11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2006年2月2日『文化の伝承』の中に、こう書かれています。
〝明日は、節分です。園でも、節分の行事を行います。行事の一つの目的に、「地域の文化を伝承する」というものがあります。では、地域の文化というものは、何でしょうか。また、何で、伝承しなければならないのでしょうか。〟
本当ですね。ブログは、こう続きます。
〝1989 年に行われた第25 回ユネスコ総会で「伝統的文化及び民間伝承の保護に関する勧告」というものが採択されました。そこでは、民間伝承は「人類の普遍的遺産の一部を形成するものであり、また、それは異なる民族及び社会集団を結び付け、かつ、その文化的独自性を主張するための有力な手段である」といっています。〟
日本という国が独自の文化を持っているということを、日本の国民が行事や伝統に関するものを通して理解することで、諸外国との文化の違いを理解することができます。また、自国の文化、伝統に触れることは、諸外国、諸民族の文化、伝統を理解することに繋がり、それは相手を理解することに繋がり、文化と国同士を結びつけ得る有力な手段である、ということですね。
そして、〝文化を伝承していくことは、〟と、続きます。
〝文化を伝承していくことは、多様性の世界観の中で、さまざまな社会集団を結びつけ、よりよい新しい時代を作っていくために、過去の知恵から学んでいくというものである気がします。〟
新しい時代のために、僕らは、過去の知恵を学ぶ必要があるのですね。
藤森先生は、この回のブログで、節分についても詳しく説明して下さっています。この報告がアップされる頃には、豆まきは終わっていると思うのですが(笑)来年の参考にしていただけたらと思います。
〝子どもたちに日本の文化を伝承していくことが必要です。そこで、まず、鰯の頭を焼いて、ヒイラギの枝に刺し、家の入り口に差します。これは鰯の頭の悪臭で、邪気が家に入るのを防ぐという意味があります。季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うためです。「邪気」も悪臭は苦手と見えます。そして、炒った大豆を撒くのですが、それは、鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがあるからです。その際の掛け声は、通常「鬼は外、福は内」ですが、地域や神社によっては、鬼を祭神または神の使いとしている神社、また方避けの寺社では「鬼は外」ではなく「内」としているそうです。また、家庭での豆まきでは、「鬼」の付く姓(鬼塚、鬼頭など)の家では「鬼は内」の掛け声が多いといいますが、私の知り合いにもこの苗字の人がいるので、本当か、聞いてみたいものです。そのあと、自分の歳の数だけ豆を食べます。〟
Wikipediaでも、〝「鬼」の付く姓(鬼塚、鬼頭など)の家では「鬼は内」の掛け声が多い〟という内容のことが書かれています。面白いですね。
そんなわけで、園では、今年も豆まきを行います。「あまり子ども達を怖がらせないように」という藤森先生のお言葉通り(?笑)昨年も、もちろん鬼が登場し、それはもう、最高の豆まきでした。僕らや子ども達がいくら豆を投げても退散してくれなかったのですが、最後、藤森先生が豆を投げると、「うわー!」と言って、逃げて行きました。藤森先生は子ども達のヒーローです。
今年は、写真をたくさん撮って、その模様を報告したいと思います。お楽しみに!
(報告者 加藤恭平)
自国の文化を体験し、理解し、他国の文化も理解し、受け入れていくということはこれからの時代ますます大切になってきますね。人だけでも様々な価値観があります。そして、それぞれの国にも様々な価値観がありますね。それを否定したり、統一しようとするのではなく、様々な価値観、文化があるということを理解し、受け入れながら生きていく子どもたちになってほしいですね。そういった意味で行事における文化の伝承はとても大切になってくるんだなということを改めて感じさせてもらいました。節分ひとつとっても地域による違いもあるとはおもしろいですね。行事を楽しむという姿勢を写真から教わっています。