Time of light episode 3『夕涼み会3』より

写真 部屋の隅にある光を発見。

部屋の隅にある光を発見。

 

この光どこからきているのでしょう。

この光どこからきているのでしょう。

 

あんなに遠くからきていました。

あんなに遠くからきていました。

その正体は、

「Sun catcher」

「Sun catcher」

しかもこれは、1歳児クラスの先生の手作りです。

ビーズを100円ショップで購入、お家にあったというその他の装飾と合わせても1つの金額はお店で購入する比ではないとのことで、それについても驚きました。

その名の通り、光を吸収し、複雑な反射を見せてくれます。

その名の通り、光を吸収し、複雑な反射を見せてくれます。

 

興味津々。

興味津々。

窓際にかかっていたその光が0歳児クラスのところまで届いていたのですね。

お借りして園庭へ。

お借りして園庭へ。

 

0歳児クラスの子も好反応。

0歳児クラスの子も好反応。

本当にきれいです。

13年目に入られました塾長藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2012年10月3日『夕涼み会3』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

「園でよく感じるのは、保育者は、いろいろな物をつくる能力とノウハウとセンスをたくさん持っていることです。個々場所の装飾など、センス良く、素敵につくることもできます。それなのに、どうしてか『保育室とは』、『子どもとは』ということにすりこみがあるようです。とても素敵なものが作れるのに、どうしても子どもだましのようなものが子どもにとって合っていると思い込んでいることがあります。」

現在の塾長の連載を読んでいると、脳のもつ働きから見る赤ちゃんの凄さ、子どもの素晴らしさに改めて気付かされる思いがしてきますね。

子どもだましでない、本物の美しさに大人も子どもも心が惹かれるのですね。

子どもだましでない、本物の美しさに大人も子どもも心が惹かれるのですね。

(報告者 加藤恭平)

Time of light episode 2『教育の意味』より

この日もやってきました「光の時間」。

早速貼ってみました。

早速貼ってみました。

 

興味を持ってくれた様子です。

興味を持ってくれた様子です。

 

更にもう一色。

更にもう一色。

 

足に当たる色を不思議そうに見てくれています。

足に当たる色を不思議そうに見てくれています。

 

最終的に4色に。

最終的に4色に。

 

「ほら、先生の手見てごらん。」

「ほら、先生の手見てごらん。」

 クラスの先生の促しに、興味深そうに反応する子どもたちです。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2017年5月13日『教育の意味』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

「彼(ダンバー氏)は、ニュートンの有名な言葉を引用しています。『教育があるからこそ、私たちは過去という名の巨人の肩にのれるのだ。知識、特に科学的な知識は過去からの積み上げにほかならない』とダンバーは言うのです。このような見解に対して、私たちはよく誤解をすることがあります。知の世界を掘り下げ、探求するための知識と技能を仕込むことが重要ですが、それをより効果的なものにするために、また、その機能をより発揮することができるようになるために、段階が必要になります。突然、何かを教えるとか、覚えさせるとか、できるようにさせるということではなく、まず、知の世界を掘り下げ、探求しようとする態度を養わなければなりません。そのためには、知の世界の不思議さ、楽しさ、それを探求しようとする好奇心などが必要になってくるのです。」

大それたことをやっているつもりは毛頭ありません。特に乳児における科学というのはこういった初歩的なアプローチを切り口にしていいものなのだという安心感の中で、楽しく取り組めるとても面白いものですね。学生時代に苦手だった科学というものが、子どもたちの反応と共に、少しずつその言葉のもつ緊張味が解け、意味合いが柔らかいものへと変化していくような、そんな心境の変化を実感しています。

次はどんなことを仕掛けてみようか、ととても楽しみになります。

(報告者 加藤恭平)

Time of light episode 1

15時を少し過ぎた頃。

ちっち組(0歳児クラス)の部屋のある場所に、『光』がやってきます。

ちっち組(0歳児クラス)の部屋のある場所に、『光』がやってきます。

 

西陽が射し込むのですね。

西陽が射し込むのですね。

クラスの先生が『光の時間』と名付けてくれました。この光を利用して遊んでいます。

中に水の入ったペットボトルの小さな玩具。

中に水の入ったペットボトルの小さな玩具。

 

置いて、鏡を使って、

置いて、鏡を使って、

 

眩しい…♪

眩しい…♪

 

「よっこらしょっと、」

「よっこらしょっと、」

 

「この眩しいのは何だろう…?」

「この眩しいのは何だろう…?」

この子の心の声はこんな感じでしょうか。

わいらんすい(3・4・5歳児クラス)にあった玩具。

わいらんすい(3・4・5歳児クラス)にあった玩具。

中の液体がゆっくりと下に落ちていく玩具です。

興味深々の子どもたち。

興味深々の子どもたち。

 

