今回も学童での子どもたちの話し合いの様子を紹介させていただきます。
今回の話し合いは、2月の月案を子どもたちが決める際に小学校で土曜に授業参観があるため、振替休日として平日に子どもたちのお休みがズレたことにより、2月中に1日だけ子どもたちが丸1日学童で過ごす日ができ、その日に何をするかで意見が割れたために行われたものです。
出た案は、夏休み等の長期休みの際に必ず月案に出る、電気製品以外のおもちゃを学童に持ってこられる「おもちゃもってきほうだい」と普段は距離的になかなか行くことができない公園に行き、みんなで遊んでみんなで一緒に青空の下でお弁当を広げて食べる「ピクニック」です。
この2つの案をめぐって2グループで話し合いをしました。
ちょうどその頃、塾長のブログに話し合いに関して書かれている内容のものが「話し合い」「ディベートとディスカッション」「話し合いでの役割」の3つがありました。
私たち学童職員間でも、現在学童で子どもたちが話し合う機会を多くとっている最中ということもあり、私自身とても勉強になりました。
今回の話し合いは、特に「ディベートとディスカッション」に書かれている内容のものとリンクする点が多くありました。
この内容によると今回の話し合いは、ディベートに近い話し合い形式となっています。
2グループが向き合い、真剣にお互いが出した案の魅力を伝え合います。
その際に意見が動いた場合、グループの移動は自由です。
しかし、「ディベートとディスカッション」にも書かれている通り、ディベートは勝敗が付き物となってしまいます。
ディベートは、第3者(ジャッジ・観客)をより説得できたかで勝敗が分かれます。
ですので、勝敗の区切りを付けないためにも、第3者(説得対象)を我々保育者にせず、お互いが説得対象者となり、第3者を設けない形で、片方のグループが納得をして、全員が1つの案にまとまるまで行おうと考えました。
結果を言ってしまうと、「ピクニック」側に心が動いた子が多かったものの、全員とまではいきませんでした。
ですが、天気が良ければ「ピクニック」、悪ければ「おもちゃもってきほうだい」という案が途中で出て、子どもたちもこの案がお互いの意見が両方共に尊重されるためか、意見が統合されました。
しかし、子どもたちの意志によりこの話し合いは現在も進行中です。
ホワイトボードを用意し、新たに出た魅力や案を書けるようにしました。
そこには新たな話し合いの題目となるような内容が書かれていました。
それは「天気の良し悪しは登所してから変わることもあるから難しいのでは」といった内容です。
今後この題目で話し合いの機会を設けられたらと考えています。
今回の話し合いにより意見は統合されつつあるので、今度の話し合いはディスカッション形式で行ってみようと思います。
ディベートに似た今回の話し合いでもグループ間で協力的な姿勢を見ることができましたが、全員が1つの題目に向き合い、ディスカッションを行うとどんな協力的な姿勢が生まれるのか、そしてそこからどんな案が出てくるのか、未知数ですね。
未知数だからこそ面白い!
今後の話し合いでの子どもたちの様子も今後の活動報告で報告させていただきたいと思います。
(投稿者 若林)
子どもたちの話し合いでの意見の移り変わりがいいですね。自分では思いつかなかった考えが他の人から出た時に素直に「それ、いいね」や「なるほど、そんな考えもあるのか」と思える気持ちはとても大切ですね。そんな姿勢があると様々なアイディアが膨らんでいきそうですし、なおかつお互いを尊重しているという姿にも見えます。私も話し合いの場を丁寧に行っていきたいなと思い、いろいろやってみようかと考えているので、とても参考になります。
話し合いの途中で出された〝天気が良ければ「ピクニック」、悪ければ「おもちゃもってきほうだい」という案〟は、以前邨橋先生が『7つの習慣』について連載をされていましたが、その本の中にあるwin-winの関係が織りなす提案にとても近い案であると感じました。双方にとってメリットがあるように思います。そこに〝「天気の良し悪しは登所してから変わることもあるから難しいのでは」〟と出てくるのは面白いですね。余程自分の家にあるおもちゃを持ってきたい子がいるのでしょうね(笑)家に帰ればそれであそべるんだからいいじゃない、と思ってしまうところですが、〝学童にそれを持ってくることができる〟ということがその子にとってとても魅力的なことなのでしょう。ピクニック組をどう話し合いで納得させるかは、いかに持ってくるおもちゃが魅力的か、それが皆にとってどういうメリットあるのかを最大限にアピールできるかにかかっているのでは、と思うのですがどうでしょうか。結果が楽しみです。