでした。
2、新宿せいがの研修旅行を終えて
今回の話は、島根職員研修旅行の報告と感想から始まりました。
細かい報告は書ききれないのでポイントだけになるのですが、
塾長のお話の中で印象的だったのが
「言ったことをすぐに実行すること」
それができる園は本当に良くなっているという所でした。
塾長の話の中で
数多くの見学者が来る中、その感想も様々だが、どんなに刺激を受けて帰っても、「さっそく検討してみます」というだけでは、なかなかよくならない。「すぐにやってみます」と行動に移す園は、今ある良いものを取り入れ、そこから、更に発展を感じて驚かされるとのことでした。そういった園は、実際に見学に行った時に、本当に驚かされる。
とのことでした。
今回見学させていただいた園も、まさにそんな所が随所にある園で、園長先生をはじめ、職員の皆様の努力と行動力に感動させられた研修でした。
また余談では、生臥竜塾によくコメントをしてくださっている方とも、実際にお会いすることができた。塾生の感想は「初めて会ったという気がしなかった」と不思議ながらも、うれしい気持ちでいっぱいの感想でした。
3、遊びのゾーンとコーナーの違い
遊びの環境の話の中でゾーンとコーナーという言葉の使い分けについての話がありました。
ゾーンとは
・遊んでいる時にリラックスしているけど、ものすごく集中している
・体と心が一体になり、自然に体が動いているような感じ
・他のことを忘れ、没頭していること。
・人が持っている力を最大限に引き出してくれる。
そしてそんな遊びを素晴らしいものにするゾーン体験を意図的に引き出すには2種類の方法がある。それは
・物的環境、人的環境、空間的環境といった環境によって引き出す方法。
・他の子どもとの関わりより引き出す方法。
それに対してコーナーとは
・そのものを行うために区切られた場所。
というものでした。
例えば、実際に環境を作る時には、
お支度する場所は、お支度をするだけの場所なのでコーナーという表現になり、それに対し、製作やままごと、ゲームなどは、そこで子どもたちがワクワクとするようなこと、また集中して取り組む場所として、ゾーンという表現になるということでした。
また、もしも魚の水槽など観察する場所を作った場合、ただ観察するなら観察コーナー、そこで子どもたちの遊びが広がるようなことをするならば観察ゾーンとなると環境を作るものの考えにもその表現の違いが生まれるとのことでした。
そこで私の中で一つの疑問が、、
「部屋を作る時に、名称を統一せず、コーナーとゾーンと呼ばれる場所がそれぞれあってもいいのか?」
塾長曰く、その目的にあって名前を使い分けているのだからそれで大丈夫だそうで、実際にその場所により、コーナーとゾーンを使い分けて表示している園もあるそうです。
そして、仏教の三昧(ざんまい)という言葉があるという話もありました。
若干、その言葉を聞いて一番最初に思い浮かんだのが「すしざんまい」で、発言後、しばしの、瞑想の時間が訪れましたが、
正しい意味としては
・心を1つのものに集中して、安定した精神状態を保こと。
・精神集中が深まりきった状態のこと。
という意味だそうです。
まさに、ゾーンと同じ意味で、外国の言葉だけでなく、日本の言葉の中にも同じ感覚を表現する言葉があるということでした。
4、自分で選択することの大切さ
食育の観点から強い体、病気にならない体を作るには、何が大切かということから、ドイツでの、子どもたちの食事の話になりました。
それは保育者がスパゲッティに、チーズやトマトなどのトッピングを乗せるかどうか聞いていた所、ほとんどの子が何ものせず、そのままスパゲッティ―を食べていたという場面のことでした。
その様子を見て、もしかしておいしくないのだろうか、トッピングとセットでの栄養計算をしているはずなのに、それで栄養は大丈夫なのか。という疑問があるが、実際はドイツでは 自分で選ぶこと の大切さを知っているのではないか。
ある老人ホームではこんな取り組みが行われたそうです。
フロアをわけた2つのグループを作り
1つのグループには
食事を1週間の食事予定を丁寧に伝え、映画も決まった日に全員が見ることができ、部屋に飾る植物も職員が手入れをする従来のスタイルで生活したそうです。
もう1つのグループでは
食事を好きなものを選べるが、前の晩に決まった時間までに伝えなければいけない、また映画も開催される日までに申し込んだ人しか見れない、また植物も自分で選び手入れも自分でするスタイルで生活をするグループ。
ぱっと聞いた感じでは何でもやってくれたほうが嬉しい気もするこの話。
後者の自分で何でも選ぶグループの方が健康で、また元気で過ごされる方が多かったということです。
自分で選択することに意味がある。
保育園では、まだ栄養価のことが言われることがあるので、
最近ではあまり栄養価が変わらない果物を、2種類にして選べるところが増えてくるなど、自分で選ぶということを大切さに気付く所が多くなってきている。
理想は、メインではカレーかハヤシのルーか?野菜も似ているところで、春菊と小松菜か?