短くない時間、じーっと見つめていました。

短くない時間、じーっと見つめていました。

 

こちらは通称「トンボの目」の玩具。

こちらは通称「トンボの目」の玩具。

 

光にかざすとこんな感じになります。

光にかざすとこんな感じになります。

少し離してみると

いい感じですね。

いい感じですね。

 

写真右上の子、その光の先端を触っています。

写真右上の子、その光の先端を触っています。

何とも可愛いですね。

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2015年2月10日『乳児からの科学』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

「子ども向け絵本やおもちゃにも、想定される子どもの年齢が書かれてあることがあります。外国のおもちゃにも書かれてあることが多いのですが、その多くは、「3~99years」と広い幅で書かれてあります。しかし、絵本には書かれてあることはありません。それは、それぞれの年齢に、それぞれの楽しみ方があるからです。科学においても同じようなことが言えます。「Science Experiences for the Childhood Years」という本の中には、こんなことが書かれてあります。

「2歳児でも、単純で感覚的な活動であれば、楽しんで行うことができます。うちわで扇いだり、風ぐるまを回したり、風の強い日には吹き流しをそよがすことで、空気が動いているのが感じられます。石の手触りや重さを感じたり、氷を触った後に溶けた水にも触らせてみましょう。金魚をよく見て同じように動いてみたり、畑でなっている果物や野菜をとって食べてみてもよいでしょう。大きな音や静かな音を聴いたり、色つきセロファンを通して、周りを全く違う色で眺めることもできます。」

確かに、2歳児でもそのように科学の体験ができるでしょうね。そう考えると、もしかしたら、0歳児でもできるかもしれません。それは、特に認知的なものを学習するということではなく、不思議さを感じることが科学であるとしたら、他の年齢よりも乳児の方がより感じるのかもしれません。最近の研究で、乳児から量や長さ、数の概念ができるということがありますが、私は、赤ちゃんでも物事の道理がわかっている気がします。」

本当にそうだと思います。

さて面白いので、この光を利用して次は色のついたセロファンを試してみることにしました。

そして、こんな調子で、色々と試すことができるのもクラスの先生方の理解と協力があるからです。射し込むこの光は、クラスの先生方の放つ光が結晶となって生み出されているもののように思えてきました。

(報告者 加藤恭平)

時間

最近の塾長の講演の内容に新しい保育所保育指針についての話があります。平成30年から実施される保育所保育指針ですが、現行のものと大きく変わる点に「幼児期の終わりまで育ってほしい姿」ということで10の項目が挙げられています。今回はその10項目の中の1つである「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」ということに注目して報告させていただこうと思います。

具体的な内容として「遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。」と書かれてあります。

先日、わいらんすい(345歳児クラス)組で近くの公園にお散歩に出かけた時のことです。到着してしばらくすると、何やら遠くの方で盛り上がっている声が聞こえてきました。何だろうと思って近づいてみると、M先生と一緒に子どもたちが公園1周を走るという企画をしていました。
そして、すごいなと思ったのが、なんとM先生が子どもたちの公園1周のタイムを計っていたことです。
1週200メートルはあろうかという公園を子どもたちが走ります。そして、ゴールするとM先生から「47秒でした!」というようにその子のタイムが知らされます。
子どもたちも楽しんでいて、次々にいろいろな子が走っていました。

写真 2017-04-28 10 48 31 (1)

そんな中でM先生から「50秒でした!水曜日は48秒だったのにね!」という声が。そうです、なんと別の日にも同じようにタイムを計って遊んでいたのです。そのため、子どもたちは以前のタイムより、遅くなったのか、速くなったのか知ることができていました。これは自然と遊びの中で子どもたちが足し算や、引き算をする経験にも繋がりそうです。
この経験はまさに「遊びや生活の中で、数量、図形、標識や文字などに親しむ体験を…」につながる部分ではないかと思いました。

写真 2017-04-28 10 48 53

また、その中で実は私も子どもたちに混ざって、タイムを計っていただきました。結果は33秒だったのですが、ここでまた子どもの発見に驚かされました。私の後に男性のT先生が公園を1週走ったようで、結果は29秒でした。私はすでに公園の離れたところにいたのですが、その男性のM先生の結果を知ったある男の子が遠くから私に「先生〜!T先生29秒だって!いま、先生(私)は2位だね!」と興奮気味に教えてくれました。そうです、私のタイムをT先生が超えたので、全体の1位がT先生になり、そして、T先生が1位になることで、私が2位になったのです。そのことを理解していることに驚きました。T先生が1位になったから、私は2位になる。当たり前のことなのですが、この数字の入れ替えというか、順位の理解をしていることに驚きました。こういった体験も広い意味での数量に親しむこと、数字に触れることになるのではないでしょうか。

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「先生ー!2位だよ!」と遠くから教えてくれました。

そして、数字とは関係ないのですが、先ほども言いましたが、この公園1周は200メートルはあります。正直、大人の私でも走っていて「長いな〜しんどいな〜」と思いました。しかし、子どもたちも同じ距離を走っています。きっと楽ではないと思うのですが、しっかり走りきっていました。

写真 2017-04-28 10 54 13

わいわい組(三歳児クラス)さんも挑戦です。

写真 2017-04-28 10 49 49

最後はちょっと疲れていますが、自分でやりたいと思ったことなので、走りきっていました。

これは10項目の一つである「健康な心と体」という部分につながるのではと思いました。内容には保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。」とあります。
自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせることで充実感が生まれてくるということになります。達成感や充実感はやらされてやったことでは得られず、自分でやりたいと思ったことをやり遂げた時にしか得られません。この話は塾長がよく講演の中でもされます。公園1周を走るというのも誰が強制した訳でもなく、子どもたち自らがやりたいと思った子しか走っていません。だからこそ最後まで走ることを平気でやっていたんだろうなと思いました。

そんなことを思った時に感じたのは、保育指針の中に示されている幼児期の終わりまでに育ってほしい子どもの姿の項目ですが、子どもの行動の中にそれらの項目の内容がいくつも詰まっているのだなということです。今回の公園での走っている子どもの姿にも走って遊んでいるだけではなく、数を意識したり、自分のやりたいことをやるという健康な心と体という部分にも当てはまったりしていました。子どもの行動の中でにあらゆる大切な姿が詰まっているんだなと感じる出来事でした。

報告者  森口達也

靴紐とエプロン

以前、他クラスの職員からこんな画像が送られてきました。

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3・4・5歳児の子どもたちが好きそうなものから、今行っている遊びを発展させるための手作り玩具のアイディア写真です。塾長がよく言っている「外には保育のヒントが溢れている」ということが改めて感じられるように、その職員も、きっとネットで見つけた面白そうなものをピックアップしていたのでしょうね。

先日、お当番活動をするために、エプロンを着用する子どもから「先生、やって」と言われました。いつものように「いいよー」と言って後ろの紐を結んでいる時、ふと送られてきた画像を思い出しました。

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乳幼児期において、「遊びを通して」がキーワードになるように、蝶々結びを遊びにおろし、それを「貢献」につなげられるイメージが湧きました。そこで早速真似して作ってみます。

エプロンと同じ丸紐を採用

エプロンと同じ丸紐を採用

現場におろすと、「私できるよー」「あ、やってみたい」などと言って遊んでいました。

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次の「先生、やってー」には、その遊びを楽しんでいた「○○ちゃんにやってもらってー」と答えてみたいと思います。

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多くの情報があるこの世の中でも、その情報を上手く整理して利用する能力が必要であることを感じます。持っている情報を、いつ、どこで、どのように使うかは、その人に委ねられています。それが、「個性」として現れていくのかもしれません。

子どもたちが今行っている遊び、そして日常の行動がどのような「貢献」に生かせるのか。それはきっと、それをつなげる社会に委ねられています。

(報告者 小松崎高司)

日本科学未来館 その②

未来館報告のその2になります。
今回、とても印象に残ったのが「未来逆算思考」をテーマにした展示でした。
どういった展示だったのかというと、このように説明してありました。

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「50年後に暮らす子孫たちに、どんな地球を贈ることができるのか、ゲーム形式でアクティブに体験する展示です。私たちが暮らす豊かな地球を次世代に受け継いでいくために、なにをしたらよいのでしょうか?さまざまな課題を乗り越えながら、自分が選んだ理想の地球をゴールまで届ける体験を通して、理想の地球を実現していくために必要な科学技術やライフスタイルを考えてみましょう。理想の未来を描き、そこから逆算することで、私たちが今からするべきことが見えてきます」

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また、さらにこのような説明がありました。
『未来を思考する方法は2つあります。ひとつは、現在の延長線上に未来を描く思考。これを「積み上げ思考(フォアキャスティング)」と言います。もうひとつは、理想の未来を思い描き、そこから現在にさかのぼる思考法。これを「未来逆算思考(バックキャスティング)」と言います。未来の問題に向き合うには、2つの思考法をうまく使い分けることが大切です』とありました。

積み上げ思考には「現状を分析し、目の前の課題を解決してゆく、ただし、必ずしも理想の未来に向かうとは限らない」とありました。
また、未来逆算思考には「理想の未来から逆算し、今からすべき発想する。現在を未来をつなぐ道筋を描くことができる」とありました。