おやつでも、牛乳か、じゃこかなど、他のメニューにおいても選べることが望ましいとのことでした。
5、 日本らしさ 光と影の使い方
各園の良い所を見ていく中で感じるのが、
日本らしさや日本の伝統的スタイルはどんなものなのかということを考えられるそうです。
例えば、光と影の使い方において、海外では物の影を描きとったり、とび越える遊びをしたり、また光も、ステンドグラスなど色を取り入れることが多い。
それに対して日本は、生活と自然の中からその使い方が発展している。
例えば、日本には障子があるが、そこに映ったものをそのまま風景として楽しんだり、ススキや葉っぱなど、植物の場合だとそれが風に揺れてゆらゆら揺れている姿を楽しんだり、またその濃淡や遠近法を楽しんだりと感じ方が違っている。
葉っぱの揺れす姿などは、それを面白いと感じるだけでなく、植物のこもれびやf分の1の揺らぎといった癒しの効果もある。とのことでした。
日本が持つ日本らしさ、それを保育に取り入れていくことも大切という話で今回の臥竜塾はお開きとなりました。
(報告者 西田 泰幸)
「初めて会ったという気がしなかった」…なんだかとっても嬉しいです。いや、もう、本当にそうなんです。「あ!どうも〜!!」という感じでいつも知っている関係で、なんだかちょっと久しぶりにお会いした、というようなそんないつも知っている人に久々に「会えた」という不思議な感じがして、とても嬉しくなりました。みなさん、笑顔がとても素敵でお世辞ではなく輝いていました。特にHさんはキラキラしておられました。コーナーとゾーンの言葉の使い分けは勉強になりました。言葉を使い分けることはその場の機能を理解していないとなかなかできませんね。使い分けてあるということは目的に応じた場になっていることでもあるのですね。そんな視点でまた部屋の中を見てみたいと思います。
真似る、盗むという言葉がこんなにも肯定的にとれる体験をしたことがありませんでした。見学する随所に見守る保育を行う為の工夫が施され、また、苦労してここまできたことを感じるような努力の結晶のような雰囲気を感じることができ、大変感激をしました。見学時に藤森先生から、「真似をするからはやい」という言葉を聞きました。そのはやさが新宿せいが保育園にとって刺激と呼べる以上の、何か急かされるような、背中を期待でかなり強く押されるような、そのようなものとなっていることを感じます。夕涼み会を始め、各行事において先輩方が本気で取り組む理由の一つに、このような日本全国の期待を背負って新しいものを提案していくことの重圧があるように感じました。ある先輩にそのことを話したら「楽しいからやってるんだよ」との言葉が返ってきて、とても驚き、そこでもまた感動をしてしまいました。重圧を楽しんでいく余裕を感じ、そういった素晴らしい感性や姿勢で仕事をしている人の傍で仕事ができることを、とても幸せに感じます。
そして、僭越ながら僕ももりぐちさんとは初めて会った気がしませんでした。これも縁であるとすると、出雲大社の神様に、改めて感謝の気持ちでいっぱいになります。
本当ですね。まさにご縁です!出雲大社での出会いもまた感動的といいますか、なんだか癒された時間でした。そして、最後に言葉を交わしたのがk.kさんでした。これは偶然ではありませんね。短い時間でしたが、本当に楽しい一時でした。