この未来逆算思考のことを知ると、塾長の話とつながるなと思えてきました。
最近、塾長は「自制心(我慢する力)」の大切さについて話をされます。また、成長展でも発表がありましたが、園の今年度の研究テーマも「自制心」でした。
塾長は最近の若者の事件からこの自制心の足りさなを感じておられます。欲求を我慢する力がないからこそ、目の前の欲求に負けてしまい事件を起こしてしまう人が多くなっているという現状があります。

しかし、いくら我慢する力が大切であるからといって、「だから子どもには我慢させることが大切だと」大人が子どもに我慢を強いてしまうのは違いますね。大人と子どもの関係では我慢する力はつかないと塾長は言われます。そのためには子ども集団の力が必要になってくると塾長は考えておられます。
そして、具体的に自制心を高めるために必要な力として、
・先を見通す力
・信頼できる大人がいること
・気をそらすこと
が大切であると言われています。と、詳しい話は塾長のお話をぜひ聞いてください!
そんな自制心をつけるために大切な「先を見通す力」と未来逆算思考の「理想の未来から逆算し、今からすべき発想する。現在を未来をつなぐ道筋を描くことができる」ということは同じことではないかと感じました。

理想の未来を描くことで、今自分が何をすべきなのか考えるというのはまさに自制、我慢することにつながるのではないでしょうか。
目の前の欲求に負けてしまうと、先の未来でツケが回ってくることになります。私が幾度となく挑戦しているダイエットがいい例かもしれません。
美味しいケーキが食べたいという欲求、今日だけはいいかという欲求に負けるということが積み重なることで、先の未来でツケが回ってきます。
私を含めてですが、現代はこの自制心、未来逆算思考の欠如が問題なのかもしれません。ちょうど塾長のブログで現在、温暖化や自然保護の内容が話題になっています。その内容を読むと温暖化や環境悪化も先の未来のことは考えずに、今だけの欲求で過ごしてしまっている人類の生活の結果でそうなってしまっているということを感じます。

私自身も正直、この先を見通す力、自制することがまだまだできていないと感じることがあります。どうしても目の前の欲求に負けてしまうことがあります。塾長を見ていると先のことを考え、今どういう手を打つべきかという姿勢であらゆることに取り組んでおられることを感じます。目の前の欲求に負けてしまうのは、はっきりと目指すべき未来が描けていないのかもしれません。この報告を書きながら、改めてその部分をしっかり意識して、成長していきたいなと思いました。
子どもたちだけではなく、大人に対しても先を見るきっかけを与えてくれているこの企画展は素晴らしいなと思いました。

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あたなはどんな未来の地球を子孫に残したいですかということを分かりやすく表示しています。このような展示があると子どもたちでも先の地球のことを想像しやすいですね。

 

日本科学未来館ということで、未来のことを意識させてくれる展示がいくつもありました。未来のために今何をすべきかというのは子どもだけではなく、大人も大切にしなければいけないことですね。塾長と一緒にいなければきっと私はこのことに気がつけていなかったと思います。本当にたくさんの学びのきっかけを与えてもらっていることに改めて感謝の思いを抱きました。

報告者 森口達也

日本科学未来館

この前の休みに、日本科学未来館に行ってきました。

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来年度の塾セミナーの内容が「もじ・かず・かがく」になり、私はその中の「かがく」を担当することになりました。また、たまに子どもたちと簡単な科学実験をしていることもあり、何かのヒントがあればいいなと思いや、久々に行って見たくなったということもあり、科学未来館を訪れました。

まず、「地球とつながる」というテーマの展示スペースに入っていきます。
「地球とつながる」ことの説明として日本科学未来館のホームページにはこのように書かれてあります。

「私たち地球について、どれほどのことを知っているでしょう?最先端の技術とデータを使って、地球上のあらゆる生命と環境と自分とのつながりを感じ、理解するのがこのゾーンです。地球の生態系のなかの様々な生命のつながりや、地球46億年の歴史とともに育まれてきた私たち人間と地球とのつながりなど、地球規模の大きなつながりのなかに人間の存在や自分自身を位置づけてみましょう」とあります。これは後で紹介しようと思っていることにつながってくるような内容でした。新宿せいがの理念の「共生と貢献」にもつながってくるように思いました。地球と自分とのつながりを感じることができれば、周囲の環境とどう向き合っていけばいいのかということを考えるきっかけになるのかもしれません。

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「ジオ・コスモス」とアシモ

そして、その展示場に入ってまず目に飛び込んでくるのが、この大きな「ジオ・コスモス」です。このジオ・コスモスは日本科学未来館の館長でもあり、宇宙飛行士でもある毛利衛さんの「宇宙から見た輝く地球の姿を現在の地球を、多くの人と共有したい」という思いから生まれた、ものだそうです。とても迫力がありますよね。このジオ・コスモスに写っている雲の写真は今現在のものではないようですが、ある日の実際の雲の動きを記録したものになっているそうです。なんだかずっと見ていられるようなそんな迫力と魅力があります。

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ノーベル賞受賞者たちからの問い

また、このような展示もありました。
「ノーベル賞受賞者たちからの問い」というもので、日本未来科学館に訪れたノーベル賞受賞者に向けて「いつまでも考え続けてほしい問いをひとつ、来館者に向けて投げかけてください」という未来館からの依頼にこたえた展示になっているそうです。いくつかそのメッセージの中で心に残ったものがあったので紹介します。

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「不思議に思う心を忘れていませんか?」梶田隆章

「なぜと問うのはなぜだろう?不思議に思う心を育もう!」白川英樹

「いつまでも好奇心を持ち続けるにはどうしたらいいのかな?」田中耕一

「遊び心から生まれる科学へ 好奇心から生まれる知識へ」ペーター・グリューンベルク

塾長は不思議に思う心の大切さをよくお話しされます。いろいろなことを不思議に思うこと、そして、不思議に思うからこそ、もっと知りたいと思い、それは好奇心にもなり、子どもたちはどんどん世界を広げていきます。塾長はそれこそが学問であり、本当の学びであるということを言われます。子どもたちに何か知識を教えることではなく、私たちはこのような不思議に思う心、知りたいと思う心、好奇心、探究心を子どもたちが持てるような環境を用意していかなければなりません。ノーベル賞受賞者の方たちの言葉からもそのことを感じました。
もちろん、皆さんしっかり勉強をされてきた方達だと思うのですが、ただ単純に勉強ができるということではなく、私が感じたのはすごく好奇心の強い人たちなんだろうなということでした。だからこそ、好奇心の大切さ、不思議と思う心の大切さを語っておられるのかもしれません。そんなことを思った時に、同じくらい不思議に思う心を持ち、好奇心の強い方が私の身近におられます。
それは、やはり塾長です。例えばですが、塾長は何十年にわたって出張をされることで、全国各地を回っておられます。なので、行ったことのある場所もかなり多いはずです。私も講演と講演の間に塾長にその土地の有名な場所に連れて行ったもうことがあるのですが、もちろん、私は初めて行く場所なのですが、塾長にとってはもう何度も訪れたことのある場所であることが多いです。塾長曰く、「助手が変わるたびに来ているね」と言われます。去年行ったという場所もあります笑
しかし、それでも塾長はその場所で何かしらの発見をされますし、その場所を楽しんでおられます。「見たことあるから」で終わらないのは、塾長にとても強い好奇心があるからではないでしょうか。
「科学」と聞くと難しいものを想像する方も多いと思います。私もそうだとばかり思っていました。難しい実験をしなければいけない、難しい理屈を理解しなければいけないと思ってしまいますが、保育での「かがく」はそうではなく、「不思議と思う心」が大切になってくるように思えるようになりました。何度もこの話はしていると思いますが、塾長に科学について相談した時に「先生が不思議だと思うことをやればいいんだよ」と言われ、すっとしたのを覚えています。改めて、子どもたちへの「かがく」とは、そういうものでいいんだと思える機会になりました。

また、その中の展示にオバマ大統領の言葉もありました。

「みなさんは子どもたちに、さらにその後に続く人たちに、より良い世界を引き継ぐために何をしますか?我々はできる限りのことをして、子どもたちに創造性、クリティカルシンキング、好奇心、そして思いやりを教えなければなりません。しっかりとした基盤を築くことで、彼らが私たちを牽引してくれると信じています」

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この言葉を読んで、オバマ元大統領は本当に素晴らしい人だったのだなと感じました。
このオバマ元大統領の言葉が次の展示の紹介へと繋がっていきます。
それは「未来逆算思考」という考えによる展示なのですが、これがとても考えさせられるものでした。
言葉としては少し分かりにくいかもしれませんが、最近、塾長の話の中でもよくある自制心、我慢する力、先を見通す力、欲求をコントロールする力につながっているような展示で私はテンションが上がってしまいました。
ここまでで、思っていたより長い報告になってしまったので、それは次の報告でさせていただこうと思います。

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「未来逆算思考」

報告者 森口達也

甲虫②

前回の報告からかなり経ってしまい、申し訳ありません。
カブトムシ実験の報告の続きです。
カブトムシが50円玉を何枚運べるのかという実験の後に、色紙を使った実験も試しにやってみました。大きめの箱に様々な色の折り紙を敷き詰めて実験道具は完成なのですが、内容としましてはこの中にカブトムシを入れてみて、どの色をカブトムシが好むのかを調べてみようというものです。
なんだかおもしろそうだったので、やってみようと思ったのですが、正直、カブトムシの好きな色は特にないんじゃないかなと思っていました。
しかし、実際にやってみると不思議なことが起こりました。
まず、オスのカブトムシを入れてみました。するとオスのカブトムシは緑色の折り紙のところへ。
「このカブトムシは緑が好きみたいだね」と子どもたちと話しながらも、次は別のオスのカブトムシを入れてみることに、すると、またも緑の折り紙のところへ行くではありませんか。
子どもも少し「あれ?」と思ったのか、次のオスのカブトムシを入れてみようということになりました。
そして、3匹目のオスのカブトムシを入れてみると、なんとカブトムシはまた緑の折り紙のところへ。
不思議ですね!こうなると大人も子どももテンションが上がってきます。
なんなら「また緑に行け!」くらいな念がこもっているような笑
するとある子から「メスのカブトムシはどうかな?」という声が。
私も確かにオスのカブトムシばかりだったなということにその時気がつきました。
そして、思わず、いいことに気がつく子がいるな〜と唸ってしまいました。
この発言から子どもたちは「それ、いいね」という感じで、さらに盛り上がっていきました。
少し前の藤森先生のブログで「科学の甲子園ジュニア」の話題が取り上げられた中で、コミュニケーション能力というチームプレイの大切が書かれてありました(詳しい内容は下記のURLをクリックしてみてください)。

https://goo.gl/36yEX2 2015年1月28日 科学好き)

https://goo.gl/wmXCMI 2015年1月29日 科学好きを作る環境)

まさにこの子どもたちの姿は集団だからこそ生まれた気づきだと感じました。
誰かの発言から、「そういう考えもあったのか」と刺激され、自分の見方も広がっていきますし、不思議をみんなで共有して、さらに本質へと迫れるように思いました。
乳幼児期に科学も集団の力がカギになるのかもしれませんね。
さて、メスのカブトムシはどうなったのかといいますと…なんと、また緑の折り紙のところへ行くではありませんか!これには私が一番驚きました笑
どうしてそんなことになったのでしょうか?本当にカブトムシに好きな色があるのかもしれません。
もしかすると偶然でもあるのかもしれません。ですが、そんな不思議な体験をこうやってみたらどうだろうと子どもたちと楽しみながらやっていくことが大切なのかなと改めて感じました。
報告者 森口達也

科学実験

今回の年間講座のテーマは「科学実験」ということで、参加者の皆さんと子どもたちと楽しめる科学実験を楽しみました。
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まずは、保育の中の「科学」について皆さんと共有し、考えることからはじまりました。
科学というと「なんだか難しそう」と思ってしまいますが、実はそれは科学に対する固定観念で科学は日々の生活の中、自然の中にあふれているものということを皆さんで共有しました。
塾長も科学は「知る」という言葉が語源であること、子どもは何でも知りたがる、つまり子どもにとっての科学は知るという人間本来の能力を育んでいることになると言われています。
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私も以前、科学の環境を用意したり、体験を子どもたちと行う際に、科学を難しく考えてしまっていました。しかし、そんな時に塾長から「先生が不思議だと思ったことを子どもと一緒に体験することがまずは大切」ということを言っていただき、とても楽に科学と向き合えるようになったことを覚えています。保育者の役割にもつながっていくことだと思うのですが、「不思議を楽しむこと」「不思議だと思えること」は保育者にとって大切な資質になりますね。
また、保育者の役割として重要な4つの役割を考えました。
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「科学体験」における保育者の役割ということでしたが、これは日々の保育の中での保育者の役割にも当てはまることだなと思わされました。
そして、次にいよいよ実験に移っていきました。
今回は
①ペットボトルレンズ
②ティッシュペーパーとトイレットペーパー実験
③コーヒーフィルター実験
④油とインク実験
⑤骨伝導実験
の5つの実験を行いました。
まずはペットボトル実験です。これはペットボトルに水をいっぱい入れて準備は完了です。
実験の内容もシンプルで、このペットボトルを目に近づけるだけです!そうすると…..目の部分が大きくなって、なんとも面白い顔に仕上がります笑
自分の顔はなかなか見ることができないので、友達同士でやってみると盛り上がるかもしれません。
また、ペットボトル越しに景色を見ると景色が反対になっているのを発見した先生もおられました。まさにその発見、姿ことが科学する心ですね!
次は「ティッシュペーパーとトイレットペーパー実験」です。
これは、まず2つの透明なコップのそれぞれに水を入れます。その一つにティッシュペーパーを適量入れ、もう片方にはトイレットペーパーを適量入れ、割り箸でかき混ぜるとどうなるのかという実験です。
頭ではどうなのか想像がつくのですが、実際にやってみるとほぐれかたの違いがここまではっきりするのかと驚くのではないかと思います。もちろん、結果はトイレットペーパーの方をかき混ぜると、ペーパーはバラバラになりますが、ティッシュペーパーの方はほぐれず割り箸にまとわりついてしまいます。これは繊維の結合の違いから起こるらしいのですが、そんなことは二の次ですね笑
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ちょっと空いた時間にこんな遊び心も。

ここで、おもしろい展開になったのですが、ある先生が大きなペットボトルに丸々トイレットペーパー一つ分の紙が入るのかを試してみたい!ということになり、同じ机の皆さんとも盛り上がり、挑戦してみることになりました。
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K先生の好奇心がその場の皆さんを盛り上げていきました!

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たくさん入ってます笑

この姿がとても印象的でした。「こうやったらどうなるんだろう?」という好奇心が周りの人にも伝わり、活動がさらに展開していくというのはまさに科学体験だなと感じました。かつて塾長のブログで科学について取り上げられていた時に、科学のコンテストで優勝した高校生集団の話があったという記憶があります。そのブログでは、科学はチームプレイであるということが取り上げられていました。科学というと一見、一人で行うものというイメージがありますが、そうではないということを知りましたし、今回の実験で、そのことを身を持って感じました。
次はコーヒーフィルター実験です。これは水性ペンでコーヒーフィルターに絵を描きます。その絵に、スポイトで水を垂らすと水性ペンのインクがにじんで様々な模様になるという実験です。ここでちょっとしたアクシデントが、何種類か水性ペンを用意したのですが、うまく色がにじまないペンがありました。やけに紫だけがにじむな〜…あ〜事前に確認をしておくんだった…と思ったのですが、これもまた科学!にじまないものと、にじむものがあるのはどうしてなのだろうと考えることができますね笑
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強引かもしれませんが、失敗も考え方一つで「不思議に!」変わるのかもしれません(しかし、準備、チェックはちゃんとしたほうがいいですね)。そんな実験をしていく中で、さすが参加者の皆さん、さらに実験を発展させていました。コーヒーフィルターに先ほど使ったティッシュを入れて、水をこして遊んでいる方がおられました。このような好奇心もまた科学ですね!
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補足ですが、実はこの実験を若林先生がドイツで体験されています。ドイツでは、コーヒーフィルターに色々なメーカーの黒色の水性ペンを塗り、それぞれの黒色に水滴を落としてみたそうです。そうすると、メーカーによって黒の作り方が異なるそうで、様々な色がそこからにじみでてくるそうです!今回はその実験はできなかったのですが、是非やってみたいですね!
次は「油とインク実験」です。これは、まず透明なコップに水を入れます。そして、そこに油を入れます。そうすると水と油が分離し、二層の層ができます。これだけでもかなり不思議なのですが、そこにインクを一滴たらすとさらに不思議なことが起こります。油の層に垂らされたインクは丸い形になり、しばらく油の層でとどまります。しかし、ここでじっくり待ってその様子を見ておくと…丸くなったインクが水の層に落ちる時がやってきます。そうなると先ほどまで丸くなっていたインクは水の層の中で広がっていきます。これがなんとも美しいのです!水の層にインクが落ちた途端、「おお〜」と歓声が上がります。また、面白いのが、なかなかインクが落ちない方がいたり、なんらなずっとインクが落ちずに油の層でとどまっている方がおられました。どれも同じでないというのがまた不思議ですね。
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インクが水に溶けて、油の粒が細かく浮いたこの光景を見て、「宇宙みたい」という声が。

ちなみにドイツではこの実験は「待つ力」にもつながると解説されていたそうです。塾長も待つことは大切だか、待った先に楽しみがあることが大切であるということを言われますが、まさにそのことにつながりますね。
さて、最後の実験です。最後は「骨伝導実験」です。この実験はオルゴールを使います。どうするのかと言いますと、オルゴールを鳴らし、歯で割り箸をくわえます。歯でくわえるというのがポイントです。そして、その割り箸の先をオルゴールにつけます。この時、両耳を両手でしっかり塞ぎます。そうすると…なんと頭の中でオルゴールのメロディーが聞こえてくるのです!何を言っているのかよく分からないかもしれませんが、頭の中でメロディーが鳴るのです笑
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割り箸二本で試しておられる先生も!

これは耳からではなく、割り箸から歯へと音の振動が伝わり、その振動が頭蓋骨まで伝わり、音が聞こえるからだそうです。実際にこれを体験した皆さんからは驚きの声が上がっていました。この驚きは体験してみないとわからないので、ぜひ皆さんもやってみてください!使ったオルゴールは一人一個ずつ持ちかえっていただきました!
このような感じで、実験は終了しました。短い時間ではありましたが、科学を楽しむことを改めて感じましたし、一人ではなく、みんなで不思議を共有する楽しさも感じることができました。そして、言われたことだけではなく、あれこれと好奇心の赴くままに様々な方法で実験を楽しむ皆さんの姿が印象的でした。その好奇心は保育者としてとても大切なことであると常々塾長も言われております。また、子どもも同じように、あれこれと試してみたくなる存在です。大人にとって「それは違うのにな〜」と思うこともあるかもしれません。しかし、そんな子どもの好奇心に寛容になることも大切なことだなと思わされました。
 (報告者 森口達也)

甲虫①

夕方に吹く風もだいぶ秋らしくなってきましたが、それでもまだ夏は、いや暑さは終わらないかなという感じですね。
そんな中、新宿せいが保育園にも夏の風物詩であるカブトムシやクワガタムシが飼育されています。
今回はそんなカブトムシに関する報告です。

カブトムシやクワガタムシは子どもたちには人気の昆虫ですね。ですので、やっぱり触ってみたくなりますし、カブトムシ同士を向き合わせて戦わせてみたくなります。私も子どもの頃にそういったことはよくやりました。しかし、どうも子どもたちのカブトムシへの関わり方がカブトムシを「おもちゃ」のように扱っているような姿がよく見られるようになったそうです。カブトムシも昆虫界では王者かもしれませんが、何度も触られたり、時には乱暴にされてしまうことで、やはりストレスもかかるので、弱ってしまいます。そんな子どもたちの様子を見ていた先生から「どうしたらいいのか」と塾長に相談がありました。
そこで塾長から「カブトムシをおもちゃとして見る」のではなく、様々な実験を通して、「観察対象として見る」ことができればいいのではないかということになり、実験を行ってみればいいのではないかということになりました。
ということもあり、早速、「カブトムシ実験」を子どもたちと行ってみました。

私が白衣を着て、実験のセッティングをしていると何かが始まると子どもたちも感じたようで、興味のある子達が集まってきました。子ども達が机を囲むくらい集まってくれたので、実験開始です。

まずは「カブトムシの引っぱる力を調べよう」ということで、糸をつけた小さな箱をカブトムシの角の部分にひっかけ、どれくらい重いものを運ぶことができるのか実験してみました。写真 2016-08-27 20 08 16

今回は重りに50円玉を使ってみることにしました。まずは50円玉1枚からスタートして、どんどん枚数を増やしていきます。50円玉の重りが入った箱を引っぱるカブトムシの姿に子どもたちからも自然と「すげー」という声が聞かれたり、「ガンバレー」と応援する声もありました。結果として一匹目のカブトムシは50円玉を5枚運ぶことができました。

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次は違うカブトムシで試してみることにしました。
結果としては、二匹目のカブトムシは50円玉を1枚しか運ぶことができませんでした。
そんなカブトムシを見て、子どもたちがあることに気がつきました。
まず、ある子が言ったのは「新聞紙の上だとツルツルするから(うまく運べない)じゃない?」ということでした。
そういった声があったので、厚紙の上やクリアファイルの上で実験してみることにしました。結果は同じではあったのですが、「こうじゃない?」「こうしてみたらいいんじゃない?」と試してみることそのことがまさに「科学する」ことですね。結果は関係ありませんね。

他に「なんだか動きが変」という声もあがりました。そうなのです。実はカブトムシの足のいくつかが短くなってしまっていたのです。カブトムシ同士の争いで失われたのかもしれません。または、もしかすると子ども達が触っている時にとれてしまったのかもしれません。その時に私は「本当だ。かわいそうだね。触りすぎちゃったからかな。優しく触ってあげてね」と声をかけました。
どんなことを子どもたちが思ったのかは分かりませんが、実験を通して、カブトムシをよく観察したことでカブトムシの変化に気づいていたことは間違いありませんね。

また、保育所保育指針の【情緒の安定】の内容に「一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う」とあります。カブトムシを見ると触ってみたくなるというのは子どもにとって自然な欲求ですね。塾長はよく、「物を壊してしまう子には壊してもいいも物を用意すればいいのです」や「走り回っている子がいたらな、走ってもいい環境を用意すればいいのです」ということを言われます。私たち保育者の専門性は子どもたちの欲求を適切に満たせる環境を構成することでもあるのかもしれません。そんなことを改めて感じました。

もう一つ「ある実験」をしました。私自身も予想外の実験結果になり、おもしろかったのですが、少し長くなってしまったので次回、また報告させていただこうと思います!

(報告者 森口達也)